最も“新戦力”が充実してるのは? 各チームの補強を査定してみた【セ・リーグ編】

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2021年01月27日 16:00  AERA dot.

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写真ブルージェイズ時代の2017年に38本塁打を放ったジャスティン・スモーク(写真/gettyimages)
ブルージェイズ時代の2017年に38本塁打を放ったジャスティン・スモーク(写真/gettyimages)
 いまだ去就が不透明な選手は数人いるものの、2月1日のキャンプインを控えて各球団の陣容はほぼ固まったと言えそうだ。2021年のシーズン開幕に向けて戦力を上積みすることができたのはどのチームなのか、占ってみたいと思う。なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準としている。今回はセ・リーグ編だ。

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*  *  *
■巨人:A

・主な新戦力
ジャスティン・スモーク(新外国人・内野手)
エリック・テームズ(新外国人・外野手)
井納翔一(DeNAからFA移籍・投手)
梶谷隆幸(DeNAからFA移籍・外野手)
平内龍太(ドラフト1位・投手)
伊藤優輔(ドラフト4位・投手)

 リーグ連覇を達成しながら日本シリーズでは、2年連続で4連敗を喫したこともありこのオフは積極的な補強に動いた。FAでともにDeNAから井納と梶谷を獲得。井納は2年連続で負け越してはいるものの先発として試合を作る力はまだまだ健在で、菅野智之以外は確実に計算できる投手がいないだけにありがたい存在となる。梶谷も故障の多さと調子の波はあるものの、外野の層が厚くなったことは間違いないだろう。

 更に新外国人でも実績のある野手2人を獲得。スモークは2017年にメジャーで38本塁打、90打点をマークしてオールスターにも出場した両打の長距離砲。テームズも韓国プロ野球(KBO)で実績を残した後にメジャーに復帰し、2017年に31本塁打、2019年には25本塁打を放つ活躍を見せている。ともに三振が多く確実性の低さは気になるものの、6番、7番あたりで長打力を発揮する役割を果たせば大きな得点力アップに繋がるだろう。

 ルーキーでは平内と伊藤の2人を挙げたが、ともにスピードはあるものの制球力は不安が残るだけに、2年目からの戦力と考えておいた方が妥当かもしれない。

■阪神:A

・主な新戦
力ラウル・アルカンタラ(新外国人・投手)
チェン・ウェイン(ロッテから移籍・投手)
メル・ロハス・ジュニア(新外国人・外野手)
加治屋蓮(ソフトバンクを自由契約になり移籍・投手)
鈴木翔太(中日を自由契約になり移籍・投手・育成契約)
山本泰寛(巨人からトレード・内野手)
佐藤輝明(ドラフト1位・外野手)
伊藤将司(ドラフト2位・投手)
中野拓夢(ドラフト6位・内野手)
石井大智(ドラフト8位・投手)

 まず目立つのが積極的な外国人の補強だ。新外国人のアルカンタラ、ロハスの2人はともに巨人との争奪戦も噂されたが見事に獲得に成功。アルカンタラは20勝2敗、ロハスは47本塁打、135打点とともにKBOでは圧倒的な成績を残している。過去には大きな期待を受けて入団しながら不発に終わったロサリオの例もあるだけに、KBOでの成績を鵜呑みにするのは当然危険だが、ともにまだ若さがあり、年々成績を向上させているところは大きなプラス材料だ。更に日本での実績十分のチェンの獲得にも成功。今年で36歳となるが、昨年のロッテでの成績を見る限りまだまだ余力が感じられた。外国人への期待度という意味では12球団でもトップと言えそうだ。

 ドラフトでも多く大学生、社会人を指名したが、今年の戦力という意味で面白いのは下位指名の中野と石井だ。中野は堅実な守備と俊足、パンチ力を備えた内野手で、セカンド、ショートどちらも守れるのが大きい。二遊間のレギュラー争いに加わる可能性は十分だ。また石井も四国アイランドリーグplusでは圧倒的な成績を残しており、奪三振率の高さも光る。ブルペン陣の一角として1年目から期待できるだろう。


■中日:C

・主な新戦力
ランディ・ロサリオ(新外国人・投手)
ルーク・ワカマツ(新外国人・内野手・育成契約)
マイク・ガーバー(新外国人・外野手)
山下斐紹(楽天を自由契約になり移籍・捕手・育成契約)
福留孝介(阪神を自由契約になり移籍・外野手)
森博人(ドラフト2位・投手)

 新外国人は育成契約を含めて3人を獲得。中でも期待が大きいのが投手のロサリオだ。2017年に23歳の若さでメジャーデビューを果たすと、翌年にはリリーフで44試合に登板して4勝をマーク。テイクバックの小さいフォームで150キロを超えるスピードを誇り、サウスポーらしいボールの角度も目立つ。福敬登以外安定した左のリリーフがいないだけに、中継ぎの一角としてフル回転を期待したい。外野手のガーバーはメジャーでの実績は乏しく、マイナーでの成績を見ると三振の多さが目立つが、守備力の高さが評価されているとのことで、ナゴヤドームを本拠地とするチーム事情にはマッチしている。今年で29歳とまだ若いだけに、日本でどこまで確実性を伸ばせるかがポイントとなりそうだ。

 外国人以外では大ベテランの福留が14年ぶりに復帰となった。昨年は大きく成績を落としており、今年で44歳ということを考えると代打の切り札が役割となりそうだが、真摯に野球に取り組む姿は若手へのプラスとなりそうだ。ルーキーでは2位の森が即戦力候補。リリーフであれば150キロを超えることも珍しくなく、鋭く変化するカットボールも面白い。キャンプは二軍スタートとなったが、一軍のブルペン陣に入り込む可能性は十分にあるだろう。


■DeNA:C

・主な新戦力
フェルナンド・ロメロ(新外国人・投手)
ケビン・シャッケルフォード(新外国人・投手・育成契約)
スターリン・コルデロ(新外国人・投手・育成契約)
風張蓮(ヤクルトを自由契約になり移籍・投手)
田中俊太(巨人からFA人的補償で移籍・内野手)
入江大生(ドラフト1位・投手)
牧秀悟(ドラフト2位・内野手)

 井納、梶谷の投打の主力2人が去ったDeNAだが、ソト、オースティンと力のある外国人野手が残留したこともあって、投手中心の補強となった。最も期待が大きいのがロメロだ。メジャー通算3勝ながら今年で27歳とまだまだ若く、アメリカでも将来を嘱望されていた右腕だ。昨年はアメリカ入国時のトラブルで登板なしに終わったが、コンディションさえ上がってくれば大きな戦力となることが期待できるだろう。またトミー・ジョン手術からの回復途上のため育成契約となっているシャッケルフォードと、ヤクルトから移籍した風張も中継ぎの一角に加わる可能性はありそうだ。

 野手でプラスになりそうなのが梶谷の人的補償で獲得した田中とドラフト2位の牧だ。ともにセカンドが本職だが、他のポジションを守った経験もあり、内野の層が厚くなったことは間違いない。田中はスピードと粘り、牧はパンチ力とそれぞれ持ち味を生かしてレギュラー争いに加わることを期待したい。


■広島:C

・主な新戦力
カイル・バード(新外国人・投手)
ドビーダス・ネバラスカス(新外国人・投手)
ケビン・クロン(新外国人・内野手)
栗林良吏(ドラフト1位・投手)
大道温貴(ドラフト3位・投手)

 FAや大型トレードとは無縁のチーム方針は変わらず、今年も新外国人とドラフトでの補強のみとなった。バードはスリークォーターのサウスポー。ストレートはそれほど速さはないが、ボールの角度は面白いものがある。ネバラスカスは150キロを超えるスピードが武器の本格派右腕。制球は不安定だが、奪三振の多さは目立つ。ともに弱点であるリリーフ陣を底上げする存在として期待される。野手のクロンは2019年にメジャーデビューを果たし、6本塁打を放った長距離砲。確実性は課題だが今年でまだ28歳と若いだけに、日本で適応力を伸ばしたいところだ。

 ルーキーではドラフト1位の栗林が大きなプラスだ。レベルの高い社会人でも2年続けて圧倒的な成績を残しており、即戦力度という意味では今年の新人の中でもトップクラスの実力者である。チーム事情によってはリリーフという声も聞こえてくるが、試合を作る能力が高く、投げる以外のプレーも高レベルのため、まずは先発として起用してもらいたい。3位の大道も大学球界屈指の実力者だけに、シーズン中の一軍デビューの可能性は十分あるだろう。


■ヤクルト:B

・主な新戦力
サイスニード(新外国人・投手)
ホセ・オスナ(新外国人・内野手)
ドミンゴ・サンタナ(新外国人・外野手)
近藤弘樹(楽天を自由契約になり移籍・投手・育成契約)
宮台康平(日本ハムを自由契約になり移籍・投手)
小沢怜史(ソフトバンクを自由契約になり移籍・投手・育成契約)
内川聖一(ソフトバンクを自由契約になり移籍・内野手)
木沢尚文(ドラフト1位・投手)
元山飛優(ドラフト4位・内野手)
並木秀尊(ドラフト5位・外野手)

 2年連続でダントツの最下位に沈んだこともあってか、このオフは積極的な補強を見せた。まず期待が大きいのが新外国人の野手2人だ。オスナは右の中距離打者。四球も三振も少なく、どんどん振っていくスタイルが日本の野球でどう出るかは気になるところだが、内野も外野も守れるユーティリティぶりも光る。サンタナは2017年にメジャーで30本塁打を放った長距離砲。三振の多さと外野守備のまずさは不安だが、長打力は大きな魅力だ。野手で更にプラスになりそうなのがソフトバンクから移籍した内川と新人の並木だ。内川は昨年一軍出場はなかったものの、二軍では3割を超える打率をマークしておりその打撃技術は健在。ファーストのバックアップ、代打の切り札として期待される。並木は抜群の脚力が持ち味で、引退した上田剛史に代わる代走、外野守備のスーパーサブの役割を任せられる可能性が高い。

 最大の弱点と言える投手陣は新外国人のサイスニードとドラフト1位の木沢にかかる期待が大きい。サイスニードはメジャー通算26試合の登板ながら、イニング数を上回る奪三振をマークしている右腕。150キロ前後のストレートとカットボールは威力を感じる。メジャーでは全てリリーフ登板ながら、マイナーでは先発経験もあるだけにローテーションの一角として期待したい。木沢は東京六大学を代表する本格派。ストレートは数字の割に当てられることが多いが、鋭く変化するカットボールは魅力。故障を乗り越えてしっかり体作りをしてきた印象も強く、1年目から一軍の戦力となる可能性はありそうだ。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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