プロ野球もったいない選手たち2021。才能開花でレギュラー奪取なるか

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2021年01月18日 06:51  webスポルティーバ

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 昨年公開された拙稿「12球団の『もったいない選手』たち。能力は超一流も定位置奪取できない」は、多くの読者に読んでもらえたようだ。

 そこで、2021年版の「もったいない選手」を紹介してほしいと編集部よりリクエストを受け、すぐにリストアップ作業に入った。だが、作業はすぐに壁に当たった。昨年すでに紹介した「もったいない選手」の多くが、もったいないまま1年を終えてしまったからだ。

 代表例は「12球団で一番もったいない男」こと江越大賀(阪神)である。

 昨季は開幕前の実戦で解き放たれたように快打を連発。「無観客の申し子」になるかに見えた。だが、結局は外野レギュラー陣を脅かすには至らず、シーズンでの起用は代走か守備固めに限られた。与えられた打席数は入団6年目で最少の13。しかもノーヒット、6三振という惨状である。

 江越を「12球団で一番もったいない」と最初に評したのは、50歳まで現役生活を送った球界のレジェンド・山本昌さん(元中日)だった。江越と対戦歴があり、阪神の臨時コーチとしてプレーを見ていた山本昌さんはこう語る。

「僕は現役時代、ルーキーだった江越くんにファームで2打席連続ホームランを打たれているんです。あのスイングを見ているので、やっぱり期待してしまいますね。肩が強くて、守備はうまくて、足も速い。身体能力はチームでずば抜けて高いですし、もっとやれるはずなんです。遅咲きでもいいから、レギュラーを獲ってもらいたいですね」

 練習だけ見ていれば、「侍ジャパンの選手かな?」と思っても不思議ではない。確実性の乏しい打撃はクリアすべき課題が多いものの、均整の取れた肉体と躍動感のある身のこなしには依然として夢が詰まっている。

 江越に限らず、もったいない選手には外野手が多い。かねてより層の厚いDeNA外野陣では、レギュラー中堅手・梶谷隆幸の巨人移籍で競争の激化が予想される。

 とはいえ、ポスト梶谷の筆頭候補は2019年のレギュラー中堅手・神里和毅だろう。27歳と若く、伸びしろも残すだけに、梶谷の穴を感じさせない活躍を見せる可能性は高い。




 左翼には佐野恵太、右翼にはタイラー・オースティンと中軸候補が占め、バックアップ候補にはやはりレギュラー経験者の桑原将志が控える。昨年にもったいない選手として紹介した関根大気にとっては、苦しい状況が続いている。

 昨季は右肩の故障明けながらファーム54試合で打率.301、5盗塁とまずまずの結果を残している。今季はプロ8年目と中堅の域に入るだけに、ハングリー精神旺盛なプレーを一軍の舞台で見たいものだ。

 そんなDeNAの新たなもったいない外野手として紹介したいのが、若き大砲・細川成也である。

 2016年ドラフト5位入団と下位指名ではあるものの、ドラフト前には上位指名候補に挙がるほど将来を嘱望された大器だった。入団1年目にはプロ初打席初本塁打を放ち、その翌日には高卒新人として史上初のデビュー戦から2試合連続本塁打という快挙を成し遂げている。

 細川の打球はインパクトの音が違う。センターから右方向の打球もよく伸び、打った瞬間それとわかるアーチを打てるスラッガーは希少だ。過去4年間ではファームで実戦経験を積み、昨季は13本塁打、53打点、出塁率.448の好成績でイースタン・リーグ三冠王に輝いた。

 歴史的に見ても、大砲の育成には時間がかかる。結果には目をつぶり、まとまった打席数を与える必要がある。ある程度、戦力が充実しているDeNAの状況は逆風に映るが、細川には首脳陣に「我慢してでも使いたい」と思わせるだけのアピールが必要になる。

 我慢して起用されながら、殻を破れずにいるパターンもある。廣岡大志(ヤクルト)はその筆頭だ。

 廣岡が入団して間もない時期、当時シニアディレクターだった小川淳司さん(現ゼネラルマネージャー)は、高卒ルーキーとは思えないほどキャンプで木製バットを振りこなす廣岡の素材ぶりを絶賛していた。池山隆寛、川端慎吾とチームの顔になった選手が入団時につけた背番号36を与えられたところからも、球団の期待のほどがうかがえる。

 だが、廣岡は期待に応えられない年が続いている。2019年には91試合に起用されて10本塁打を放ち、開花の兆しを見せた。だが、昨季は打席数が100以上も減り、打率も.215と伸び悩みの色は濃くなっている。

 首脳陣からは廣岡の思考力や取り組みの甘さを指摘する声も聞こえてくる。とはいえ、ヤクルトという球団は見どころのある若手野手に積極的にポジションを与え、スターへと育ててきた土壌がある。今季こそ廣岡の豊かな才能が開花することを祈りたい。

 パ・リーグに目を移すと、オコエ瑠偉(楽天)の存在感が際立つ。オフには石井一久監督が「そろそろ出てこないと、彼自身の野球人生が苦しくなってくる」と最後通牒ともとれるコメントを突きつけた。プロでの5年を終え、いよいよ剣が峰に立たされている状況だ。

 だが、オコエの肉体に眠る可能性を考えれば、「もったいない」としか言いようがない。2015年の夏の甲子園、シングルヒットを二塁打に、二塁打を三塁打に変え、左中間の大飛球をつかみ捕ったダイナミックなプレーぶりが忘れられない。

 プロでは苛烈な競争社会のなか、鬱屈とした日々を過ごしているだろう。だが、再び背中に羽根が生えているような、伸びやかなプレーを見せてくれることを祈りたい。

 オコエと同期入団の平沢大河(ロッテ)も、停滞感が否めない元ドラフト1位選手だ。

 2018年にはおもに外野手として112試合に起用されたが、レギュラー奪取には至らず。昨季は慢性的な右ヒジ痛を抱え、一軍出場はなし。ファームでも.142の低打率に喘ぎ、10月には右ヒジのクリーニング手術を受けた。

 チーム内では安田尚憲、藤原恭大と近未来の主役候補が一軍でスタメン抜擢され、花を開かせつつある。平沢も高い打撃センスはまだまだ底を見せていないだけに、体調を整えて世代交代の潮流に乗りたいところだ。

 そのほかにも、筆者の独断で「もったいない」と感じる選手を下記の通りリストアップしてみた。

▼12球団もったいない選手リスト(15人)
三森大貴(ソフトバンク/21歳)◎
真砂勇介(ソフトバンク/26歳)
平沢大河(ロッテ/23歳)◎
愛斗(西武/23歳)
オコエ瑠偉(楽天/23歳)
淺間大基(日本ハム/24歳)
後藤駿太(オリックス/27歳)◎
宗佑磨(オリックス/24歳)◎
岸田行倫(巨人/24歳)◎
江越大賀(阪神/27歳)
溝脇隼人(中日/26歳)◎
関根大気(DeNA/25歳)
細川成也(DeNA/22歳)◎
磯村嘉孝(広島/28歳)
廣岡大志(ヤクルト/23歳)◎

※年齢は2021年1月18日現在/◎印は2021年版より新たに加えた選手/高卒は入団5年目以上、大卒・社会人その他は入団3年目以上の野手を対象とした

 オフに巨人がセ・リーグ理事会で提案した「DH制導入」は、もったいない選手を救済するという観点では願ってもない案だった。先発メンバーに指名打者が入るということは、当然レギュラーの座がひとつ増えることを意味する。人材活性化につながる案に思えただけに、見送られたのは残念だった。

 コロナ禍で社会全体に閉塞感が広がるなか、もったいない選手の開眼は野球ファンに爽快感を届けるに違いない。今季も無事プロ野球が開催されること、そして本稿で紹介した逸材たちが「もったいない選手」から卒業することを祈りたい。

このニュースに関するつぶやき

  • 巨人の重信は候補にもならないかw
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  • 江越・・・ ドラ1が代走と守備要員ではね〜���ޤ���
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