「フェニックス」ニコラ・フォルミケッティをクリエイティブディレクターに起用、新ブランド立ち上げ

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2021年01月28日 11:12  Fashionsnap.com

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左2体がプラス フェニックス(左からハイライン、ミドルライン)、右3体がフェニックス Image by: FASHIONSNAP.COM
シフォン(志風音)が展開するスポーツブランド「フェニックス(phenix)」が、クリエイティブディレクターにニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)を起用した。スキーウェアから派生したアーバンアウトドアブランド「プラス フェニックス(+phenix)」を2021年秋冬シーズンに立ち上げ、従来のフェニックスと併せて商品企画やMD、PRなどのディレクションを手掛ける。本格的に参画するのは2022年春夏コレクションからだが、すでにイメージヴィジュアルの撮影など一部のディレクションを担当している。

 フェニックスは1953年設立。スキーやゴルフ、アウトドアウェアを展開しており、1980年代にはイタリアのMaglificio Calzificio Torinese社と提携し、「カッパ(kappa)」ブランドの販売を開始した。1990年代半ばのピーク時は、スキーブームが業績を後押ししたことで年商が300億円を超える程成長したものの、その後のバブル崩壊などで業績が悪化。2004年にオリックスグループの資本傘下に入り事業を継続させ、2008年に中国の大手アパレル中国動向集団有限公司に株式の91%が売却された。昨年12月末をもってフェニックス社が事業を終了し、ブランドの存続が危ぶまれていたが、シフォンがマスターライセンス契約を通じてブランドを継承した。
 ニコラは「ディーゼル(DIESEL)」の元アーティスティックディレクターで、自身のブランド「ニコパンダ(NICOPANDA)」などを展開。レディー・ガガ(Lady Gaga)のクリエイティブディレクターを務め、スタイリングやミュージックビデオのディレクションを担当している。今回の起用は、「スポーツとファッションがさらに身近になるように広げていきたい」と考えるニコラと、シフォンの代表取締役 西村健太氏が意気投合し、昨年11月頃に決定。本格スキーウェアを中心に展開しているフェニックスのパフォーマンスアイテムは継続して展開し、新ブランドを中心に街着として着られるアーバンアウトドアの提案を試みる。
 プラス フェニックスでは、フェニックスのDNAであるスキーテイストを派生させ、テクニカルな素材や機能を組み合わせることで雪山や登山、キャンプをはじめ、都会のビジネスシーンにも対応するアイテムを製作。サステナブルな機能素材を軸にスキーウェアのデザインを落とし込み、様々なシチュエーションでの着用を想定したハイラインと、安価な料金設定で機能性とデザイン性の両立を実現させたパフォーマンス要素が強いミドルラインの2ラインを展開する。ファーストシーズンはシフォンの企画チームによるデザインに、アクセントカラーなどの一部でニコラの意見を取り入れ、2ラインで約60型のアイテムを製作した。

 ハイラインでは黒を基調に、バッテリーを接続することで背中と胸部分に搭載した電熱パッドが発熱するジャケット(2万1890円)や、撥水、防風、透湿といった様々な要素に優れた多機能生地を使用したポケッタブル仕様のジャケット(1万9800円)とパンツ(1万4960円)、身頃のサイドと袖をダウン仕様に切り替えたフーディー(1万7930円)などを用意。ミドルラインは、フードアジャスターコード付きのフリースジャケット(1万2980円)や、ストレッチ性のあるコーデュロイパンツ(1万1990円)、ポリウレタン混の厚みのあるストレッチ素材で製作したロングスリーブポケットTシャツ(9900円)、ビックシルエットでロゴをフレクタープリントであしらったTシャツ(5940円)、撥水性に優れた素材を使用したサコッシュ(4950円)、リバーシブル仕様のマフラー(3300円/すべて税込)などが揃う。ハイラインはセレクトショップ、ミドルラインはスポーツ量販店で9月頃から販売を予定している。
 なお、シフォンはマスターライセンス契約を締結した昨年10月の段階で、フェニックス事業単体の初年度(2021年秋冬〜2022年春夏シーズン)の売上目標をスキーウェアで10億円、アーバンラインで5億円とし、営業利益は1億5000万円を掲げており、ニコラ加入後も変更はないという。
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