オリックス・山岡が迎えた進化の春 新投球術“立体投球”で開幕めざす

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2021年02月07日 21:30  ベースボールキング

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太ももが太くなり球威が増した山岡(撮影=北野正樹)
◆ 進化実感「大きくなったと言われる」

 オリックスのエース山岡泰輔が、カーブを有効に使い持ち球のスライダーとの球速の差を生かし奥行きを出す“立体投球”で3年連続の開幕投手を目指す。


 圧巻の投球だった。7日、ブルペン入りした山岡は、伸びのある直球主体に約60球を投げ込んだ。球速より重さを感じさせるボールがミットに吸い寄せられ、伏見捕手が「去年とは全然、球の強さが違う」と驚きの声を挙げるほどだった。

 「よくはなっていると思うが、投げている本人は横から見ていないのでボールの重さはわからない。でも、うまく(ボールに力が)乗っているなとは思う」と山岡。体幹やバランスなどを重視した広島県でのトレーニングの成果はもちろんだが、球威が増した原因は「体重の増加じゃないかな」と説明する。

 これまでのベスト体重は68キロだったが、現在は69.2キロまで増量し「左足にかなり乗っているな」と感じるという。目標体重は72キロ。「食べて増やすだけでなく、食生活(の改善)とウエートトレーニングで、見た目で大きくなったと分からず72キロになっているのが理想」だといい、筋力をアップさせ体を大きくすることを狙っている。

 体の変化も実感している。特に太もも。新しいユニホームを履いた際、違和感があったという。「今までガリガリで、新品のユニホームできついと思ったことがなかったが、初めてちょっと小さいかなと思った。周りからも大きくなったと言われる」という。


◆ 変化球と変化球の相乗効果

 肉体改造と並行して取り組んでいるのが、スライダーとカーブの縦と横の球速の差を使った奥行きのある“立体投球”だ。

 この日は直球以外にカーブの感触も確かめた。山岡の大きな武器はスライダー。打者がスライダーを狙っている時にカーブを投じると、同じような軌道で打者にとってチャンスボールになってしまう可能性があるため、これまでカーブは封印してきた。

 しかし、昨季、投球内容が悪い時に伏見がカーブを交えるリードをしたところ、打者の反応が違うことが分かった。今季はカーブをスライダーと同じような軌道にするように、さらに磨く。「軌道が同じでスライダーかカーブか、どちらか分からないなら、スライダーで詰まらせたり空振りを取ったりできるし、カーブもまた、決め球になる」と相乗効果を狙う。

 「僕のスライダーは球速130キロを超える。カーブはナックルカーブで、7、8キロの球速の差があり、(カーブの)縦と(スライダーの)横を使い、ベースを大きく使って奥行きを出したい」。172センチの小さな体をバネのようにしならせ、頭脳的な投球をみせてきた山岡らしい、新たな投球術の開拓だ。

 3年連続の開幕投手については、「昨年(けがで)離脱しているので、そこに合わせるのは間違いない。精いっぱいアピールしてそこにつながればいい」と控えめながら意欲をみせた。


文・写真=北野正樹(きたの・まさき)

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