罰走は「あり」か「なし」か?|トータルテンボス藤田の「ハンパねえ!学童野球」

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2021年01月07日 12:11  ベースボールキング

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去年の話ですが読売ジャイアンツの阿部慎之助2軍監督が選手に対して罰走を命じました。そのことがメジャーリーグのダルビッシュ投手も巻き込んでちょっとした論争になりました。
阿部監督としては、「2軍はもう二度と戻りたくない場所」という意識を選手たちに植え付けるために敢行したとしていますが、皆さんはどう思われたでしょうか?

僕の少年時代は罰走はおろか授業でも廊下に立たされる、ビンタをされるなどが当たり前な時代でした。ですのでスポーツにおいて何かミスをしたのなら罰を受けるのは当たり前と捉える時代でもありました。さらには、それに耐えれなければやめる=そんな根性がない奴が上手くなる訳ない、というかなり乱暴な時代でもありました。

僕の高校時代の話ですが、最後の夏の前に2年後に甲子園で大活躍する韮山高校と練習試合をする機会がありました。その頃はチーム力もまとまってきており、僕自身も良いピッチングができていて練習試合でもほとんど負けなくなっていました。そこに慢心がありました。先発した僕は四球でランナーを出しては打たれボッコボコに……。少し力のあるチームだと全く通用しないことが分かり、夏も近いということで精神的にもボロボロになりました。
その時にゴリゴリの日体大OBの部長先生に「2試合終わるまでバックネット裏にある坂道をずっと走っておけ!」と命じられました。
泣きっ面に蜂でしたが、個人的な感情としては嫌な気持ちはしませんでした。むしろ、やり場のない情けなさをこういったカタチで晴らせるなら「やってやるよ!」という気持ちでずっと走っていました。

ただ、これは小さい頃から怒られることに対しての耐性がついていたからであり、今の子ども達とは全く育ってきた環境が違うという部分があります。ですので、ミスや失敗をしたら何かペナルティーを与えるというやり方は今の時代にあってないのかなと思います。
ましてやプロの選手なんかは罰走なんかさせなくても、努力なく怠慢なプレーをしていればオフに戦力外通告というとんでもない結果が待っているのですから。

日本は「子ども達のために」「上に行って苦労しないように」などお節介にもすぎる指導者が多すぎるように思います。阿部監督も2軍の選手を思いやる気持ちがそうさせてしまったのかもしれません。プロならばそういった部分も自分で考えパフォーマンス向上に努めるべきなのかなとも思います。アメリカなんかは全て自己責任なので聞かなければ誰も手を貸しません。全て自分で考え自分で責任を負うという、ものすごく冷たいけど合理的な考えを持っているので選手やコーチの領域というのがハッキリしているのだと思います。

ということで僕の罰走に対する答えは反対です。
残酷な言い方ですがそこまで面倒を見てあげる必要はないと思います。



▼プロフィール
藤田憲右(ふじた けんすけ)
吉本興業所属のお笑いコンビ「トータルテンボス」のツッコミ担当。静岡県御殿場市出身。高校時代は野球部のエースとして3年夏の静岡県大会で2試合連続1安打完封勝利も記録。人気バラエティ番組「アメトーーク」(テレビ朝日)の人気企画「高校野球大大大好き芸人」で披露した高校野球への愛情、造詣の深さは全国の野球ファンの間でも有名。2016年には「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)も執筆しており、全国の野球指導者、選手との交友関係も広い。現在は息子の学童野球を応援する傍ら、色々な学童野球の現場を見て周り様々な情報発信や問題提議なども行っている。8月21日からamazonで配信されている「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン8にも出演中。

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