巨人の規格外ルーキー「秋広優人」は大成するか? 開幕1軍入りした高卒新人のその後

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2021年02月25日 18:35  AERA dot.

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写真巨人からドラフト指名を受けて笑顔を見せる二松学舎大付時代の秋広優人選手(中央)(C)朝日新聞社
巨人からドラフト指名を受けて笑顔を見せる二松学舎大付時代の秋広優人選手(中央)(C)朝日新聞社
 巨人の身長2mルーキー・秋広優人内野手(18)がキャンプで存在感を発揮し、開幕1軍入りや、球団では王貞治氏以来となる高卒新人の開幕スタメンまで期待する声が出ている。ただ、プロ野球界の過去を振り返ると、高卒ルーキーで開幕1軍を掴んだ野手で、その後、大きく飛躍を遂げた選手もいれば、逆に伸び悩んでいる選手もいる。

【写真】開幕一軍入りした高卒ルーキーで最も大成したのはこの選手!

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 二松学舎大付高(東京)からドラフト5位で巨人入りした秋広。2月8、11日の紅白戦2試合で5安打を放ち注目された。

 23日に行われたヤクルトとの練習試合に8番打者でスタメン出場すると、4回の第2打席、外角寄りの直球を逆らわずに左中間にはじき返し二塁打。続く第3打席でも、高めの直球を捉えて中越えのタイムリー二塁打を放った。

 元巨人選手は秋広の魅力をこう捉える。

「ツボにはまった時の打球の飛距離はまさに規格外。まだキャンプの時期で調整段階の投手もいるとはいえ、プロのストレートに振り負けないスイングの速さ、強さがあります。ただ、もっと注目しているのは、無駄な力みを感じさせない身体の動きです。ボールに逆らわず、広角に打ち分けるしなやかさがある。振りの強さとしなやかさを併せ持つのは、天性のものでしょう。周囲が開幕1軍入りを期待するのも、うなずけます」

 ただ、こうも付け加える。

「巨人は他球団以上に、即結果を出さないと許されない空気があるので、大きく育てるなら、例えオープン戦で結果を残せたとしても、まずは下(2軍)がいいんじゃないか。秋広君は謙虚な性格のようだけど、いきなり騒がれるとどこかで浮かれたり、自分を見失ってしまう可能性もありますからね」

 秋広がどうなるかは今後のオープン戦次第と言えそうだが、過去にも高卒ルーキーで開幕1軍を勝ち取った野手たちがいる。

 彼らはその後どうなったのか。2000年以降、高卒で開幕1軍入りした野手は以下の通り(☆はすでに引退した選手)。

2019年
藤原恭大(ロッテ・外野手) 小園海斗(広島・内野手)
2016年
オコエ瑠偉(楽天・外野手)
2013年
大谷翔平(日本ハム・投手と外野手) 
2012年
高橋周平(中日・内野手)
2011年
後藤駿太(オリックス・外野手)
2006年
炭谷銀仁朗(西武・捕手)
2001年
内川聖一(横浜・内野手)
2000年
☆田中一徳(横浜・外野手) 

 全員がドラフト1位指名を受けている(炭谷はドラフトの制度が現在と違い、高校生だけを対象としたドラフトでの一巡目指名)。高校時代から名をはせ、将来の中心選手と期待された逸材ばかりである。

 横浜、ソフトバンクと渡り歩き通算2000本安打を放った内川(現ヤクルト)、海を渡り二刀流で活躍する大谷の活躍は言うまでもない。

 その一方で、一年目から一軍出場の機会を得ながら、期待値からすると「短命」に終わったのは田中だ。

 1998年夏の甲子園で怪物・松坂大輔を擁する横浜と伝説の死闘を繰り広げたPL学園。2年生ながらそのPLでレギュラーを張り、松坂から4安打を放った田中。50mを5秒6(手動計時)で走る抜群の俊足を武器に一年目から1軍出場を果たしたが、7シーズンで戦力外。レギュラーにはなれず、盗塁もわずか15に終わった。

 全国紙のスポーツ担当記者は語る。

「田中は話題性もあり、1、2番打者として大成を期待されていました。ただ、打撃が非力な上、最大の武器である足も盗塁技術に難があって、成功率が5割程度と、あまりに低すぎました。特に03年に就任した山下(大輔)監督からは評価を得られず、その後は徐々に出場機会を失い、本人のモチベーションも下がっていきました。中途半端に1軍で起用せず、最初から下で徹底的に鍛えていたらどうだったのか。堅実な守備と、球団でもトップクラスのスピードを生かしきれなかった、惜しい選手だったと思います」

 現役選手で伸び悩んでいる若手、あるいは結果を残せないままベテランの域に入りつつあるのはオコエ、後藤の2人だ。

 抜群の身体能力を持つオコエは一年目から1軍で起用されたが、その後3年間は目立った成長がなく、昨年はプロ入りして初めて、1軍出場がなかった。石井一久監督からも野球に取り組む姿勢の甘さを指摘され、「自己評価が少し高い」と苦言を呈される始末だ。

 強肩が武器で、入団一年目の開幕戦に「9番・ライト」でスタメン出場した後藤は、毎シーズン1軍出場はしているものの課題の打撃が成長せず、規定打席に達したシーズンが一度もない。昨年はわずか6安打に終わっている。炭谷は、高卒の新人捕手として球界で51年ぶりとなる開幕スタメン出場を果たした。その数日後のソフトバンク戦で「松井秀喜氏以来となる高卒新人の1試合2本塁打」を放つなど話題をさらい、その後も長く西武の主力捕手として活躍したが、森友哉の台頭で出場機会が減って18年オフに巨人に移籍。巨人で正捕手の座を狙ったものの、今は他の捕手と併用される日々だ。

「デビュー当時の炭谷を考えると、もっともっとすごいスター選手になるという期待感がありましたが、打撃がいまひとつで『いぶし銀』の選手になってしまった印象です。もうひと花咲かすことができるかどうか。後藤は年齢的にも、まさに正念場の1年になるでしょう。オコエもいよいよ立場が危うく、どこまで球団が我慢できるか。期待の若手という時期はもう過ぎつつあります」(前出の記者)

 プロ野球選手としてのスタートがどれだけ華々しくとも、その先の厳しい生存競争を勝ち抜いていかなければならないのだ。(AERAdot.編集部)

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  • 執拗なインハイ攻め解禁されてへんねんやろ?まだまだよ。こんだけの長身、モヤへの攻めかたがまずは有効なんちゃうかな。モヤはもう対応してるけどさ https://mixi.at/a3DImC1
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