室井佑月「税金にたかるな」

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2021年02月25日 07:00  AERA dot.

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写真室井佑月・作家
室井佑月・作家
 作家の室井佑月氏が、森喜朗会長辞任、菅首相長男の接待問題に言及する。

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 2月11日配信の「THE PAGE」の「五輪放映権を持つ米NBCが森会長の辞任を要求する意見記事『彼は去らねばならない』」という記事で知った。東京五輪・パラリンピックの開催費は今、約3兆1400億円になろうとしている、と。米NBCの記事の抜粋として、そう書かれていたのだ。

 招致した当初は7千億円くらいでやるコンパクト五輪といっていたのに、いったいいつ、どうして、こんなに費用が膨らんだんだろうか。

 東京五輪・パラリンピックがほんとうにあたしたちのためのイベントであるとしたら、開催費について、日本のメディアは正しく伝えてこなくてはいけなかった。

 3兆円超えといったらざっくり計算しても、東京五輪を開くために、4人家族で12万円ほどもかかるという計算になる。そういうことを、あたしたちにきちんと知らせてきたといえるだろうか。たとえ五輪のスポンサーであっても、だ。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を、森喜朗氏は女性蔑視発言で辞任すると表明した。彼は会長職は無報酬であることを誇らしげに語っていたが、2月15日の「NEWSポストセブン」の「『無報酬』と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金」という記事によれば、五輪で派生する受注先から、献金やらパーティー券で金を得ていたようだ。

 もちろん業者は、献金をしてもパーティー券を購入しても、それを上回る美味(おい)しい思いができたのだろう。その費用は税金で、請求は国民にくる。

 森氏の後任決めで右往左往している組織委員会は、実質その会が森氏のものであったといっているよう。3800人いる職員たち(2020年4月1日の「時事ドットコム」より)の中の何人が、実際に働いていたんだろうか。彼らはボランティアではない。

 それにしてもいつから日本は、一部の人間が好き勝手できる国になってしまったのだろうか。

 菅首相の長男は、「東北新社」という放送事業会社へ入社し、総務省の人間を接待し、「東北新社」は菅首相に献金する。その見返りか? CS放送業務を認定された。2月12日の毎日新聞によると、「2018年にCS放送業務として認定された12社16番組のうち、東北新社子会社の番組だけがハイビジョン未対応で認定された」という。どう考えてもおかしい話だろう。

 こんなことをつづけてると、この国はお先真っ暗だ。

 あたしたちが納めている大切な税金は、これからこの国が成長する分野に流れていかない。一部の人間が、自分の身内や仲間に流し、その中抜きをしているだけである。子や孫の幸せが見えない。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年3月5日号

このニュースに関するつぶやき

  • ネトウヨ達に嫌われるという事は。室井さんは常識の有る、真面目に政治を見ている人だという証やなあ。
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  • アエラさんよ、いつまでも同じ写真使うな!現在はこれ https://is.gd/xQ07bL
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