データで振り返る!メジャー日本人選手の2020年 〜ダルビッシュ有 編〜

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2020年12月31日 07:20  ベースボールキング

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ダルビッシュ有
◆ “配球”に変化

 コロナ禍で大幅に開幕が遅れた今季。メジャー9年目を迎えたダルビッシュ有は、開幕戦こそ4回3失点と打たれたが、2度目の登板からは圧巻の投球を続け、9月上旬にかけて7連勝を飾った。


 シカゴ・カブス加入3年目は、12試合で8勝3敗、防御率2.01。短縮シーズンにもかかわらず、勝利数は過去2年(2018〜19年)の合計(=7勝)を上回った。

 防御率は自己ベストを大幅に更新。ナ・リーグのサイヤング賞投票では、トレバー・バウアー(レッズ)に次ぐ2位の得票を集めた。渡米後では、最も充実したシーズンを過ごしたと言っていいだろう。


 34歳を迎え、進化を遂げた要因の一つが、配球面の工夫だろう。

 今季は渡米1年目の2012年から2018年まで平均15%にも満たなかったカットボールの投球割合が、全投球の半分近い43.7%を占めた。一方で、フォーシームを投げる割合は2年前の37.3%から14.8%まで激減。多彩な変化球を投げ分け、変幻自在の投球術を手に入れたシーズンとなった。

 ただし、変化球頼りの投手になったというわけではない。ストレートの平均球速は渡米後で最速の95.9マイル(約154.3キロ)までアップ。被打率も.205(39打数8安打)と、時折投げる剛速球の破壊力は際立っていた。


◆ 来季からは新天地で

 そして、ダルビッシュ“復活”の最大の要因といえば、やはり制球力が大きく改善したことだろう。顕著だったのは、Zone%という数値だ。

 これはストライクゾーンへの投球率を示すが、今季のダルビッシュは48.0%という数字をマーク。これは、今季規定投球回数に達したメジャー40投手のなかで、堂々のトップだった。


 ほんの数年前までは制球に苦しんでいたダルビッシュ。2018年には9イニング当たり4.73個の四球を与えていたが、今季は1.66に大幅良化。かつては、「自分は四球を出す男」という自虐まで披露していたが、もはやその面影はなかった。

 多彩な変化球をコースに投げ分け、ストレートの球速はアップ。34歳にして全盛期を迎えたといえる。


 そんなダルビッシュだが、メジャー10年目の“節目の年”を新天地で迎えることが決まった。7選手が絡む大型トレードがまとまり、サンディエゴ・パドレスへの移籍が決定。2021年はナショナル・リーグの西地区に戻ることになる。

 低迷脱却へ大型補強を進めるチームをポストシーズンに導くことができるか。「パドレスのダルビッシュ有」にも注目だ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


◆ ダルビッシュ有
ポジション:投手
投打:右投右打
生年月日:1986年8月16日(34歳)
身長・体重:196センチ・98キロ
出身地:大阪府

<今季成績>
登板:12試合
投球回:76.0回
防御率:2.01
勝敗:8勝3敗
奪三振数:93個
奪三振率:11.01
与四死球:16個

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