F1 Topic:初日をトップで終えたラッセル。予選本番での課題は1アタックで目標タイムを出すことか

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2020年12月05日 17:01  AUTOSPORT web

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2020年F1第16戦サクヒールGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2020年F1第16戦サクヒールGPで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性となって欠場したルイス・ハミルトンに代わり、メルセデスから出場することになったジョージ・ラッセル。どんな走りを披露するのか注目されたが、いきなり金曜日のフリー走行1回目と2回目でトップに立ち、初日から魅せてくれた。

 F1の公式サイトでは、「予選で4位の座を射止めるのはだれか?」という予想の応募投票が行われ、その候補はダニエル・リカルド(ルノー)、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)となっており、予選トップ3がラッセルを含めたメルセデス2台とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の3人というのが大方の予想となっている。

 では、このなかで誰がポールポジションを獲得するのか。フリー走行2回目のベストタイムはこうだった。

1位 ジョージ・ラッセル 54秒713
2位 マックス・フェルスタッペン 54秒841
11位 バルテリ・ボッタス 55秒321

 ただし、フェルスタッペンが「バルテリ(ボッタス)はベストタイムが(トラックリミットによって)抹消されており、僕たちはまだコンマ2〜3秒遅い」と語っている。

 確かにボッタスはソフトタイヤを履いた1発目のアタックで54秒506と、フェルスタッペンの54秒841よりもコンマ3秒速いタイムをマークしていた。これはフェルスタッペンだけでなく、今回チームメイトを務めるラッセルのトップタイムである54秒713よりも速い。これだけを考えれば、金曜日の時点でのトップ3は以下のようになり、最速だったのはボッタスとなる。

1位 バルテリ・ボッタス 54秒506(計測後抹消)
2位 ジョージ・ラッセル 54秒713
3位 マックス・フェルスタッペン 54秒841

 また、この3人はピットアウト後、1回だけアタックをして再びピットに戻ったわけではない。ボッタスのタイムは9周連続で走行し、ラッセルは7周連続走行、そしてフェルスタッペンは6周連続走行だった。つまり、この3人の予選シミュレーションはそもそも燃料搭載量が異なっていた可能性がある。

 もし、周回数どおりの燃料を搭載していたとすれば、最も多くの周回を行っていたボッタスには、さらに速いタイムを刻むスピードがあるということになる。

 さらに、この3人がベストタイムをマークしたタイミングも違う。ボッタスとラッセルのメルセデス勢2台は最初のアタック(アウトラップの次の2周目)だったのに対して、フェルスタッペンは6周連続走行内での2回目のアタック(5周目)だった。つまり、タイヤのおいしい部分を使いきれていなかった。

 そう考えると、金曜日が終了した時点で一発のタイムが最も速いのはボッタスで、ラッセルとフェルスタッペンはほぼイーブンではないかと考えられる。

 ただし、ラッセルには土曜日の予選に向けて、これまで経験したことのないふたつのプレッシャーがのしかかることも忘れてはならない。

 ひとつは、Q1とQ2を1セットのタイヤで余裕を持って突破するだけのタイムを出すこと。ラッセルが土日に使用できるソフトタイヤは残り5セット。フリー走行3回目で2セット使用すると残りは3セット。Q3用にソフトを2セット残すには、Q1はソフト1セット、Q2はミディアム1セットで通過しなければならない。

 これまでのウイリアムズでは、ラッセルはQ3へ進出することは考えず、Q1とQ2で2セットのソフトタイヤを使用してきた。つまり、今までの2回アタックから1回のアタックで目標のタイムを出さなければならない。

 金曜日のフリー走行でラッセルはそれを行い、しっかりとトップタイムをマークすることができた。あとは、予選本番でも同じことができるかが鍵となる。

 しかも、サクヒールGPのコースは1周が短く渋滞が発生しやすい。混乱が予想される土曜日の予選で、ラッセルが金曜日と同じようにメルセデスのマシンからしっかりとスピードを引き出せるか。ラッセルの走りに世界が注目している。

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