パワハラで札幌トヨタに賠償命令=社員自殺との因果関係は否定―地裁
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2021年01月28日 14:31 時事通信社

札幌トヨタ自動車の室蘭支店に勤務していた石崎来輝さん=当時(21)=が自殺したのはパワハラが原因として、父親(46)が同社に約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、札幌地裁であった。高木勝己裁判長は、石崎さんが先輩社員の暴言で適応障害を発症したことを認めたものの、自殺との因果関係は否定し、同社に44万円の支払いを命じた。
判決によると、石崎さんは入社した2016年、先輩社員から「死ねばいいのに」などの暴言を受けた。同年9月に適応障害を発症し、無断欠勤。異動を願い出たが聞き入れられず、17年7月、自殺した。
高木裁判長は、先輩社員の暴言が「精神的苦痛を与えた」と指摘したが、無断欠勤以降は暴言が続いたとは認められないとして、自殺との因果関係を認めなかった。
判決後に札幌市内で記者会見した父親は「息子の無念を晴らすため、今後も闘っていきたい」と控訴する方針を示した。
札幌トヨタの話 判決内容を精査し、対応を検討する。
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