【フォト】『進撃の巨人』場面写真をチェック

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2020年12月06日 11:22  アニメ!アニメ!

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写真『進撃の巨人The Final Season』(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season 製作委員会
『進撃の巨人The Final Season』(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season 製作委員会
アニメやマンガ作品において、キャラクター人気や話題は、主人公サイドやヒーローに偏りがち。でも、「光」が明るく輝いて見えるのは「影」の存在があってこそ。
敵キャラにスポットを当てる「敵キャラ列伝 〜彼らの美学はどこにある?」第7弾は、『進撃の巨人』より「鎧の巨人」の魅力に迫ります。

『進撃の巨人』の主人公、エレン・イェーガーは正義感の強い熱血漢だ。では、その敵役となる存在は冷血な悪だろうか。

そんなことはない。この作品では主人公と敵対する者たちも血の通った存在であると描かれる。敵役となる者たちも、主人公サイドと同じくらい切実な事情を抱え、正しいと信じる正義を秘めている。特定の立場の正義だけを描かず、正義は立場によっては容易く入れ替わるものに過ぎないことを描いているのが本作の大きな特徴だ。

今回は、そんな本作の敵役を取り上げることで、入れ替わる正義と悪の問題について考えてみたい。

作中、エレンと最も多く相対するのは、鎧の巨人だ。そこで今回は、鎧の巨人について掘り下げることにする。

※ここから先は、ネタバレ要素を含みます。



鎧の巨人の正体、ライナー・ブラウンは、一言でいうと良い奴だ。同期の104期生のだれからも頼れる兄貴分として信頼されている。卒業時の成績はミカサに次ぐ2位で実力も申し分ない。その勇敢さで何度も同期生の窮地を救っているし、だれよりも責任感の強い男だ。

それゆえに彼は深く悩む。ライナーは、壁の中の人類は「悪魔」だと教えられて育ち、その教えにだれよりも忠実であろうとしていた。そもそも、その忠誠心が認められて鎧の巨人に選抜されたという経緯もある。

しかし、壁の中の人類たちと接するうちに、「悪魔」であるはずの存在も自分たちと変わらない人間であることを知ってしまう。彼の悩みはあまりに深すぎて、遂には二重人格のようになってしまう。祖国の選ばれた「戦士」だった自分の中に、いつしか壁内の人類側の「兵士」の人格を宿してしまうのだ。

物語序盤で同期のマルコが死んだことは、エレンたち104期生の中で大きな出来事として尾を引くが、マルコを死に追いやったのはライナーだった。マルコが巨人に殺された直後、ライナーは「オイ…なんで…マルコが食われている…」と記憶が欠損しているかのような発言をする。

「本来は壁の破壊を目的とする戦士だったが、兵士を演じて生活するうちにどちらが本来の自分かわからなくなった。もしくは罪の意識に耐えられず、心の均衡を保つために無意識に自分は壁を守る兵士の一人だと逃避し・・・そう思い込むようになったんだ」

と、ライナーに捉えられた同期の一人ユミルが語るのは示唆的だ。

真面目な人ほど深く悩むものだ。ライナーは、ヒーローアニメの敵役としては真面目すぎたのかもしれない。視点をエレン側からライナー側に移せば、真面目な彼は、主人公の資質があるとも言えるだろう。

そう考えてから、ふと本作のアニメシリーズのキービジュアルを見返してみると興味深いものが見えてくる。

これはTVアニメ『進撃の巨人』第一期のキービジュアルだ。奥にそびえ立つ超大型巨人を見上げるエレンの後ろ姿が描かれている。



そして、これが12月6日から放送開始となる『進撃の巨人』The Final Seasonのキービジュアルだ。



ふたつのキービジュアルの構図はよく似ているが、キャラクターの立場が入れ替わっている。Final Seasonのキービジュアルでは、奥にいるのは巨人になったエレンで、手前にいるのはおそらくライナーだろう。

本作は絶対の正義も絶対の悪も描かない。それらは所詮相対的なものすぎないと本作は描く。主人公サイドのキャラクターが爪を剥がすなどの拷問を行うシーンすらあるが、それだっても大義のために仕方のないことだった。そして、それをやられていた連中にも、大義があった。この作品は、大義や大切な人を守るために戦っているにすぎない人々が、殺しあわねばならない世界全体の理不尽さを描いているのだ。

Final Seasonのキービジュアルは、これまでとは異なる視点で物語が展開されることをほのめかしている。その視点ではだれが敵役となるのか、注目してみてほしい。

その敵役が明らかになった時、視聴者は、本作に度々登場する「この世界は残酷だ」という台詞の本当の意味を知ることになるだろう。

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