梅宮アンナ「恋人は必要ない。私は自分で自分を認められる人間でいたい」

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2020年12月11日 12:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

梅宮アンナ 撮影/佐藤靖彦

 父・梅宮辰夫さんの一周忌を迎え、最近ようやく自分のことを考える余裕ができたという梅宮アンナさん。50代を目前に控え「やりたいことがたくさんある」というアンナさんに、仕事や恋愛などに対する率直な思い、これから目指す生き方について話を聞いた。

(前編の記事『梅宮アンナが語る父・梅宮辰夫「私、父が亡くなってから、まともに泣いてないんです」』はコチラ

  ◆    ◆    ◆  

 父が亡くなってから、「あれっ、なんだか風向きが変わったのかな」と感じることが多くなりました。新しく知り合う人たちが、みんないい人たちばかりなんです。父が守ってくれているのかもしれないと思っています。

 振り返れば、ここ数年はずっと家族のことで頭がいっぱい。父の闘病中、母も膠原病を発症したりと、私自身は自分のことをゆっくり考える時間もなくて……。父の一周忌を前に、ようやく自分のやりたいことを落ち着いて思い描けるようになりました。

 年齢を重ね、「嘘をつきたくない」という気持ちがますます強くなりましたね。自分が本当にやりたいことと、やりたくないことを真剣に考えるうちに、自然とテレビと距離ができていたんです。テレビでは、思ってもいないことを「こういうふうに言ってほしい」と求められたりします。コメンテーターとして出演していても、自分の考えではなく、あらかじめ答えが用意されていることがあるんです。

「はい、わかりました」と、受け入れたほうが楽なのかもしれない。でも、思ってもいないことを演出どおりに口にするということは、「世の中に媚(こ)びている」ことだと私は思うんです。媚びるということは、嘘をつくことと同じ。たびたび断っているうちに、テレビ出演の機会も少なくなっていきました。

SNSでは絶対に嘘をつかない

 そのかわり、インスタグラムなどのSNSでは、絶対に嘘はつかないと決めて、自分の思いを発信しています。商品を紹介するときも、自分で本当にいいものだと思えるものを紹介するようにしています。

 ファッションやメイクのことから、いま個人的に考えていることなど、内容はさまざまですが、たくさんの方から反響やメッセージをいただきます。

 そんななか、16歳の女の子から「学校に行くのが嫌なんだけど、どうすればいいですか」とダイレクトメールが届いたことがありました。娘と同じ世代だし、自分が10代のころを思い出したりもして、放っておけなくて。何度もメールをやりとりしました。

 私も親が選んだ高校が嫌になって、一度やめて、再受験した経験があります。親に「学校をやめてどうするの?」と聞かれたとき、私は「わからない。でも、このままじゃ私の心が死んじゃう」と答えました。

「学校やめたい」という子どもに対して、すぐに「いいよ」と返事する親なんていませんよね。自分の気持ちをきちんと親に伝え、理解してもらうのは大変なことです。

 メールをくれた女の子は、家から出られず、学校にも行けず、苦しんでいました。

「やめるかどうか決めるのは自分。やめたあとどうするかも自分。親の言うとおりに生きるのではなく、自分で決めなきゃ。だけど一度ゼロにしないと、自分が本当に何をしたいのかわからないんじゃないかな」と、伝えたんです。

「学校をやめることを親が許してくれない」
「私があなたの親御さんと話してもいいよ」

 など、何度もやりとりがあったあと、その子はしっかり親と話し、「いまの学校をやめてもいいことになった」と連絡をくれました。外にも出られるようになったそうです。

 おせっかいかもしれない(笑)。でも、こうしてまっすぐ気持ちを吐き出してくれる人もいるから、私もますます嘘はつけない。SNSは、誰にも邪魔されず本音を伝えられて、心から自分がいいと思ったものや事柄を、自分の責任で紹介できる場所。これからも大切にしていきたいと思っています。

娘に言われた言葉

 娘の百々果(ももか)も大学生となって子育ても一段落し、「再婚しないの?」と聞かれることもあるけど、まったくその気がないんです(笑)。もう何年も恋人はいませんね。意外に思われるかもしれないけど、もともとそんなに恋愛経験が多いほうではないの。40代になってからはますます面倒くさくなっちゃって(笑)。

 今では、朝からメールで「おはよう(ハートマーク)」とか、夜は「おやすみ(ハートマーク)チュッ」とか、なんだかバカみたいって思っちゃう(笑)。

 7年前に父の人工透析が始まって、私自身、身も心も疲れていたとき、母から「こんなとき、あなたを支えてくれる男の人がいたらね」って言われたことがありました。でも私は逆。「こんなとき恋人なんていたら大変。相手してるヒマない、いなくてよかった」って心から思ったんです(笑)。頼まなくても困っていることに気づいて、なんでも助けてくれるスーパーマンみたいな人がいるなら別ですが、そんな人はいませんから。

 恋人って、絶対に必要ですか?

「彼氏が欲しい!」とか「結婚したい!」というのは、「誰かに頼りたい」という思いから出てくるんじゃないのかなあ。私はひとりが好きだし、なんでも自分で決めたい人間。驚かれるけど、ヘアメイクもスタイリングも全部自分でやるし、ひとりで運転してどこへでも行きます。人に頼ること自体があまり好きじゃない。

 だから今は、恋人が欲しいとも思わない。それに、父の介護を2年間やって大変な思いをしたから、これから年上の男性と再婚なんてしたら、すぐに夫の介護が始まりそう (笑)。母にそう言ったら「ああ、そう思っちゃったのね」って(笑)。

 それでも百々果からは「一度でいいから、ママのことを好きになってくれる男の人と付き合ってほしい。ママはいつも自分から好きになるからダメなんだよ」と言われたことがありました。私の恋愛遍歴をメディアで見てわかっているからだろうけど、すごいこと言うでしょ(笑)。

 でもたしかに、私は親切にされたら、すぐにいい人だと思ってしまうんです(笑)。きっと、父が浮気するような人だったら、私も男性に対して逆に気をつけたと思うんですよね……。

 結婚前の父はすごく遊んでいたと思うんですけど、私が生まれてからは一度も浮気や不倫なんてしたことがないと断言できます。両親のケンカは小さいころから見てきたけど、女性関係が原因だったことはない(笑)。なにしろ仕事が終わったら、伝書鳩(ばと)みたいにまっすぐ家に帰ってくるから「もうちょっと遅くなってもいいのにね」って母と話してたぐらいです(笑)。

構想10年、やっと形にできた

 そんな父がいなくなって、悲しみに暮れていた母もお友達に囲まれてようやく元気が出てきましたし、娘も私に似たのか、ひとりで暮らしてみたいと言って海外の大学を選びました。今の私は、お仕事とワンちゃんがいればいい。

 いま真剣に取り組んでいるのは、新しくプロデュースしたアパレルブランド『anmo closet』のこと。まずはカシミヤ100%のセーターとストールを作りました。今後も『anmo closet』ではデザインはもちろん、素材から選び抜き、自分のこだわりだけで作り上げていきます。構想10年、やっと形にできて、とてもうれしく思っています。

 人に喜んでもらえて、自分のライフスタイルとも通じるような、本当によいものを追求して作り続けていきたい。いずれはスキンケアのラインナップも発表したいと思っていて、忙しい毎日を送っています。
 
 私はこれからも、他人からどう見られるかではなく、自分で自分を認められる人間でいたい。そのためにも、嘘をつかず、自分自身に正直に生きていきたいと思っています。

◎取材・文/植木淳子

<PROFILE>
梅宮アンナ モデル・タレント。1972年8月20日生まれ、東京都出身。O型。父は’19年12月12日に慢性腎不全で亡くなった俳優の梅宮辰夫さん(享年81)。母はタレントの梅宮クラウディアさん。ファッション誌『JJ』の看板モデルとして活躍後、女優に転身。’01年に結婚、翌年に百々果さん(18)を出産し、直後に離婚している。’20年12月、オンラインで展開する新ブランド「anmo」を発表。
◎anmo official
https://anmo-official.com
◎anmoオフィシャルインスタグラム
https://www.instagram.com/anmo.official/

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