◆ 各球種を試しながら快投
オリックスは19日、宮崎県宮崎市のSOKKENスタジアムで紅白戦を実施。紅組の先発として登板した兼任コーチの能見篤史投手(41)は、予定の2イニングを無安打・3奪三振に封じるパーフェクトピッチングを披露した。
初回、20歳の太田椋をフォークボールで見逃し三振に仕留めるなど幸先よく3人で片付けると、2回は先頭のT−岡田も空振りの三振に斬り、そのまま三者凡退。登板前に「打者の反応が見たいのでいろいろなボールを試したい」と語っていた通り、ストレートのほかにフォークやチェンジアップ、シュートなど、ほぼ全球種を試しながらの25球。圧巻のパフォーマンスだった。
打席に立ったT−岡田は「空振りした球は動いた。トライ(=捕手の伏見)に聞いたら直球と言うけど」と首を傾げ、その伏見寅威は「フォーク、チェンジアップはめちゃめちゃ良いボール。球速ももっと上がってくるはず」と今後のさらなる良化に期待を寄せる。
阪神を退団となり、新天地で迎えた17年目の“初登板”。41歳の左腕は「(打者が抱く)イメージを逆手に取りたい」と語り、「どんなボールが嫌なのか、打者に聞いてみたい。何か気付きがあるはず。勉強です」と謙虚なコメント。
投手コーチ兼任という立場ではあるが、マウンドに登ればあくまでもひとりの投手として勝負。ベテラン左腕の新たな挑戦に、引き続き注目だ。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
◆ 能見篤史・プロフィール
ポジション:投手
投打:左投左打
生年月日:1979年5月28日(41歳)
身長・体重:180センチ・74キロ
出身地:兵庫県
球歴:鳥取城北高−大阪ガス−阪神(04年・自由)−オリックス
[昨季成績] 34試(24.2回) 1勝0敗1セーブ・4ホールド 防4.74
[通算成績] 443試(1717.0回) 104勝93敗2セーブ・51ホールド 防3.34