今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
神戸山口組も絆會も「まだ戦う気」満々?
皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
昨年もヤクザ業界はいろいろありましたが、今年はどうなるのでしょうか? ちょっと考えてみたいと思います。
2020年は、どの組織も例年のような忘年会っぽい事始め式は行わず、事務的な会合で終わったようですね。
報道などによると、六代目山口組では12月21日に納会に代わる「寄合」が行われています。そこで発表された令和三年度の組の指針は、例年と同様の「和親合一」でした。統一を諦めていない、ということですかねえ。
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これに対して、神戸山口組の組指針は「金剛不壊(こんごうふえ)」だそうです。もとは仏教用語のようですが、要するに「金剛(ダイヤモンド)のように硬くて壊れない」こと。こちらも「組織を堅持する=六代目山口組には戻らない」意志が伝わってきます。「だからといって、神戸山口組を取り巻く環境が厳しいことには変わりがない」とビジネスジャーナルにあります。難しいところですね。
そして、五代目山健組の組指針は「信賞必罰」、絆會は「常在戦場」といずれも臨戦モードなのが気になりました。
一説には、六代目山口組は2020年の事始め式までの統一を目指して、高山清司若頭が11月5日に「抗争終結宣言」をするといわれていました。でも、11月3日に尼崎で発砲事件が起こってしまいます。この事件で、司忍六代目や高山若頭の出身母体である弘道会の関係者が出頭したことで、統一への道がまた遠くなったんですね。
「終結宣言構想」が事実だとしたら、高山若頭と司組長の思いをぶっちぎって発砲したわけですから、「元さや」はなかなか簡単ではないですよ。
この背景には、やっぱりお金の問題があると思います。どこの組織も過剰な暴排のせいでシノギが苦しいので、もめ事の99%はお金問題です。
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ある親分の名言に、「親の言うことも聞かないでヤクザになったのだから、ヤクザにいいヤツなどいない」というのがありますが、それでもシノギが回っているうちは、対立しながらもなんとかなっていたんです。今はそんな時代じゃありませんからね。元はみんな同じ組織だから「愛と憎しみの関係」にあることも多いし、ヘタしたら数万円でももめますから、若い衆だってウンザリしていなくなりますよ。
まあ、そもそも「事始めまでに統一」って、分裂した2015年からいわれてましたから、そんなに簡単ではないのでしょう。
個人的にも注目しているのは、野村悟総裁ほか工藤會最高幹部の公判です。1月14日に求刑が予定されていますが、死刑が求刑されるとみられています。
もう何回も書かせていただいてますが、指定組織のトップに死刑求刑という「史上初案件」に、警察も検察も盛り上がっているようです。なんかこう「初モノ好き」ってスケベなオッサンの感じがしますよね。
工藤會は、人数的には山口組より少ないのですが、アメリカ財務省に「最凶組織」とかいわせて国外でも知名度を上げています。そんな工藤會のトップに死刑を求刑することで、「ヤクザにも厳しい警察国家」をアピールしたいのかもしれませんね。判決は死刑でも、最高裁判決確定まで時間がかかりますし、野村総裁も高齢なので、実務的には執行はないかなと勝手に考えています。
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いずれにしろたっぷり税金を使って、もったいない話ですが、「暴力団を壊滅させる」ためですから、文句を言う人は少ないですしね。でも、こんなことで「ヤクザのいない明るい社会」は実現しないと思いますよ。ヤクザがいなくなっても、半グレなど警察が把握しにくい形の不良はいなくなりませんしね。
お正月から暗いお話ですみません。せめてイケメンさんのヤクザ映画でも見て、楽しく過ごすといたしましょう。今年もよろしくお願い申し上げます。