「タイガ タカハシ」がユニセックスブランドとして再出発 考古学的視点でヴィンテージを追体験するウェア提案

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2021年02月10日 18:52  Fashionsnap.com

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「タイガ タカハシ」2021年秋冬コレクション Image by: タイガ タカハシ
ニューヨーク拠点のブランド「タイガ タカハシ(Taiga Takahashi)」が、2021年秋冬コレクションからユニセックスブランドとして再出発する。

 デザイナーの高橋大雅は1995年生まれ。神戸市で育ち、2010年に渡英しロンドン国際芸術学校に、2013年にセントラル・セント・マーチンズのBAウィメンズウェア学科に進学。在学中にフィービー・ファイロ率いる「セリーヌ(CÉLINE)」や「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」で経験を積み、2017年に同校卒業後、自身の名を冠したウィメンズブランドとして「タイガ タカハシ」をニューヨークで立ち上げた。 
 ユニセックスブランドへと転換した背景にあったのは、コロナ禍をきっかけとした自身の気持ちの変化。男性のデザイナーとして、目に見えない女性像を想像して服作りをする難しさを感じ、自分が着たい服を作ることができるユニセックスウェアに転向することを決めた。
 ユニセックスウェアのデビューとなる2021年秋冬コレクションは、「時間を感じる服」がテーマ。1910〜50年代のアメリカンヴィンテージを中心に、昔はどのように服が作られていたかという考古学的な視点で、日本の伝統技術や天然素材を使い、現代で追体験しようというアプローチだ。例えば、1920年代のアメリカ製サックスーツをベースとしたジャケット「DB Sack Suits」(7万3000円〜)は、ストレッチ性のある生地が流通していなかった当時、背中の可動領域を広げるために取り入れられていたアクションプリーツをバックやポケットにデザイン。生地は、1910年代の第一次世界大戦時に米軍が使用していたものを再現している。
 高橋自身、服の歴史への造詣が深く、ヴィンテージの服を数千着所有するほどのコレクター。「これほど素晴らしい服がすでに存在する中で、全く新しいものを生み出す必要はあるのだろうか」という疑問から、これまでに作られてきた服の数々に目を向けた。

 ユニセックスウェアとしてのファーストコレクションでありながら、糸からオリジナルで作ったり、伝統技術を用いるなど細部までこだわりが光る。例えば、1930年代のアメリカ製カーコートをベースとしたレザーコート「Automobile Coat」(48万円)。ベジタブルタンニングを施した後、一枚ずつ手作業で奄美黄島に伝わる「泥染」をした馬革を使っている。テーチ木と呼ばれるバラ科の植物を大釜で2日間煮て汁を出し、生地を何度も漬け込んだ後、泥田の中に浸すという工程を数十回繰り返すことで生まれる、独特の光沢感を持つ深みのある黒色が特徴だ。
 大半のアイテムに取り入れられている泥染のほか、和歌山に唯一現存する吊り編み機を使ったスウェットなど、失われつつある日本の伝統技術にフォーカスを当てている。アイテムの価格帯は、オーガニックコットンシャツが2万4000円〜3万2000円、ワークトラウザーが3万2000円〜4万2000円、セーターが8万3000円〜11万円、半袖Tシャツが1万5000円〜1万8000円、スウェットシャツが2万3000円〜3万円、デニムジャケットが4万2000円、ニットキャップが1万2000円(すべて税別)など。
 今後は年2回(春夏・秋冬)のペースでコレクションを発表していく予定。今年6月には、公式ECサイトとともに京都・祇園に初の路面店オープンを控えている。


■Taiga Takahashi:公式インスタグラム
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