最も“新戦力”が充実してるのは? 各チームの補強を査定してみた【パ・リーグ編】

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2021年01月26日 16:00  AERA dot.

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写真2年ぶりにオリックスに復帰したステフェン・ロメロ (c)朝日新聞社
2年ぶりにオリックスに復帰したステフェン・ロメロ (c)朝日新聞社
 いまだ去就が不透明な選手は数人いるものの、2月1日のキャンプインを控えて各球団の陣容はほぼ固まったと言えそうだ。2021年のシーズン開幕に向けて戦力を上積みすることができたのはどのチームなのか、占ってみたいと思う。なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準としている。今回はまずパ・リーグ編だ。

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*  *  *
■ソフトバンク:D

・主な新戦力
コリン・レイ(新外国人・投手)
アンディ・ロドリゲス(新外国人・投手・育成契約)

 ドラフトでは支配下で指名した5人全員が高校生。その他の補強も外国人のみで、うち一人は育成契約と完全に今年よりも将来を考えた補強となっている。選手層の厚さを考えればこの方針はよく分かるが、少し気になるのが外国人野手の状態だ。デスパイネ、グラシアル、バレンティン(登録上は日本人選手扱い)の3人が揃って今年35歳以上となり、一年を通じての活躍は微妙な状況となっている。場合によってはキャンプに入ってから新たな外国人野手を補強する必要が出てくることも考えられるだろう。

 唯一と言ってもよい上積みは先発候補のレイだ。メジャーでの実績はそれほどないものの、2019年には3Aで14勝(4敗)、防御率3.95をマークしている。ムーア、バンデンハークの退団は濃厚と見られているだけに先発候補として期待したい。


■ロッテ:C

・主な新戦力
アデイニー・エチェバリア(新外国人・内野手)
ホルヘ・ペラルタ(新外国人・内野手・育成契約)
サンディ・サントス(新外国人・外野手・育成契約)
鈴木昭汰(ドラフト1位・投手)

 新外国人選手3人のうち2人は育成契約だが、エチェバリアはメジャー通算922試合出場の実績を誇る。マーリンズ時代はイチローの同僚としてショートのレギュラーとしてプレーしており、度々見事な守備を見せていたことを記憶しているファンも多いだろう。ここ数年成績が落ちているのは気がかりだが、守備範囲の広さは大きな魅力だ。チームは昨年ショートの守備に苦しんだだけに、その穴を埋める存在として期待される。

 ドラフトでは大学生3人を獲得したが、早くから戦力として期待したいのが1位の鈴木だ。大学4年時に一気にスピードアップし、コンスタントに150キロ近いスピードをマークする。逆にそれまでの持ち味だった制球力が少し落ちたように見えるのは気がかりだが、チームにあまりいないタイプの左腕だけに面白い存在になりそうだ。


■西武:C

・主な新戦力

マット・ダーモディ(新外国人・投手)
吉川光夫(日本ハムからトレード・投手)
渡部健人(ドラフト1位・内野手)
若林楽人(ドラフト4位・外野手)
大曲錬(ドラフト5位・投手)
ブランドン大河(ドラフト6位・内野手)

 ドラフトでは支配下だけで大学生4人、社会人1人を指名した西武。ただどちらかというと全体的に素材型の選手で、ここでも4人の名前を挙げたが、2年目以降の戦力と考えておくのが妥当だろう。ただ意外に面白いのが5位の大曲だ。準硬式出身ながら、スピードだけでなくコントロール、変化球も高レベルで、場合によっては早い段階で一軍に抜擢されることも十分考えられるだろう。

 ドラフト以外では手薄なサウスポーを2人獲得。ダーモディは驚くようなスピードはないものの、オーソドックスなフォームでまとまりを感じるタイプ。メジャー、マイナーを通じて四死球が非常に少なく、自滅するタイプではない。メジャーでは全てリリーフでの登板だが、先発としても面白そうだ。吉川はここ数年不振だが、ストレートはまだ145キロ以上をマークし、ボールの勢い自体は衰えていない。過剰な期待はかけづらいが、左の先発が少ないチーム事情を考えると有効な補強になる可能性は十分ありそうだ。


■楽天:B

アダム・コンリー(新外国人・投手)
ブランドン・ディクソン(新外国人・内野手)
ルスネイ・カスティーヨ(新外国人・外野手)
早川隆久(ドラフト1位・投手)
高田孝一(ドラフト2位・投手)
藤井聖(ドラフト3位・投手)

 昨年のような大型補強はなかったが、ドラフトでは上位4人を大学生、社会人の投手を揃えて戦力アップを図った。特に1年目から期待が高いのがやはり1位の早川だ。最終学年のリーグ戦の成績は過去に東京六大学から1位指名で入団した選手と比べても突出しており、開幕ローテーション入りの可能性も高い。ただ、成績を残した期間が短いだけに、調子を維持できるかが大きなポイントとなりそうだ。

 外国人は投手、内野手、外野手とバランス良く一人ずつ獲得した。コンリーは大きくクロスに踏み出すフォームが特徴の変則左腕。先発、リリーフどちらもメジャーで豊富な経験があるのは心強い。ディクソンは一昨年メジャーで15本塁打を放ったパンチ力が持ち味。三振が多く確実性の低さは気になるが、内野手登録だが外野も守れるユーティリティさも魅力だ。カスティーヨはメジャーでの実績は乏しいものの、キューバから米国に亡命した時に、レッドソックスと大型契約を結んでおり、その潜在能力に対する評価は高い。日本でその才能が開花するかに注目だ。


■日本ハム:B

・主な新戦力
ロビー・アーリン(新外国人・投手)
ロニー・ロドリゲス(新外国人・内野手)
伊藤大海(ドラフト1位・投手)
五十幡亮汰(ドラフト2位・外野手)
古川裕大(ドラフト3位・捕手)
今川優馬(ドラフト6位・外野手)

 ドラフトで今年の戦力となる可能性が高い選手を最も多く獲得できたのが日本ハムだ。1位の伊藤はストレート、変化球、コントロール全てが高レベルで早川と並ぶ新人王の有力候補。長いイニングを投げ切るスタミナも申し分ないが、チーム事情を考えるといきなりクローザーに抜擢ということも十分考えられるだろう。2位の五十幡は単純な脚力であればプロでもナンバーワンと言える存在。西川遥輝が残留となり、いきなりの定位置獲得は難しいが、代走、守備要員として一軍定着が期待できる。古川、今川の2人もレギュラー争いに加わる可能性は十分にある実力者だ。

 新外国人は2人を獲得。アーリンはメジャー通算13勝のサウスポー。打者を圧倒するような球威はないものの制球力が高くまとまりがあるタイプで、先発の一角として期待される。ロドリゲスは内野のユーティリティプレーヤー。打率の低さと三振の多さは気になるものの、一昨年はメジャーで放った61安打中、約半数の29本が長打で14本塁打をマークした長打力は魅力だ。


■オリックス:C

・主な新戦力
ステフェン・ロメロ(楽天から移籍・外野手)
能見篤史(阪神を自由契約になり移籍・投手・コーチ兼任)
田城飛翔(ソフトバンクを自由契約になり移籍・外野手・育成契約)
中川颯(ドラフト4位・投手)
阿部翔太(ドラフト6位・投手)

 長打力不足の打線にとって大きいのが2年ぶりに復帰となったロメロだ。故障が多く、年間を通じてフルに活躍したことはないものの、過去4年間で93本塁打、255打点という実績は心強い。ジョーンズが外野を守れる状態で来日すれば、モヤ、ロメロと長打が期待できる選手を3人並べることも可能で、チームの得点力アップは期待できそうだ。

 ただ、ロメロの復帰以外は全体的に上積みの少ない補強という印象だ。能見は昨年も34試合に登板しているものの、年々成績は下降しており、今年で42歳ということを考えると大きな期待はかけづらい。ドラフトも高校生が中心の指名となっている。

 そんな中で面白そうなのが4位の中川と6位の阿部だ。中川はなかなかいないタイプの本物のアンダースローで、先発、リリーフどちらも経験していることも大きなプラスだ。左打者への投球には課題が残るが、投手陣にアクセントをつける存在となるだろう。阿部は今年で29歳となるオールドルーキー。オーソドックスなフォームで打者を圧倒するようなボールがないのは気がかりだが、社会人での実績は申し分ない。年齢的にも1年目から勝負となるだけに、首脳陣の期待も大きいはずだ。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。









このニュースに関するつぶやき

  • ファイターズファンとしても、新人野手3人がレギュラー争いする可能性大でB評価ってのは強気すぎだと思うの。
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  • オリは渉外担当が全く視察とか行けてないらしいから補強も何もできひんのやろね。海外スカウト使えよとは思うけど。でもロメロカムバックはよかったよかった。 https://mixi.at/a22yRsM
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