ロバート馬場裕之が語る、料理家としてのこだわり 「料理に“こうしなきゃいけない”はない」

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2021年01月17日 12:01  リアルサウンド

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写真ロバート馬場裕之
ロバート馬場裕之

 お笑いトリオ・ロバートの馬場裕之が、3冊目の著書となる『ロバート馬場ちゃんのキッチンmemo いつもの料理が”パッと”おいしくなる魔法』を発売した。


『いつもの料理が“パっと”おいしくなる魔法』

 人気料理家として躍進し続ける馬場ならではの”おいしい知恵”が凝縮した本書。「おいしくなる魔法」「おいしさを保つ魔法」「魔法のレシピ」の三章には、栄養学や科学的な視点で綴られた料理雑学や調理のノウハウや応用レシピがふんだんに盛り込まれ、キッチンに常備しておきたくなる実用的な一冊となっている。


 今回のインタビューでは、馬場の少年時代の料理ルーツから、自宅のキッチンや外食事情、近い将来の夢まで、「食」を軸にとことん語ってもらった。(大信トモコ)


手軽でおいしいレシピの裏には調味料へのこだわりが

――YouTubeの『馬場ごはん』の動画やライブ配信を拝見しているんですけど、どのレシピ動画もすごくわかりやすいです。やっぱりコンセプトは、動画を観ただけで家で簡単に再現できるもの、というのが前提になっているんですか?


馬場:そうですね、どこの家にもありそうな食材を使って料理を紹介しています。本当は世界のスパイスを使ってみたり、上級者向けにも、やってみたいんですけどね。


――実際に馬場さんレシピの油そばを作ってみたら、家にある調味料でサクッと作れて、すごく美味しかったです。基本の調味料にはこだわっていますか?


馬場:醤油や塩、お酒とかみりんなどよく使う調味料は、なるべくいいものにしています。調味料を意識するだけで基本の味が全然違うじゃないですか。お気に入りの調味料を見つけるのが、自分の味を作ることなんじゃないかなと思っています。例えば醤油でも、ちょっといいものって結構高いじゃないですか?


――確かに、ひと瓶800円とかだと、高いなって思っちゃいます。


馬場:高いですけど、一回に使う量を考えると、たった何円とかなんですよ。それだったら、よりおいしいものを買ったほうがいいと思っています。そういう細かいところにこだわったほうが、僕はおいしいものができると思うんです。


――調味料にこだわることは、簡単においしく作るための近道ですね。


馬場:レシピと同じ食材・同じ分量で作ってもうまく出来なかったら、そこを見直してみるのもありなんじゃないかと。例えば塩だと、しょっぱくなっちゃうのは、粒が小さい食卓塩を使っているからとか。粗めの粒の塩とはまた分量も違ってくるので。とはいえ、一人暮らしだと、醤油買っても使い切れなかったりするんで、難しいところですよね。でも色々合わさった調味料を使うのも全然アリですよ。


――馬場さんも麺つゆなどを使われますもんね。


馬場:はい、使います。そういうのを使わず全部イチから作るってなると、皆さんも作りづらいかな?と思っちゃうんで。ああいう便利なものは活用したほうがいいと僕は思いますね。


――大きく書きたいです(笑)。ネットで「うちの奥さんが麺つゆで料理する」ってボヤきを見たりすると、「この人イチから出汁とったことあるのかな?」って思うことがあります。


馬場:ほんとね。毎日の食事となるとイチからやってる時間はないし、お店のような分量を作るわけでもないんで、結局コストも高くなる。そういった手間のかかった“こだわりのもの”が食べたければ、外食すればいいんですよ。


外食では好きなものをとことん楽しみたい

――自炊のイメージが強い馬場さんですが、外食は結構されるんですか?


馬場:します! いわゆる高級店は人に連れてってもらうことが多くて、自分で行くのは大衆店。同じようなものを食べるのが好きです。


――好きなものを何回も食べて、あまり冒険はしないと。


馬場:そうですね。居酒屋だと一皿に少量しか出てこなかったりもするじゃないですか。それを大量に食べたくて自分で作ったりすることがありますね。


――小鉢で出てきたおつまみとか。


馬場:そうです。気に入ったらひたすら同じものを食べたいんです。お店だと、何個も頼むと値段も高くなるし、味は変えられない。でも家で作ると自分の好みの味つけにして、“味変”も自前の調味料でできる。


 例えば、鶏の軟骨をひたすら軟骨ポン酢にして食べたい場合、薬味を自分で色々切っといて、薬味を足していって食べたりします。まずはオイルを入れて、次は山椒って、どんどん味を変えていきながら。好きなものをとにかく大量に食べたいタイプなんで「痛風になんないかな?アレルギーになんないかな?」と思うぐらい食べちゃいますね。


――ちょっと背徳感が漂う食べ方ですね。


馬場:それで言うと、僕は回転寿司がすごく好きです。高級寿司店に行くと、一連の流れでお寿司が握って出されますよね。もちろんそれはおいしいんですけど、回転寿司って自分の好きなネタをひたすら食べられるじゃないですか。回転寿司の、自分でチョイスできる点がすごい好き。ホタテばっかり頼んだり、タコの吸盤だけとか、数の子だけとか。高級寿司店だとなかなかそれだけってチョイスできないけど、回転寿司だと遠慮がいらないから(笑)。


――自分だけの寿司の楽園みたいな。


馬場:自分のポジションでお茶も注げるし、焼酎を頼んで、緑茶割りを作ることもありますよ。


――お湯とお茶パウダーを使うんですね。ファミレスで焼酎のボトルとドリンクバーを頼んで、ウーロンハイを作って飲んだことはありますが。


馬場:それとおんなじです(笑)。蕎麦屋で蕎麦焼酎頼んで、蕎麦湯で割るっていうのもやりますね。蕎麦の栄養素ってお湯に流れ出やすいんですよ。つまり、焼酎飲みながらも蕎麦の栄養が摂れて、お腹もたまっていく、飲ん兵衛には一石三鳥なんですよ。


――外食でも豆知識が飛び出しますね。今回の本で紹介されている知識は、普段の食生活から得たものですか?


馬場:そうですね、今はネットを見てるだけでも色々な情報が飛びこんできますよね。それを実践して、プロの方にもチェックしてもらって掲載したものもあります。本の後ろに、参考文献だけじゃなくて参考にしたWebサイトもまとめて載せています。


麻婆豆腐をイチから作った小学生時代

――馬場さんが料理に目覚めたきっかけを教えてください。


馬場:もともと好きで料理はやってたんですが、1人暮らしで上達していきました。パスタの麺は安いけど、どうやっておいしく食べよう?って考えて、同じように安いトマトジュースを買ってきてソースを作るとか。限られたお金で満腹になりたい! っていう気持ちが大きくて、色々挑戦できたのかもしれないですね。


――インプットはどうされていたんですか?


馬場:『きょうの料理』とかテレビの料理番組をよく見ていました。そこで得た知識を「これはアレにも使えるな」って他の料理に応用することが多いですね。『ためしてガッテン』も科学的な情報が織り込まれてるじゃないですか。それを応用してまた別のものができた時に感動がある。「小麦粉使わず米粉でとろみ出るなあ」「ということは煮込みが大変なサムゲタン時短できるなあ」って具合に。応用を重ねていくのは楽しいですね。


――ひらめいたらすぐ試してみる派なんですね。小さい頃から好奇心旺盛だったんですか?


馬場:実験が好きでしたね。小学校の時から料理もやってました。料理は火を使う口実にもなりますし、「自分でやってみたい」という実験感覚ですね。小学校の中学年ぐらいに自分でコーヒー淹れて飲んだりして。めちゃめちゃ気持ち悪くなりましたが(笑)。市販の麻婆豆腐の素の裏に調味料が書いてあるじゃないですか? それを自分でブレンドして麻婆豆腐をイチから作ってみたりとか。


――麻婆豆腐をイチから作る小学生! 原材料名見るのがお好きなんですね。


馬場:今も見ますよ。法律で表示しなくていい食品の成分ってあるじゃないですか。それを全部表示して欲しいんです。そしたら“企業秘密の味”でも再現できるので(笑)。


――最近でも何かを再現されたりしてます?


馬場:ハーブソルトは自分でよく調合してますね。ガラムマサラを作ってみたりとか。以前流行った塩レモンも、自分流でアレンジしました。塩レモンのアレンジに成功したので、にんにくもいけるなと塩にんにくも作ってみたり。


――歩くアイディアの泉ですね。YouTubeで色々とレシピを発信されていて、視聴者からはどんな反応がありますか?


馬場:「これ何かで代用できますか?」っていうのが多いですね……。「これ苦手なんですけど」とか。苦手なら入れなくてもいいと思うんですけどね。省いちゃえばいい。メイン食材が苦手な場合は、もう作らない(笑)。


――ブロッコリーのパスタで、ブロッコリーが苦手だったらどうにもならないですしね。


馬場:無理して食べなくてもいいし。あんまり料理に「こうしなきゃいけない」っていうのはないと思う。好きなものを好きな自分のアレンジでやってみて、失敗したらまた勉強すればいいと思いますよ。


――YouTubeで紹介されていたシエントウジャン(鹹豆漿)も、豆乳が苦手だと作れないですもんね。


馬場:そうですね。豆乳は無調整豆乳と調整豆乳の区別が付いていない人もいるので、動画ではそういう知識も伝えています。言ってあげると「ああ、違うんだ」とか気づきがあると思うんですよね。知識があると食材の使い分けもできるようになると思うので。


タモリ倶楽部で知った油しぼり機に魅せられて

――一つの食材とってみても、色々種類がありますもんね。


馬場:油も、料理との相性があったりするじゃないですか。そうそう、最近油しぼり機を買って、自分で絞ってます(笑)。


――えっ。油しぼり機!?


馬場:はい、電動搾油機です。高かったんですけど、胡麻を入れると胡麻油が取れるんですよ。煎った胡麻だと香ばしくなり、煎らなかったらフレッシュな胡麻油になる。他にはアーモンドで、アーモンドオイルが取れたり。いつかテレビで披露できたらいいなと思ってます。


――楽しそう!ぜひYouTubeでも登場させて欲しいです。みんなびっくりすると思いますよ(笑)。何がきっかけで購入されたんですか?


馬場:『タモリ倶楽部』でやってたんですよ。手しぼり油の回。それ観て買おうと思って。椿なら椿油、ヒマワリの種ならサンフラワーオイル。オリーブオイルもできますよね。


――根っからの実験好きですね。馬場さんは家庭菜園もされてますよね。バケツ稲を育てられているのをインスタで拝見したんですけど、あれは本当にお米がとれたんですか?


馬場:とれましたよ。茶碗一杯分ぐらいですけど。食育の一環で、小学生とかに「こういう風にしてお米できるんだよ」っていうのを学んでもらうためです。


――他にも育てているものはありますか?


馬場:寒くなってちょっと変色してますけど、バジルが意外とまだ生きてます。あと、パセリの時期も終わって、山椒の木も枯れて紅葉してきました。山椒にもメスとオスがあって、実がなるのはメスですよね。土地があったら山椒のメスの木を買って育てて、すき焼きとかしたいです。


――それは最高のすき焼きになりますね。芸人さん仲間ですき焼きパーティとかされたりするんですか。


馬場:いや、家では基本一人すき焼きですね。バーミキュラのライスポットの低温で火入れて食べるんですよ。レアな感じで火を通して、卵も全卵を泡立て器で泡立てたもので食べるとめちゃくちゃうまいんです。


――ロバートのお二人をごはんに招いたりとか、ちょっと飯でも食いにこない?なんて機会は今までにありましたか?


馬場:呼んだことないですねえ……。


――意外とクールなおつきあいをされているんですね。


馬場:いやいやいやいや(笑)。20数年一緒にいて、一緒に仕事終わりにごはん食べに行ったりはしますけど、家に呼んでっていうのは流石にないですね。秋山とは幼稚園から一緒なんで。


――今さら家に行くこともないと。もし今後機会があったら、お二人に出したい、食べさせたい料理ってあります?


馬場:鍋ですね、そうなったら! みんなで鍋会やろうってなりますね。


――鍋にもこだわりがありますか?


馬場:ホームパーティって、肉とか野菜を食べ足りない人が出がちじゃないですか。それがないようにしたいですね。最後に締めでみんなの腹を満パンにしたい。締めは何パターンか用意したいですね。カニ鍋だったら雑炊。すき焼きだったらうどんかな。水炊きならちゃんぽん麺ですね。のびのびのフワッフワになるぐらいまで火入れて。それに、胡麻をブワーッとかけてネギを散らして、食べると美味しいですよ。


コロナ禍で提案したい料理の楽しみ方

――馬場さんご自身、2021年、料理家としてコレ作ってみたい!とかこのジャンルに挑戦してみたいという目標はありますか。


馬場:ラーメンですね。業務用の製麺機が欲しいです。家に置けないので、そうなったら店出さないといけないですね(笑)。あと、海外への渡航が自由になったら、ぜひ料理ロケに行ってみたいです! 2週間ぐらい現地に住みこんで、現地の食材を使ってひたすら料理を作るっていうのをやってみたいです。


――夢が広がりますね。ロバートとしての抱負はありますか?


馬場:ロバートではやっぱり、「密」なロケをまたやりたいですね、コロナ前と変わらないような……。


――グッときます。コロナ禍の今、世間では家で料理する人が増えたように思います。最後に読者に向けて、お家でごはんを作る時の楽しみ方についてアドバイスをお願いします。


馬場:たくさん作ろうとすると大変ですから、一個だけ作りたいものを決めて、あとは出来合いのもので済ませるとか気楽な感じで料理を楽しんで欲しいです。家族みんなで協力して作るのもいいですよね。一緒に餃子包んでみたりすると、それぞれでいろんな形ができて面白かったりするんじゃないかな。


 一人暮らしの人は、凝った料理じゃなくても、炊飯器一つでできるレシピとか。おいしいレシピは今ネット探せばいっぱい出てくるし、今はエスニック食材も気軽に買えるので、海外の料理に挑戦してみるのもいいですよね。それでちょっと旅行気分を味わえたら、きっと楽しいと思いますよ。


■書籍情報
『ロバート馬場ちゃんのキッチンmemo いつもの料理が“パっと”おいしくなる魔法』
著者:馬場裕之(ロバート)
出版社:三才ブックス
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