「間違いのない少年野球チームの選び方(1)|指導者はどんな人ですか?」

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2021年01月25日 13:50  ベースボールキング

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ベースボールキング

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お子さんが野球チームに入り、野球を楽しみ、心身ともに成長していく様子を見守ることができたら嬉しいですよね。しかし、残念ながら素晴らしい指導方針のチームもあれば、問題のある指導方針のチームも存在するのが少年野球の現状です。ではどうやって素晴らしい指導方針のチームを選べばいいでしょうか?『まんがMAJORで考証 少年野球チーム診断』(小学館)を参考に、間違いのない少年野球チームの選び方を紹介しますので、参考にしてみてください。第1回は今回は指導者について。



チームの指導者はどんな人?

【チェック1】
「プレイヤーズファースト」を認識しているか
「プレイヤーズファースト」とは“選手が主役”という意味です。チームの指導者は脇役、黒子に徹すべき存在であるべきです。
そのチームの指導者は「もっと素振りをしろ!」「なんでボール球を振るんだ!」と口出ししすぎたり、勝ちたいがために自分の理想や考えを子どもたちに押し付けたりしていませんか?
「プレイヤーズファースト」を理解せず、エゴで選手を駒扱いする指導者は、現実に多くの野球少年の未来を潰してしまっています。「プレイヤーズファースト」を指導者が認識しているか、よくチェックしましょう。

【チェック2】
「コーチング」を理解しているか
コーチが教えることを「コーチング」と呼ぶのではありません。「質問」や「提案」などを用いて、選手自らに話をさせることで自分の中にある可能性に気づかせ自発的な行動に導く、科学的根拠に基づいた指導法、それが「コーチング」です。
コーチングの対極が、本人に考えさせることなく「バットを短く持て」「打ち上げるな、転がせ」などと一方的に指示、命令をを行う「支配型」の指導です。
子どもたちが失敗した時、うまくいかなかった時、そのチームの指導者はどんなふうに接しているかよく見てみましょう。

【チェック3】
選手たちがのびのびとプレーしているか
指導者が「プレイヤーズファースト」を理解し、「コーチング方の指導」を行うことで、選手はより自発的に野球に取り組み、のびのびとプレーするようになるはずです。
指導者の一方的な指示・命令や怒声、罵声などによって子どもたちが萎縮していないかなど、よくチェックしましょう。

【チェック4】
「身体で止めろ」と指導していないか
現在の指導者の世代は、小さい頃にボールを「身体で止めろ」と教えられた方が多いと思います。しかし、「身を呈してでも止める」ことによって『心臓震とう』による事故のリスクが高まる危険があります。心臓震とうとは、野球でいえば打球などが心臓にあたる衝撃で心肺停止を起こすことで、何もしなければ15秒以内に意識を失い、3〜4分で脳は回復困難となりやがて死に至ります。
「身体で止めろ」「胸で止めろ」という指導は命に関わります。そういった指導が行われていないかチェックしましょう。

【チェック5】
指導者によって教え方がバラバラで、選手が困っていないか
技術指導にはいろんな考えがあります。しかし、監督、コーチたちによって言うことがバラバラだと選手を混乱させてしまいます。特に野球の基本を教える「ティーチング」の段階では、基本の「き」を指導者間でよく話し合い、共通認識されているかが大切です。チームを選ぶ際はそこまで確認したいものです。

【チェック6】
チームや選手個人の目標を設定しているか
選手たちのやる気を高めるためには「目標設定」が大事になります。選手たちが目標設定を行い(できれば長期目標、中期目標、短期目標まで)、それを前提に指導者が選手たちと話し合い、チームの目標も設定する。目標を明確にすることで、日頃からの取り組みの意味合いも明確となります。
「俺は日本一になりたいんだ!」指導者がそういった目標を持つことも悪くはありませんが、大人が自分の目標を選手に押し付けるのではなく、選手自らが目標設定を行なっているチームなのか、そこを確認したいですね。

【チェック7】
定期的に運動能力測定を行っているか
選手の成長を把握することは、効率的な練習プログラムの作成に役立てることができます。計画性がなく経験則で思いつくままに練習をしていても、大きな効果は見込めません。
ちなみに測定は日本体育協会の「運動適正テスト」を利用することでおこなうことができます。選手たちの日々の成長に指導者が意識を向けているかどうか、そこも大事ですね。

【チェック8】
長期・中期・短期の指導計画を立てているか
チームで定めた目標に基づき、例えば年間最大の目標とする大会、その次に目標とする大会を決める。選手たちの学校行事などを踏まえて、その他の大会や練習試合の位置づけを決め、年間計画を立てる。年間計画が決まったらさらに細分化して月間計画、週間計画を立てる。それをもとにして1日の練習プログラムを作成する。
そこまでしているチームであれば、だらだらと一日中練習したり、練習のやらせすぎの防止にもなると思います。

【チェック9】
選手ひとりひとりの成長を管理し、個別に対応できているか
練習の「量」を重視しすぎていないか。「グラウンド○○周!」「腕立て・腹筋○○回!」などの高負荷の”しんどい練習”は、中学生ならともかく、小学生にとってはスポーツ障害の原因にすらなりかねません。選手全員に同じ負荷を与えるやり方ではなく、目的、年齢、性別、体力水準などを考慮した、選手の個人差に考慮した練習、トレーニングが大事です。
個人差を考慮した練習を行うためにも指導者は選手それぞれをよく知っておくことが重要です。そのためにもやはり、定期的な運動能力テストの実施や、そのデータの管理、時には練習の様子を動画撮影するなどして管理・検証するなども行なっているチームだとなお良いですね。

参考:「まんがMAJORで考証・少年野球チーム診断(小学館)」

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