長瀬智也&岡田准一の落語、坊主頭の星野源…落語ブームを巻き起こした『タイガー&ドラゴン』の魅力

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2020年12月30日 13:02  テレビドガッチ

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テレビドガッチ

宮藤官九郎が脚本、長瀬智也が主演を務めたドラマ『タイガー&ドラゴン』(TBS系、2005年放送)が、在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)が運営する民放公式テレビポータル「TVer」にて期間限定で無料配信されている。

大ヒットドラマには世の中を動かす力がある。主役が着ている衣装は飛ぶように売れ、ロケ地には人がこぞって集まる。「パイロット」や「医者」などの職業モノの作品を見て、将来の夢を見つけた人も多いことだろう。

同ドラマは落語を題材にし、“落語ブーム”の火付け役となった作品。当時どこかマイノリティなイメージがあった落語の敷居を一気に下げ、寄席に人が増えるきっかけになった作品と言われている。

ストーリーで披露されている古典落語は「芝浜」「猫の皿」「品川心中」といった噺で、登場人物がそれぞれ実演。中にはプロの落語家・春風亭昇太(林屋亭どん吉役)もいるが、ほとんどが俳優だ。物語に没入できるほどのクオリティの高い落語を披露しなければ、ドラマとして破綻してしまう。しかし、そんな心配をよそに、キャストたちは違和感のない落語を見せてくれている。だからこそ、当時の視聴者は『タイガー&ドラゴン』に夢中になったのだ。

林屋亭どん兵衛(西田敏行)の落語を聞いて感銘を受けたヤクザの山崎虎児(長瀬)が弟子入りを志願。その授業料を、借金をしているどん兵衛の返済金に充てるという大筋の流れはありつつも、前述の落語シーン、将来を期待されていたもののドロップアウトした次男の竜二(岡田准一)とどん兵衛の微妙な親子関係、落語家ながらリアクション芸人として活躍するどん太(阿部サダヲ)や坊主頭がかわいらしいどんつく(星野源)ら弟子連中のやりとりなど、見どころは多い。

そんな中、本作でもっとも注目したいのが、物語のギミックだ。冒頭で披露される古典落語が、実際のストーリーとリンク。そのエピソードを虎児が創作落語として演じるというもの。この前半と後半で話が繋がる手法は、宮藤脚本・岡田主演の『木更津キャッツアイ』(TBS系)にも使われたものであり、古典落語を大衆にも分かりやすく伝える方法として、とても効果的な仕掛けだった。

1月22日からは、長瀬×宮藤コンビの新ドラマ『俺の家の話』(TBS系、毎週金曜22:00〜)がスタートする。長瀬が演じる観山寿一の職業はプロレスラー。父親・観山寿三郎(西田)は、二十七世観山流宗家にして重要無形文化財「能楽」保持者である。『タイガー&ドラゴン』同様、新たな世界観で我々を驚かせてくれるに違いない本作。このドラマでまた新たなブームが巻き起こるかもしれない。

(文:浜瀬将樹)
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