風の時代を迎えるためのSUGARの金言「メロウな腐敗で、発酵かまして、グルーヴ生成」

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2020年12月14日 21:01  占いTVニュース

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 占星術家・SUGARさんに聞く、グレート・コンジャンクション。前編では、グレート・コンジャンクションとはどういうものか? についてお話いただきました。後半では、グレート・コンジャンクションを経て、風の時代を迎えるにあたり、私たちはどういう心がまえが必要なのか、“本格的”な風の時代の前にしておくべきことについてお話していただきます。


――地の時代から、風の時代へ。私たちは大きな転換期の中にいるのですが、どういう心持ちで本格的な風の時代を迎えるといいでしょうか?


SUGARさん(以下、SUGAR) まずは「いつをもって風の時代とみなすか?」について考えたいと思います。前編で、2020年12月22日から本格的な風の時代が始まると話しましたが、個人差はあれども「本格的」という意味では僕はもう少し先だと思っています。それはいつかというと、冥王星が水瓶座(風のエレメント)に入る2023年〜2024年です。冥王星は崩壊と再建を司り、木星、土星同様、世の中を読み解くには大きな役割を持つ星です。


 そこを実際の大きな節目とすると、本格的な風の時代の到来までは、まだ2〜3年のバッファがあります。変化を迎えるにあたって準備しておくことという意味では、これまでの自分を振り返って、歴史に基づいた反省をすることが大事ですね。「風の時代到来!」ということで意識が未来に向いてしまうのもわかりますが、付け焼刃的に過去を振り返るのではなく、じっくり腰を据えて、自分の歴史、そしてその背後にある歴史を見つめ直してください。古い時代にきちんと区切りをつけるには、納得することが重要です。


 「土の時代」とか「風の時代」という言葉を聞いて、目にしていると、なんとなくわかっているような気になりますけど、心から納得するには、過去を振り返ることで実は自分は何も解っていなかったんだということが身に染みて感じられるという機会を経なければなりません。本来何かを「納得する」とは、そうやって自分が変わることを意味しますから。


――新しい時代に先走るのではなく、過去をあらためて振り返るんですね。


SUGAR 地の時代とはどういう時代だったのか? 占星術で地のエレメントの概念・象徴は、物質的豊かさ、功利主義的なリターン、分かりやすい確実さや手堅さ、コツコツ感、我慢や忍耐の推奨などです。この200年、日本は経済的にも物質的にも豊かになりました。そして次に人々が求めたのは、余暇、つまり精神的豊かさです。ただし精神的豊かさというのは、どちらかというと風のエレメントの管轄です。象徴的なのが、1983年に開園した『東京ディズニーランド』。


 1983年の日本は、「必死に商売に励む貧乏人」ではなく、すでに十分豊かになっていました。そのツケは2年後、米・英・仏・独・日の先進国五ヶ国の蔵相会議で「円高」を是認した「プラザ合意」で払わされることになりますが、この「すでに自分たちは豊かである」という拭いようのない実感は、東京ディズニーランドで明確にカタチになっていったように思います。


 開演前に流れたCMには「これが夢の実物」というナレーションが入っていましたが、東京ディズニーランドは自分たちよりずっと豊かなはずのアメリカの遊園地であり、それは日本製のこじんまりした遊園地を時代遅れのものにするには十分なスケール感と、本物の「夢の国」がそこにあるという圧倒的な存在感を持っていました。


 つまり東京ディズニーランドの開園に伴って、ある意味で労働(労苦)の神聖視は終わりを告げ、労働それ自体が人生の目的なのではなく、余暇こそが人間らしさを回復する精神的自由の砦となっていったのです。ただ、日本人にとっての最高の余暇として導入されたのが、「アメリカ人のようになって遊び、夢の国の住人として過ごす」というモデルだったという一点さえ気にしなければの話ですが。


 あるいは、1983年に発売された任天堂の「ファミコン」も、当時こそ子どもの娯楽と考えられていましたが、近年ではVR/ARなどの新しいテクノロジーと結び付くことで、娯楽を超えて教育や福祉などさまざまな社会領域と関わるようになってきました。


 こうした風の時代の萌芽の時期を鑑みても、ここから確実に風の要素が世の中に流れ込んできていたことがわかります。


――プレ期から風の時代が始まっていて、地の時代は、すでに終わっていたということでしょうか?


SUGAR 終わっていたわけではなく、「形骸化されかけた地の時代を生きていた」ですね。地のエレメントは物質的な豊かさを象徴しますが、本来の土には「腐敗」という働きもあります。「豊穣な土壌には豊かな作物が育つ」といわれますが、厳密には土壌とは岩石などの鉱物のかけらと動植物の死骸が混ざり合ったものを指します。死骸が腐敗し、土に混ざり、養分として分解され、豊かな作物を生む。土のエレメントが象徴する豊かさとは、「腐敗」があって初めて得られるものなのです。


 それが高度成長期以降、豊かになることばかりに目がいき、「腐敗」が忘れさられてしまった。死骸って、命が終わった姿じゃないですか。つまり私たちは、終わらせることをないがしろにして、本質が抜け落ちた形骸化された地の時代を生きていたわけです。


 この点についても、やはりプレ風の時代の1982年に連載が開始され1984年に映画化された宮崎駿の『風の谷のナウシカ』が「腐海」や「胞子の森」としてじつに象徴的に描いていますよね。ただ、原作のストーリーの複雑さや答えのなさに象徴されるように、当時はまだわかりやすい形ではモデル化されていなかったわけです。


 で、土が形骸化されたままの状態であることの何が悪かというと、新しいもの、異なるものを受け入れることができず、活用できないという点なんです。


――それは、風の時代を受け入れることができないということになりますよね?


SUGAR だからこそ、本格的な風の時代がくる前に、地のエレメントの本質「腐敗」を意識して、終わらせることが重要なのかなと考えています。自分の中で腐敗という言葉から連想されるものを思い浮かべてみてください。死骸、排泄物、愚痴や疲れ、搾取的な人間関係、ストレスフルな環境など、だんだん終わらせるべきことなのに終わらせてない物へとつながっていきますよね。たとえばこれをリストアップして、捨てるための計画を立ててみるのもいいでしょう。一種の断捨離ですね。全部捨てる必要はなくて、そこから風の時代に持っていくものを選ぶんです。


――近藤麻理恵さんの「こんまりメソッド」みたいですね。彼女の場合、「ときめくかどうか」が残す基準ですが、SUGARさんの場合は?


SUGAR 古語の「なつかし(=親しみやすい、心惹かれる)」が、イメージに近いかもしれません。地の時代を振り返ろうと過去回帰みたいなことをいってきましたが、昔に戻るのではなく、それを経て、懐かしい未来に戻っていく。一周回って新しいという感覚ですね。


 ほかにも、たとえば人間関係リストアップしたとき、その人を思い浮かべたときに、奥行きや広がりがあるか。風の時代って、高揚感とかうねりとか、グルーヴを感じるものがキーになるので、いい風吹いてるじゃんって思えたら、それは残しましょう。


――これまでのお話を聞いてきて、時代って、すぱんと切り替わるんじゃなくて、行きつ戻りつ、緩急をつけながら、重層的に移り変わっていくものなんだと思いました。


SUGAR 「ピアノマン」っていうビリー・ジョエルの曲があるんですけど、彼はそこで「いろいろな人生経験が熟すといい酒になる」って歌ってるんですよ。これすごく、地の時代から風の時代への移り変わりっぽいなって思っているんです。果物って、腐る直前が一番おいしい、メロウな味わいっていうじゃないです。地の時代って、メロウなんですよね。熟すのもある種、分解ですから。そして腐敗ではなくいい感じに発酵することで、お酒になったり酵母になったり、新しいものが生み出され、さまざまなものに使われる。これは、風の時代の広がりに近いイメージです。


 グレート・コンジャンクションが訪れることで、時代の切り替わり、大きな転換期といわれていますが、地の時代は腐敗、風の時代はグルーヴ、と個々のものとしてとらえるのではなく、腐敗からグルーヴへとつながる連続性でとらえてほしいのです。一言でいうなら、「メロウな腐敗で、発酵かまして、グルーヴ生成」ですね。


■12月22日、新たな時代の幕開けを語るオンラインイベント開催
 「グレート・コンジャンクション」が起こる12月22日、最接近する木星と土星の天体ショーを眺めながら、新しい時代をどう生きていくべきかについて語るオンライン対談が行われます。占星術研究家の鏡リュウジ氏をナビゲーターに、石井ゆかり、SUGARなど豪華ゲストが「風の時代」を語ります。
>>参加申し込みはこちら


★イベント概要
名称:重なる木星と土星を眺めながら語る夕べ
開催日時:2020年12月22日(火)16:30〜19:30
開催形式:オンライン配信(YouTube LIVE)
配信場所:カナコー天文台/ミッドタウンタワー(ザッパラス オフィス)
参加方法:専用WEBサイトから申し込み
参加費:無料
主催:株式会社ザッパラス/URANAI ACADEMY


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