ソニー「α1」速攻インプレッション プロカメラマンから見てうれしい5つのポイント

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2021年01月28日 07:22  ITmedia NEWS

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写真ソニーのフルサイズミラーレス「α1」(アルファワン)
ソニーのフルサイズミラーレス「α1」(アルファワン)

 1月27日にソニーが発表したフルサイズミラーレスのフラグシップモデル「α1」(アルファワン)。同日に行われた、プロカメラマン向け体験会で実機に触れることができた。短い時間の試用ではあるが、α1がプロユースに対してどれだけ進化したのか見ていきたい。



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●静止画も動画もいけるハイエンドオールラウンダー



 まず気になる実機の撮影データは会場からの持ち出しがNGだったので、今後の楽しみにしてほしい。しかしセンサー自体は「α9 II」ベースとのことなので、大きな変化があったというよりは、徹底的に足回りなどを強化して、静止画も動画もいけるオールラウンダー機に仕上げたとみるのがよさそうだ。



 静止画の場合は比較的高画素(有効画素数約5010万画素)、30コマ/秒、高いAF/AE追従性能と、状況を選ばず撮影できるスペックだ。動画についても8Kまで対応する他、外部レコーダーとの連携もしやすく、最近の動画撮影事情をうまく取り込んでいる。



 つまり、各カメラマンの撮影する領域次第でこのモデルの評価ポイントは変わってくるといえる。人によってはそれが連写性能になるし、静粛性になるかもしれないし、動画関連だったりするかもしれない。



 筆者の場合は無機物の撮影が多く、有機物は主に人物撮影。こうした自分のニーズの場合は正直に言ってα1よりは高画素モデルの「α7R IV」の方が当てはまる。



(関連記事:2億4000万画素の衝撃! ソニー「α7R IV」で最先端核融合炉を激写した結果)



 例えば、無機物の撮影は研究施設が多い。スピーディーな操作を必要とするシーンは何かしら実験機器の動作中くらいで、どちらかといえば撮影対象の時間制限と携行する荷物のシンプルさ、そして高画素での記録が重要になる。



 そのため、α1については以下で紹介していく5つが評価のポイントになった。



●シリーズでほぼ変わらないボディサイズ



 αシリーズは小型の「α7C」を除けば、ボディサイズをほぼ統一しているのが特徴の一つだ。今回もサイズについては極端に変更されておらず、リグ(カメラに取り付ける周辺機材)の使い回しがしやすく、状況に応じてボディの変更をすることも意識されている。



 周辺機器との干渉をあまり考えずに済むのは、ボディとレンズ以外の機材が多い人ほどうれしいハズ。またボディサイズが機種ごとでほぼ差がないということは荷造りの際に収納スペースを考える手間が省けるのもメリットだ。もちろん、家族に買い換えたとバレにくくなるメリットもあるような気もするのだが。



●ブラックアウトフリーや静粛性、動体のゆがみ抑制などミラーレスならではの進化



 シャッターごとにメカが動作する要素をなくせるため、連写をしていても電子ビューファインダーにブラックアウトが生じない。これはポートレート撮影だけでなく、動体を狙う場合でも重宝する。このときも最大30コマ/秒での撮影が可能だ。



 シャッター音がしないサイレントモードでも同様であり、静音を要求されるシーンでも重要だ。例えば発表会での撮影は、シャッター音も騒音と認識されやすい。プロならば、撮影シーンに応じて静かにシャッターを切れるボディを用意しておくべきだろう。



 もうひとつ、ミラーレス機の弱点でもあった動体のゆがみ。これもα9II比で約1.5倍の読み出し性能となったため、電子シャッター時でもゆがみと遭遇するシーンがほとんどなくなっているという。ハンズオンでは試せなかったが、シャッター速度1/32000秒はチェックできた。NDフィルターがないとキツいような明るいシーンなどで助かりそうだ。



●電子シャッターでもフリッカーレス撮影に対応



 光源にはいろいろな種類があり、主に蛍光灯やLEDは高速に点滅を繰り返しているため、撮影のタイミングによっては暗くなってしまうことがある(フリッカー)。ソニーに限らず多くのカメラでこれを抑える「フリッカーレス撮影」機能が搭載されているが、α1ではメカシャッターだけでなく、電子シャッターでもフリッカーレス撮影が可能になった。



 電子シャッター時でも1/400秒でストロボ同期できる機能もうれしいところだが、個人的にはLED光源のお世話になりがちなので、今後の機種への反映も込みで大変うれしいポイントだ。



●肉眼で見たかのような視認性、約944万ドットのEVF



 0.64型(1.6cm)の電子ビューファインダー(EVF)を採用している。約944万ドットと高精細でドットのあらが見えず、肉眼で被写体を見たかのような視認性だ。ピント拡大時もピーキングなしでピントを追い込みやすい。部材としては「α7S III」と同様のものとのことだ。



 レンズ次第になるが、MF時に拡大しなくてもピントピークをチェックできるほど。EVFのフレームレートはSTD(60fps)、HI(120fps)、HI+(240fps)の3つから選択でき、シャッターチャンスにより強くなった。普段から144Hzのゲーミングモニターなどを見ている人にも安心の仕様だが、HI+ではある程度、画質を間引いての表示になっていたため、人によっては状況に応じて変更しやすいようにファンクションボタンなどをカスタムしておく必要があるだろう。



 ついでにだが、背面の液晶モニター。これは「α7 III」と同じ部材ながら、表示する際の処理を変更しているそうだ。コントラストが気持ち高めな印象を受けたが、色の正確性はEVFの方がいいように感じられた。クライアントに撮影直後にちょっと見せてOKをもらっても、いざ納品した際によくある「色が違うんじゃない?」イベントの撲滅には至らない。α1発表と同時に発売日などのアナウンスがあったプロ向けスマートフォン「Xperia PRO」を使えということだろうか。



●進化した無線転送



 無線通信はIEEE 802.11a/b/g/n/ac、そして2×2 MIMO(アンテナを複数使って接続性や通信速度を上げる技術)に対応する。α7R IVからケーブルレスでのリモート撮影やデータ転送を積極的に使わせたいというソニーの意図を感じられていたが、α7R IVのアンテナ性能は非力で接続エラーが出がちで、信頼性はあまり高いものではなかった。



 α1では無線アンテナが2本に増えたことで、接続性と転送速度が向上したため、スタジオだけでなく屋外でもリモート撮影がやりやすくなりそうだ。報道やスポーツシーンからの要望に対応した結果と思われるが、転送処理もシングルスレッドからマルチスレッドに変更された。これにより動画の転送速度も向上しており、この点もマルチソースめいてきたカメラのデータ転送事情からすると、とてもうれしい。



●ラインアップの住み分け明確に



 ハイエンドオールラウンダー機α1の登場により、αシリーズの住み分けがより明確になった。画素数を求めるならRシリーズ、動体撮影重視ならα9シリーズ、高感度+動画ならSシリーズになるし、入口としてはα7 IIIや小型機のα7Cが用意されている。



 用途が明確であるほど、どのボディを選ぶべきか判断しやすくなったといえる。これは開発側からしても新製品をより尖らせやすくなったともいえるため、今後のラインアップが楽しみだ。1月28日からソニーストアでの実機展示がスタートするため、α1に触れて検討してみるといいだろう。ジャックス神は、そこにいる(※)。



※編集部注:ご利用は計画的に


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