内診所見のみで子宮内膜症術後の自然妊娠可能性を正確に予測できる

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2021年01月03日 23:01  妊活・卵活ニュース

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「Endometriosis fertility index(EFI)」の有用性
ルーヴェン・カトリック大学などのベルギーの研究チームは、「Human Reproduction」にて、「Endometriosis fertility index(EFI)」は、内診所見(診察と超音波検査)のみで、子宮内膜症術後の自然妊娠可能性を正確に予測できると発表した。

「Endometriosis fertility index」は、子宮内膜症術後の自然妊娠可能性を予測する指標である。子宮内膜症の手術後スコアとなり、EFIスコアを参考に腹腔鏡下手術の実施有無を決定できる。

今回、合わせて、内診所見に術中所見を追加することによって精度は向上し、さらに正確な予測が可能になると報告された。

内診所見、内診所見と術中所見に基づく予測精度
研究チームは、2016年6月から12月の期間にて、子宮内膜症病変を完全切除した女性82人を対象に、2タイプ(タイプA:内診所見のみ、タイプB:内診所見と術中所見) よりEFIスコアを算出し、精度を比較した。なお、全ての被験者は、r-ASRMステージ(軽度、中等度、重度)に分類された。

タイプA(非外科的臨床所見+超音波検査所見)ではアルゴリズムを作り、非外科的臨床所見および超音波検査所見をr-ASRM(腹腔鏡・開腹手術を通じて、子宮内膜症病変の大きさと癒着の範囲を直接確認して進行期を分類)、EFIスコアに換算した。

また、タイプBでは、内診所見(非外科的臨床および超音波検査所見)に術中所見(腹腔鏡下手術所見)を加えて評価した。

タイプAによる評価より、子宮内膜症術後の自然妊娠可能性は、内診所見のみで正確に予測可能であることが認められた。一方、内診所見による正確な予測には、超音波検査の高い精度が求められ、各医療機関の超音波検査レベルが予測精度に対して与える影響は大きい。

研究チームは、子宮内膜症術後の自然妊娠可能性は、内診所見のみで正確に予測可能であり、評価を通じて患者は病変切除の必要性が分かり、子宮内膜症手術の有無を決定できると考える。

(画像はHuman Reproductionより)

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