久保建英、ビジャレアル残留か移籍か。レアル復帰の可能性はある?

1

2020年12月06日 11:11  webスポルティーバ

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

webスポルティーバ

写真写真

 年明けからオープンする冬の移籍マーケットを前に、ビジャレアルの久保建英の身辺が騒がしくなってきた。

 もっとも、主に騒ぎ立てているのはスペイン現地メディアの報道で、今のところそのほとんどが憶測に終始した内容ばかり。もはや風物詩ともいえるこの現象は、ある意味で久保がヨーロッパのマーケットにおける人気銘柄であることの証ともいえる。




 ただ、本人はもちろん、周囲が久保の現状に満足していないのは事実。そういう意味では、移籍マーケットが開く前にあらためて久保の現状を整理し、今後を見据えて何が得策なのかを考察してみる必要はあるだろう。

 まず、この冬における久保の選択肢は3つある。ビジャレアル残留、レアル・マドリードへのレンタルバック、そして別のクラブへのレンタル移籍だ。完全移籍という選択もなくはないが、本人の希望や現状を考えれば現実的ではない。

 3つの選択肢のなかで最も可能性が低いとみられるのが、所属元のレアル・マドリードへのレンタルバックだろう。

 たしかに現在のレアル・マドリードは、直近5試合でわずか1勝と、決して好調とはいえない状態にある(12月5日時点)。しかしながら、昨シーズンの国内王者の前線にはすでに有り余るほどのタレントが揃っており、今夏の移籍マーケットでも攻撃的MFマルティン・ウーデゴールをレアル・ソシエダからレンタルバックしただけという充実ぶりだ。

 しかもそのウーデゴールでさえも、ここまでは満足のいく出場機会を得られていないことを考えると、久保がそこに割って入り、ビジャレアル以上の出場チャンスを得るのは困難と見るのが妥当。すなわち、この選択は得策ではない。

 一方、この冬に他クラブへレンタル移籍する選択については、その実現性は高くない。これまで、久保の移籍を騒ぎ立てている現地報道でも具体的な移籍先は挙がっていないうえ、来年6月30日までレンタル契約中のビジャレアルが移籍を承諾するには、久保を手放すに値するだけのメリットがなければ不可能な話だ。

 それは久保本人にとってもいえることで、今後のステップアップを考えたうえでビジャレアル以上の環境でプレーできる新天地でなければ、納得はしないだろう。要するに、この冬で他クラブへレンタル移籍する選択は、可能性が低いうえにあまり得策とはいえない。

 そうなると、最も可能性が高く、ベターな選択なのがビジャレアル残留になる。

 そもそも、引き続きシーズン後半戦もビジャレアルでプレーすることは現在の久保にとってそれほどマイナスなことなのか。

 たとえば、今シーズンの久保はラ・リーガ第11節(対レアル・ソシエダ戦)を終えた段階で11試合すべてに出場。問題は、そのうちスタメン出場を果たしたのは第7節カディス戦1試合のみで、それ以外の10試合は後半途中からのプレーに限られている点だ。また、出場時間も189分にとどまっている。

 しかし、出場機会が限られている国内リーグ戦とは別に、今シーズンの久保はヨーロッパリーグでもプレーしており、こちらではグループステージ第5節終了時点で5試合に出場。しかも、5試合すべてでスタメンに名を連ねて出場時間は376分を数え、ここまで1ゴール2アシストをマークしている。対戦相手のレベルは別として、久保が最も必要としている"目に見える結果"を残していることが大きい。

◆マラドーナの足をへし折った男の言い分「何も悪いことはしていない」>>

 現状、チームを率いるウナイ・エメリ監督は、主にレギュラーメンバーを国内リーグで起用し、サブメンバーをヨーロッパリーグでプレーさせるという手法でチーム強化を進めている。その意味においては、まだ久保はサブの域を出ないことになる。

 ただ、昨シーズンのマジョルカでは経験できなかったヨーロッパの舞台は、久保にとって大きな学びの場であることは間違いなく、悲観的にとらえる必要はない。むしろヨーロッパリーグで実績を積み、結果を残すことが、今後のステップアップにつながるはずだ。

 振り返れば、ラ・リーガ初年度の昨シーズン前半戦も、久保はマジョルカで即レギュラーの座を掴んだわけではなかった。

 たとえば、昨シーズンの久保はラ・リーガ第11節までに8試合に出場し、そのうちスタメンを飾ったのは第6節アトレティコ・マドリード戦と第7節アラベス戦の2試合のみで、出場時間は382分だった。

 この数字はたしかに今シーズン国内リーグの189分よりは多いものの、しかしヨーロッパリーグの出場時間と合わせると565分におよぶ。つまり同じ時期で比べてみると、昨シーズンよりも、今シーズンのほうが公式戦でプレーする時間は増えているのだ。

 しかもマジョルカは残留を目標とするチームで、ビジャレアルはチャンピオンズリーグ出場権獲得(4位以内)を目指す上位チームである。そのことを考えても、あえて冬に移籍を考える必要はないだろう。

 ジェラール・モレノ、パコ・アルカセル、モイ・ゴメス、カルロス・バッカ、サムエル・チュクウェゼ、ピノ、アレックス・バエナ......。世界の一線級がひしめくレアル・マドリードほどではないものの、今シーズンのビジャレアルの前線には国内屈指のタレントがそろっている。

 そんな厳しい環境のなかで、久保が熾烈なポジション争いを勝ち抜き、レギュラーの座を手にしたあかつきには、おそらく次なるステップアップが待っているだろう。さらに上のステージへの階段を上るためにも、引き続きビジャレアルで切磋琢磨する必要がある。

 そのステップを踏まずして、本人の願いでもあるレアル・マドリードのトップチームの一員になることはできない。それを含めて、ビジャレアル残留が久保にとってのベターな選択だと思われる。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定