三島由紀夫『命売ります』帯に加藤シゲアキがコメント 累計発行部数32万部突破記念

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2021年01月22日 18:51  リアルサウンド

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写真加藤シゲアキ帯『命売ります』(ちくま文庫)
加藤シゲアキ帯『命売ります』(ちくま文庫)

 三島由紀夫、異色のエンタメ小説『命売ります』(ちくま文庫)が累計発行部数32万部を突破した。これを機に、加藤シゲアキのコメントと写真を掲載した新しい帯となる。2月5日出荷分よりこの帯が巻かれ、全国書店で随時発売される。


 受賞こそ逃したものの直木賞に初ノミネートを果たし、2021年本屋大賞にも選出されるなど、文学界からますます注目を集めているNEWSの加藤シゲアキ。加藤が「エンタメ性を保持したまま文学的な作品が書けるようにならないと」と考えていた際に勧められて手にしたという作品が、文豪・三島由紀夫のエンタメ小説『命売ります』だったという。


 『命売ります』はファンの間でも“知る人ぞ知る”という作品だったが、「隠れた怪作小説 発見!極上のエンタメ小説」という帯が巻かれた2015年7月から若い読者を巻き込んで人気に火がつき、2015年だけで約22万部を重版し、紀伊國屋書店 新宿本店の文庫年間ランキング1位を獲得した話題作。ノーベル文学賞候補にもなった純文学作家・三島由紀夫のイメージを裏切るような読みやすさとエンタメ性が評判をよんでいる。


『命売ります』の帯に掲載された、加藤シゲアキのコメント

僕が読んできた三島作品の印象とは大きく違っていたことに驚いた。
軽やかかつコミカルで、ストーリーもふざけていて笑える。しかしそれだけではない魅力がこの小説にはある。
そのスリリングな感覚に読者はいつしか引き込まれ、作者の世界へと誘われていく。今面白がられるのも理解できるし、確かに「怪作」で「極上エンタメ小説」だった。既存の枠に縛られない、遊び心に溢れたこの小説はどこか気張っていた僕を慰めてくれた。
今後の参考にするつもりが気づけば夢中になり、まるで行き先のわからないバスに乗ったような気分のまま僕はこれを読み終えた。
読んでいる最中から次の作品を書きたくなっている自分がいた。
――加藤シゲアキ


加藤シゲアキによる書評全文掲載・試し読みは以下の『命売ります』特設サイトから
URL:https://www.chikumashobo.co.jp/special/inochi_urimasu/


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■『命売ります』とは
『命売ります』は1968年(昭和43年)、雑誌『週刊プレイボーイ』に連載された長編小説。物語は自殺に失敗した男が「命売ります」と新聞広告を出すところから始まり、それを利用しようとする人間が次々に現れては騒動を起こしていく。従来の三島作品のイメージを覆すような軽いタッチとスリリングな展開に引き込まれ一気読みしてしまう、極上のエンタメ小説だ。特に、心変わりしていく男の心理描写や痛烈な皮肉は、さすが三島、と言いたくなる完成度を誇っている。さらに、三島本人がこの2年後に自ら死を選んでいるということを考えて読むと、より一層の奥行きをもった読後感が体験できる作品となっている。


「案外、純文学作品ではない、したがって誰もそこに魂の告白を期待していない、『命売ります』のような小説のなかでこそ、こっそり本音を漏らしていたのではなかろうか。」(種村季弘「解説」より)


■書誌情報
『命売ります』(ちくま文庫)
著者:三島由紀夫
本体価格:680円(税別)


■三島由紀夫(みしま・ゆきお)紹介
1925-1970。本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。


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