スマホやSNSを使って束縛される「デートDV」…大人のDVとどう違う?【臨床心理士が解説】

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2021年01月15日 21:22  All About

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女性の5人に1人が「デートDV」の被害にあっている

「デートDV」は、交際中のカップルの間で起こる「DV」のことをいいます。内閣府の「男女間における暴力に関する調査」によると、女性の約5人に1人、男性の約9人に1人が、交際相手からDV被害を受けたことがあると回答しています。

子どもたちが加害者や被害者にならないために、外部講師を呼んで「デートDV講座」を開催する高校も増えました。

厚生労働省でも、子どもへの性被害防止のため年齢に応じた予防教育を行う方針で、令和5年度からの全国実施に向けて、中学校と高校では「デートDV」を教材にしたモデル授業が検討されています。

「DV」と「デートDV」には、どのような違いがあるのでしょうか。女性支援を専門とする臨床心理士・公認心理師のカウンセラー福田 由紀子が解説します。

そもそも、DVとは

DVとは、「ドメスティック・バイオレンス」の略で、直訳すると家庭内暴力ですが、親子間などの暴力ではなく、配偶者や交際相手など、親密なパートナー関係の中で起きる暴力のことを指します。

DVには、殴る蹴るなどの「身体的DV」だけではなく、暴言や無視、長時間に渡る説教などの「精神的DV」、無理やり性行為を強要したり、避妊しないなどの「性的DV」、生活費を渡さない、借金を負わせる、レシートを細かくチェックするなどの「経済的DV」、行動を監視する、友人や実家とのつきあいなどの社会的活動を制限したり、就業を妨害する「社会的DV」などがあり、ほとんどの場合、複数の種類の暴力が組み合わされています。

「力と支配」がDVの本質です。DVは、体格や経済力など、圧倒的な力の差を背景に、相手を思い通りに支配・コントロールするための暴力です。

どんな理由があろうと、暴力の責任は100%加害者にあるのですが、DV加害者は「怒らせたお前が悪い」と、相手のせいにして自分の暴力を正当化します。また、暴力を振るった後に優しくなったり、泣いて反省したりするのもDV加害者の特徴です。しかし加害者が変わることは難しく、DVはエスカレートしていきます。

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」では、対象を「配偶者、元配偶者」としていますが、一緒に暮らしている場合は婚姻届けを出していなくても「事実婚」として、支援の対象になります。同性愛カップルの場合も同様ですし、被害者は女性に限りません。しかし、深刻なDVのほとんどは、男性から女性へのDVです。

若者のデートDVに特徴的な「スマホやSNSを利用した束縛」

DVによる支配の構造も暴力の種類も、配偶者間で起きるDVと変わりませんが、若い世代のデートDVで特徴的なのは、スマホで行動を制限する「社会的DV」が多く見られることです。

スマホを見せるよう要求したり、SNSで交友関係を細かくチェックしたり、異性の友人との会話やSNSでのやりとりを禁止したり、連絡先やSNSのつながりを削除させたり、LINEにすぐに返信するよう強要したり、定期連絡を義務づけたり、GPSアプリで行動を監視したり、といったことがよく聞かれます。

SNSのプロフィール写真を2人のラブラブショットにするよう要求してくる相手は要注意です。スマホやSNSがDVに利用されるというのが若者の「デートDV」の特徴だといえるでしょう。

どちらかが息苦しくなったり、生活が制限されて、学業や部活動に支障をきたすようになると、それは「デートDV」です。そして、行動の制限は、加害行為と認識されないまま二人の間の「ルール」として一方的に押し付けられ、それを破った制裁として「身体的」「性的」「精神的」暴力が振るわれることも珍しくありません。

「愛情」による暴力の正当化

デートDVには「愛しているから」「好きだから」という暴力の正当化がよく使われます。「愛しているから束縛する」「好きな人との一体感を感じたいから避妊しない」「愛しているから、別れるなら死ぬ」等々。

しかし、束縛は愛ではなく不信感から行うものです。不信感を向けられ続けると、しんどくなるのは当然です。愛しているなら、望まない妊娠のリスクは極力避けるでしょう。自殺をほのめかして相手を脅すのは、相手への愛情ではなく自己愛です。

ですが、DVが進行し、お互いへの依存が高まった状態になると「愛しているから暴力を振るう」ということのおかしさに気付けなくなっていきます。

デートDVかなと思ったら、専門家に相談を

「結婚していないのだから、すぐに別れられるはず」というのが、デートDVについての大きな誤解のひとつです。しかし、行動を制限されることの多いデートDVでは、心理的な監禁状態になっていることが少なくなく、別れては元に戻るといったことを繰り返します。そのため周囲が「好きなのだろう。別れたくないのだろう」と放置するようになり、被害者は孤立していきます。

エスカレートしたデートDVから逃げるには、被害者だけの力では難しく、親や学校など、周囲の大人の介入が必要です。DV被害を傍観することは「本人の意思を尊重する」こととは違います。

デートDVを受けている、あるいは周りに被害を受けている人がいる、といった場合には、DVに詳しい専門家に相談しましょう。 恋人の顔色を見てしまう、デートの約束が近づくと不安を感じるのは、デートDVのサインです。
なるべく早く専門家に繋がることが大切です。

女性の場合は、都道府県や市町村が設置している「男女共同参画センター」の女性相談やDV相談が利用できます。DVは、別れ話の際に最も危険な状態になり、加害者がストーカー化することも少なくありません。安全に離れる方法を、相談員と一緒に考えましょう。

内閣府が設置している「DV相談プラス」では、電話相談の他、チャットやメールでも相談できます。

男性の場合は、男性専用の相談窓口が各地に設置されています。

若い頃の恋愛は、その後の恋愛観にも大きな影響を与えます。対等で、お互いを尊重し合う関係を築いてほしいと思います。
(文:福田 由紀子(臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド))

このニュースに関するつぶやき

  • 昨今は男から女ではなくて、女から男のパターンも多いんだね。嫉妬や不安から束縛が強すぎてと言うところからメンタル的なDV増加みたい
    • イイネ!1
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  • 元彼からは酷いDVを受けたな。趣味もファッションも全否定されて最初は好きだったから我慢したけど何で自分の好きな事を我慢しなければいけないんだ?って思ったら別れに一直線www
    • イイネ!40
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