◆ 2年目の戦い、再始動…
新型コロナウイルスの陽性判定を受け、自宅待機を強いられていたオリックスのタイラー・ヒギンス投手(29)が20日、チームの宮崎キャンプに合流。ベテランや新人選手らによるB組のアップに参加し、汗を流した。
ヒギンスはアメリカ出身、29歳のリリーフ右腕。昨季からオリックスに加入すると、開幕こそ二軍で迎えながら、シーズン途中から一軍に定着。7月は11試合に登板して防御率0.82と圧巻の投球を披露するなど、一気にブルペンの中心的な存在へと飛躍を遂げた。
終わってみれば、1年目から41試合の登板で3勝3敗19ホールド、防御率2.40という好成績。年明けには契約の継続も発表され、ファンからも歓声があがっていたほど。
それから1月17日に来日し、入国後は2週間の自宅待機を経て、2月7日から大阪市内の球団施設でC組のキャンプに参加をしていたが、9日に舞洲の施設で受けたPCR検査で「陽性」の判定が…。アメリカからの出国直前と来日時の検査ではいずれも陰性で、本人も平熱で異常は見られなかったことから、保健所の指導によって再びの自宅待機を命じられていた。
その後、2度の検査で陰性と判定を受け、19日に宮崎へと移動。現在のコンディションについては、「体調も良く、想像していたよりも動けた。それより、チームメイトと再会できたことが嬉しい」とのこと。
気になる仕上がり状態についても、「練習試合で投げられるのが100としたら、(陽性判定前は)75%まで来ていた。今の状況を答えるのは難しいが、トレーニング期間はあるので、徐々に上げていけば開幕に間に合うかな」と、頼もしいコメントも残した。
昨季抑えも務めた増井浩俊やブランドン・ディクソンに先発転向のプランもあがり、さらにアメリカから平野佳寿が復帰と、顔ぶれが大きく変わってきそうなオリックスのブルペン陣。
1年目で信頼を勝ち取ったヒギンスが新たに任される役割にも注目が集まるが、「監督が行けというなら、3回でも5回でも7回でも、関係なく自分のパフォーマンスを発揮するだけ」と、本人はどんな場面でもフォア・ザ・チームに徹することを強調。
思わぬ小休止はあったが、頼れる助っ人はすでに“2年目の開幕”を見据えている。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)
◆ タイラー・ヒギンス
ポジション:投手
投打:右投右打
生年月日:1991年4月22日(29歳)
身長・体重:190センチ・97キロ
出身地:アメリカ
球歴:ランシング・コミュニティ大−3A・エルパソ−オリックス
[昨季成績] 41試(41.1回) 3勝3敗19ホールド 防2.40