2021年最大の注目を集める楽天・田中将大を攻略するのは!?

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2021年02月23日 07:41  ベースボールキング

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笑顔で守備練習する楽天の則本(左)と田中将=金武
◆ 田中将大2013年パ・リーグ球団別対戦成績

 今季、球界でもっとも注目を集める選手といえば、田中将大投手(楽天)だろう。2月20日に行われた日本ハムとの練習試合での復帰後初登板も大きく報じられたばかりだ。

 昨季はリーグ4位に終わった楽天だが、今季は楽天の上位進出を予想する野球評論家やメディアも少なくない。もちろん、その予想の根拠となるのは田中の存在である。逆にいえば、ライバル球団にとってはいかに田中を打ち崩すかが今季の大きな課題となる。田中の渡米前最後のシーズンとなった2013年には、どの球団も田中を打ち崩せず、完璧に封じられてしまった。

 2013年シーズンのパ・リーグにおける田中の球団別対戦成績を振り返ってみる。

▼ 田中将大2013年パ球団別対戦成績
オリックス :被打率.262 防御率1.58 5勝0敗
ソフトバンク:被打率.250 防御率1.71 2勝0敗
ロッテ :被打率.220 防御率0.75 3勝0敗
日本ハム :被打率.196 防御率1.29 8勝0敗
西 武 :被打率.167 防御率0.56 2勝0敗1S


◆ 強敵はやはりソフトバンク?

 田中に対してもっとも高い打率を残したのはオリックスだったが、当時の田中と相性が良かった糸井嘉男(打率.429/14打数6安打)、坂口智隆(打率.357/14打数5安打)はセ・リーグ球団に移籍している。田中がメジャーに居た間に新たな戦力が台頭しているが、近年のチームの低迷ぶりを思えば、田中を攻略するのは簡単ではないだろう。

 オリックスに続く打率を残しているのがソフトバンクだ。対ソフトバンクの防御率は「1.71」と、普通に考えればとんでもない数字だが、田中にとっては13年のワースト。選手個人を見れば、打席数こそ多くはないものの、柳田悠岐と中村晃という現在のバリバリの主力がともに.500(6打数3安打)という高打率を残している。4年連続で日本一となったソフトバンクは、田中にとっても強敵となりそうだ。

 また、田中攻略のひとつの鍵となるのが球数ではないだろうか。2013年シーズンを24歳で迎えた田中も今は32歳。2013年には1試合の球数が120球や130球を超えることも多かったが、近年の球界においては当時より球数を抑える傾向が強まっていることに加え、チームの戦力も整備されており、2013年のような投球数になることは考えにくい。2013年には先発した27試合で平均7.81イニングだった田中の投球回も、今季はそこまで伸びないだろう。

 あれから8年、様々な状況が異なっているとはいえ、田中の存在感が脅威になることは変わりない。いかに田中から球数を稼ぎ、なるべく早い回で降板させるか。田中に直接黒星をつけることはできなかったとしても、田中の先発試合でライバル球団が勝利を挙げるには、そういった戦い方も必要になってきそうだ。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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