マルチタスクで時間が犠牲に? スマホに頼り過ぎる生活習慣にあるリスクとは

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2021年01月22日 20:11  ダ・ヴィンチニュース

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写真『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン:著、久山葉子:訳/新潮社)
『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン:著、久山葉子:訳/新潮社)

 SNSなどで他人と繋がるのが当たり前の現代では、スマホを完全に手放すのはおそらく難しい。しかし、ふとムダな時間を過ごしていると思い始めて「わずかでも触らない時間を作らなければ……」と、頭をよぎった経験は誰もがあるはずだ。

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 スマホが登場してからの十数年で「これまで人類が体験したことのない種類のストレスが存在するようになった」と警鐘を鳴らすのは、本書『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン:著、久山葉子:訳/新潮社)である。目を通すと、自分の生活をほんのわずかでも見直したくなる。

●スマホと並行した作業で失われる時間

 スマホが私たちにもたらしたものは、数多くある。情報を手軽に入手できるようになったり、SNSを通した会話形式のチャットで気軽にコミュニケーションを取れるようになったりと、さまざまな恩恵を受けている。しかし、物事には両面があるのも事実。弊害の一つとして「集中力」が失われつつあると、本書は指摘している。

 そもそも人間は「一度にひとつのことにしか集中できない」という。脳にはたしかに、膨大な手順の作業を同時処理する能力がある。しかし、あくまでも「実際にやっていることは、作業の間を行ったり来たりしているだけ」であって、頭の中で複数の作業を瞬時に切り替えているに過ぎないとするのが著者の主張だ。

 例えば、会議中に手元のスマホでメールを確認していたとしても、それは、集中している対象をわずかな時間で切り替えているに過ぎず、複数の作業を同時に行っているわけではない。

 そして、脳の働きとして作業の切り替えにはそのための時間も必要で、専門用語では「注意残余」と呼ばれるが、数秒以上を犠牲にすることになる。この時間が積み重なったら……と考えれば、どれほどの時間を費やしているのかは推して知るべしであり、効率が良いとはいえないのは明らかだ。

●スマホのブルーライトで“時差ボケ”のような症状も

 スマホは生活のあらゆる場面に浸透している。そのなかでも「睡眠」に大きく影響を及ぼしているという。

 睡眠は生き物すべてが持っている欲求だ。なぜ、睡眠欲求があるのかは明らかになっていないものの、睡眠自体には「脳の掃除、健康の維持、そして情緒の安定や記憶と学習のため」の役割がある。それを制御しているのが、脳内で分泌されるメラトニンというホルモンだが、スマホから発せられるブルーライトには「メラトニンの分泌を抑える特殊な効果がある」と本書は指摘する。

 本来、メラトニンは眠気を引き起こすホルモンで、日中は分泌量が少なく、夕方から夜にかけてだんだん増えていくとされている。しかし、ブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が遅れてしまい、体内時計にズレが生じて“時差ボケ”のような症状が起きてしまうという。

 睡眠の質は、日中のパフォーマンスにも影響してくる。寝る前の“ながらスマホ”が習慣になっているのであれば見直してみた方が良いかもしれない。

 今年はコロナ禍の影響もあり、スマホを手にする時間がさらに増えた人たちもいるはずだ。本書ではこのほかにも、スマホにまつわる実情を解説しているが、自分の生活と照らし合わせながら読んでみてほしい。

文=カネコシュウヘイ

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