新型コロナ1例目から1年、保健所は「サンドバッグ」 批判の矛先向けられながら無休対応、職員にじむ疲弊 全国保健所長会に聞いた“現場の今”

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2021年01月15日 12:20  BIGLOBEニュース

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新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認された2020年1月15日から今日で1年。感染拡大が長期化する中で、SNSでは保健師や職員とする悲痛な訴えを多く目にするようになっている。感染者の対応にあたる保健所は今どいう状況なのか。全国保健所長会に現場の実情を聞いた。


残業の日々、休日出勤、心無い言葉。今、保健師とする多くのSNS投稿には疲弊がにじんでいる。「どうしよう、本当に入院先がない。探しても探しても満床」「毎日毎日、保健所のせいだ、死んだらどう責任とるんだなどと怒鳴られ続け」「我々保健所はいつまでサンドバッグやらなくちゃいけない」「保健所は崩壊しており、有症状や濃厚接触者のPCR検査で一杯」といった保健所に勤めているが故の葛藤など、ほとんどが悲痛な叫びとなっている。


このような声について全国保健所長会は、「ストレス増加による悲痛の声を思われます」と回答。緊急事態宣言が発出されている都道府県の保健所では、急激に感染者数が増加しているため、職員の業務量が大幅に増加している。「夜間、土日も含めて、発生届が出されてくるため、休みがとれない、残業が毎日続く、休日出勤が余儀なくされる、など、かなりの負担となっています。年末年始やこの3連休でも出勤」といった勤務状態であるという。


そのような中で、職員に向けられる批判的な声については「保健所の課題」だとしている。感染症担当保健師は、PCR検査が陽性になった患者に対し症状や同居家族について電話で聞き取りを行うが、これが1日50件となることも。1件1時間ほどかかることもあり、応援職員が一緒に対応しても「その日の内に終わらないことも出ています。そうすると患者さんからの苦情につながります」「医療機関への入院がなかなか決まらなく、自宅療養となる患者も増えています」と対応の現状を説明した。現在、保健所では都道府県と「役割分担をとって対応」。医療機関の入院調整窓口を一本化するなど、集中的に対応している都道府県もあるとしている。


全国保健所長会は、1月に入っての感染者増加について「多くは、年末年始の大人数での会食が要因としてあげられています」と説明。「会食の自粛やマスク会食、会食時間の短縮」などが重要だとしている。

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  • 保健所を責めるのは筋違い。感染が小康状態になった昨年夏から病床とスタッフを増やさなかった政府の責任。
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