オリックスの黒木がTJ手術を経て支配下に復帰「マイペースでいく」

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2020年12月04日 17:24  ベースボールキング

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ベースボールキング

契約更改交渉後の会見に出席したオリックス・黒木投手
◆ トミー・ジョン手術を乗り越えて

 オリックスの契約更改が4日に行われ、右ひじを手術して2年間、一軍登板のなかった黒木優太投手(26)が支配下登録され、700万円ダウンの2100万円で更改。5年目の来季、3年ぶりの一軍マウンドを目指す。

 黒木は立正大から2017年にドラフト2位で入団。1年目の春季キャンプから150キロ台の速球を武器にした強気の投球で存在感を示し、ルーキーながら当時の守護神・平野佳寿につなぐ8回を任され、55試合に登板し25ホールドを挙げた。2年目も39試合に登板したが、昨年の春季キャンプで右ひじを痛め、同年6月に右肘内側側副靭帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を受けていた。

 今年10月のウエスタン・リーグ、阪神戦での実戦登板では150キロをマークするなど、順調に回復。支配下登録されることに。背番号も「124番」から、支配下時代に付けていた「54番」に戻り、「54番以外、自分がつけるとは思っていなかっただけに、背番号が戻ってよかった」と頬を緩めた。

 しかし、笑顔は一瞬だけ。来季の目標に掲げたのは「自分のペースを乱さないこと。マイペースでいく」とだけ。派手な数字などを挙げなかったのは、手術、リハビリの2年間で「自分がプレーをしないため、自分を客観視できた」から。「自覚がないから、こうなった。リハビリを通して、どこまで(負荷をかけていいのか)わかるようになった。それを自分でわからなければいけない」と続け、「この手術を絶対に無駄にしてはいけない」と言い切った。

 憧れの「54番」の先輩、元ロッテのジョニー・黒木さんからは、今春の宮崎キャンプで「トミー・ジョン手術は完治するから焦るな」と声をかけてもらい、復帰への励みになったという。会見終了後、カメラマンから求められたガッツポーズを、やんわりと拒否した黒木。支配下登録くらいで喜んではいられないという思いが強いのか。一軍マウンドで完全復活したときまで、ガッツポーズは封印するつもりだろう。


◆ 増井は来季の先発起用を直訴

 一方、抑えから先発に転向し、2勝2敗の増井浩俊投手(36)は1億円ダウンの2億円で更改。「減額制限(年俸1億円以上で40%)は超えなかったが、悔しいので言いたくない」と金額について言葉を濁し、悔しさをにじませた。

 来季は4年契約の最終年となるが、更改の席上、球団に先発での起用を申し入れたという。「FA(フリーエージェント)でとってもらった恩返しが出来ていない。一生懸命やるしかないシーズン。(セーブ王などへの)こだわりを捨てて臨む」と捲土重来を誓っていた。

 先発への配置転換で得たものもあった。速球やフォークボールで打者をねじ伏せてきた抑えではあまり使えなかったという、カーブやチェンジアップを磨くことができたほか、シュートも習得。「投球の横の幅を使うためにも、シュートに加え、スライダーも投げられるようにしたい」と、プロ12年目のシーズンを見据えた。

 また、4年目の今季、1勝(4敗)に終わった榊原翼投手(22)も400万円減の1500万円でサイン。「オフの練習量が足りず、体のキレも悪かった。気持ちの面で打者と勝負できない自分がいた」と反省ばかりが口をついた。

 打者では、満塁男の異名をとる杉本裕太郎外野手(29)が、520万増の1400万円で更改。5年目の今季は「本塁打を狙わずコンパクトに振った」と振り返り、2本塁打に終わったが、17打点を挙げるなどほぼすべての部門でキャリアハイを実現した。来季の目標は「確実性を身につけ、自信のあるパンチ力も生かしたい」と安定して長打力を発揮できる打者を目指すつもりだ。

 中嶋聡二軍監督がシーズン途中で一軍監督代行に昇格後、一軍で起用されるようになって結果を残せたことから「中嶋さんに恩返しが出来るよう、死ぬ気で頑張りたい」と表情を引き締めていた。


文=北野正樹(きたの・まさき)

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