オリックス・T−岡田はチーム最多の本塁打もダウン更改「目指すところはもっと高い」

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2020年12月11日 22:23  ベースボールキング

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ベースボールキング

契約更改交渉後の会見に臨んだオリックスのT−岡田選手
◆ 打点も吉田正に次ぐ数字を残したが…

 オリックスの契約更改が11日に行われ、15年目のT−岡田選手が500万円ダウンの8500万円でサイン。16本塁打を放ち、3年ぶりに本塁打15本以上をマークしたかつての本塁打王は「チームが優勝できるよう、体がボロボロになるまでやっていきたい」と完全復活を誓った。

 記者会見の冒頭で今年1年を振り返ったT−岡田は、「キャンプ時にはこんなことになるとは思ってもみなかったが、そんな中で医療従事者のみなさんが頑張って下さり、開幕することが出来た。そういう意味で異例の1年だったが、その方たちへの感謝を忘れずにプレーした1年だった」と、新型コロナウイルスに向き合った医療従事者への感謝の気持ちを改めて表明した。

 プロ入り後の節目となる15年目の今季は、100試合に出場し、328打数84安打の打率.256と、規定打席に到達。吉田正尚の14本を抜いてチーム最多の16本塁打をマークし、チーム内では吉田正に次ぐ55打点を記録した。ダウン提示は不本意だったはずだが、「納得のいくものは何一つなかった。最低限(の仕事)は出来たかなと思うけど、目指すところはもっと高い」と、納得した上での更改であることを強調した。

 その背景には、愛するチームへの強い思いがある。「昨年、あんな成績でも契約してもらった立場でもあるし、僕はまだまだ球団に恩返しが出来ていないというのが一番にある。来年はもっともっといい成績を残し、恩返ししていきたい」と言い切った。


◆ 背水の覚悟で臨んだ2020年

 大阪・履正社からドラフト1位で入団。プロ3年目の2010年、22歳で33本塁打を放って本塁打王に輝いた。しかし、左脇腹を痛めた18年から成績が低下。昨季の一軍試合出場はわずか20試合。代名詞の本塁打は1本に終わった。不退転の思いで臨んだ今シーズンだった。

 復活へのスタートは、昨年9月29日の本拠地最終戦だった。岸田護投手(現オリックス投手コーチ)の引退試合にもなった試合で、代打で出場。「代打、T−岡田」がコールされた京セラドーム大阪には、拍手と大歓声が沸き起こった。5月16日以来の一軍での打席。結果は三振終わり、声援には応えられなかった。

 しかし、自身のインスタグラムで「打席に立った時にいただいた拍手と声援はこの先一生忘れません。残留することが楽な道であり、自分を甘やかしてしまうことではないか、考えた日もありました。しかし、あの声援をいただき、それは違うと。この声援に結果という形で応えていくことが恩返しであり、自分が一番やりたいことなんだと気付かせてもらいました」と書き込んだ。

 「もう一度、この球団で結果を残して恩返しをしたい」という強い思いから、オフには当時5年目の鈴木優、育成契約で新人だった漆原大晟両投手と3人で、ベテラン選手としては異例となるプエルトリコのウインターリーグに年末まで参加し、一から打撃を見詰め直した。


◆ 来季のさらなる活躍に期待

 これまでの日々を、「昨年の成績が成績だったので、1試合、1試合、1打席、1打席を全力で取り組んだ1年だった」と振り返る。

 そんな岡田が来季に向け取り組んでいるのが、シーズン終盤に手応えを掴んだ打撃だ。「ホームランへのこだわりはあるが、それよりチームのために打っていきたい。もっとセンター方向に強い打球を打てるように取り組んでいる」ことを明かす。

 チームに関しては「若い選手が多く勝ち方を知らない。(阪神から)能見さんも来るが、勝てるチームはどういう感じなのか経験しないとわからない。何が何でも先を見るのではなく、目の前の試合にどうやって勝つか、それに対してどう動くか。それを考えられたら強いチームになると思う。野手の最年長になる僕や安達がもっと引っ張っていかないといけないと思う」と述べ、完全復活に向けてキッカケになる1年だったかを問われると、「その階段を昇っていることは間違いない」と言い切った。


文=北野正樹(きたの・まさき) 

このニュースに関するつぶやき

  • もう中年選手なんだから、ボロボロになるまでやるんじゃなく、身体の使い方を研究しておくれやす。
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