リアム・ギャラガー、フリー(レッチリ)……『BECK』キャラのモデルとなったミュージシャンたち

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2021年01月07日 10:01  リアルサウンド

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『BECK』1巻

 ハロルド作石の名作『BECK』は多くのバンドマンから愛されている、バイブル的存在だ。音楽好きの作者による作品らしく、登場するキャラクターは「もしかしたらあの人がモデルかも?」と思わせるユニークな特徴を多く備えている。


 本記事では作中に登場するキャラクターのモデルになっただろうミュージシャンを紹介する。


■コユキ(ギターボーカル)


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 コユキは比較的オリジナリティの強いキャラクターだが、手を後ろに組んで歌う姿はオアシスのリアム・ギャラガーそのものだ。リアムはジョン・レノンとジョン・ライドンを足して2で割ったような声質を持つと評される。ミュージシャンとしての能力は高く評価されており、Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガーでは11位に選ばれているほど。


 その一方では過激な発言と奔放な性格が広く知られており、そのキャラクターはまさにロックスター。おとなしい性格のコユキとは正反対ではあるが、音楽的な面ではリアムをモチーフにしている点があると言えるだろう。


■南竜介(ギター)


 ギブソンのレスポールを低く構えて天才的なテクニックを発揮する竜介の立ち姿は、ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュやザック・ワイルド、ランディ・ローズといったギターヒーローそのものだ。


 ところで、イカ天というテレビ番組をきっかけとしてブレイクしたバッキンガム宮殿というバンドをご存知だろうか。彼らは番組中でBlankey Jet Cityに敗れたものの、その音楽には多くのギターキッズが衝撃を受けた。


 バッキンガム宮殿には南竜介というギタリストが在籍しており、その名前が示す通り彼こそが竜介のモデルだというのがBECKファンの間にある定説だ。


■平義行(ベース)


 平はミュージックマンのスティングレイを愛用し、ファンキーなベースラインが特徴的なベーシストだと描かれる。また、ライブ中では上半身裸で演奏しているシーンが多く描かれている。


 これらの特徴に一致するのは、世界的なロックバンドであるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーだ。フリーはアグレッシブなベースプレイで知られており、力強いスラップを入れ込んだファンキーなスタイルは世界中に多くのフォロワーを生み出した。


 ロックバンドの中でファンクスタイルを強く押し出すベースプレイ、愛用するベース、そのどれもが平と共通しており、彼こそが平のモデルになっていることは間違いないだろう。


■千葉恒美(ボーカル)


 千葉は血の気が多いキャラクターで、作中では仲間からフーリガンと呼ばれるシーンもある。バンドマンであるにも関わらずラップのコンテストにおいても上位に入賞するほどにラップの才能が豊かだ。モデルは竜介と同じく、バッキンガム宮殿の千葉大輔だと言われている。


 ロックバンドの中でラップを歌うその様は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディス、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック・デ・ラ・ロッチャ、リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストのようだ。


 作中ではバンドのレコーディングにおいて「レイジっぽい感じで!」というセリフが登場し、竜介は同バンドのトム・モレロのようにギターをプレイするシーンがある。BECKというバンドがレイジアゲインストザマシーンやレッドホットチリペッパーズのような1980年代から1990年代にかけてのオルタナ世代のロックバンドをモチーフとしているようにも感じられる。


■桜井裕志(ドラム)


 同級生としてコユキをいじめから守るシーンが描かれる桜井(通称”サク”)はパワフルなドラミングが特徴的で、物語の序盤から高い演奏能力があるドラマーとして大きな存在感を示した。


 サクのモデルは諸説あるが(Dragon Ashの桜井誠など)、プロレスラーの桜庭和志という説が根強い。一重で優しそうな顔はまさにそのもの。また、作者であるハロルド作石が無類のプロレス好きであることもこの説が根強い理由となっている。


 BECKのファンの間では「キャラクターのモデルになった人物は誰か」というトピックは初期から親しまれており、人によってイメージする人物は様々だ。このテーマでもう1度作品を読み返してみるのも、作者が期待する楽しみ方の1つだろう。


(文=嵯峨駿介)


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