逢田梨香子、今しかできない”遊び”を詰め込んだ2nd EP「フィクション」リリース

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2021年02月26日 16:21  マイナビニュース

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●想像以上の楽しさを感じている音楽活動で、取り組んだ新たな挑戦
ソロアーティストとしてのデビューから1年半あまり。昨年3月発表のアルバム『Curtain raise』を引っさげて現在1stツアーも開催中の声優・逢田梨香子が2nd EP「フィクション」をリリース。

前述のアルバムから約11ヶ月ぶりとなる同作には、自身もリコ役として出演中のTVアニメ『装甲娘戦機』OPテーマ「Dream hopper」を含む4曲の新曲を収録している。いずれも異なる個性をもったそれぞれの楽曲で、逢田が目指したものとは。今回インタビューが到着した。

○●サビでの急展開で、装甲娘たちのオン・オフを見事に表現した「Dream hopper」

――現在、昨年末からの1stツアーを開催中です。お客さんを前にワンマンライブを開催された感覚というのは、どのようなものですか?

とにかく、ありがたみをすごく感じましたね。オンラインライブなどには出演していたんですけど、今まで当たり前だった”ファンの皆さんを直接目の前にしたライブ”が、いかにありがたいことなのかというのを身にしみて感じました。あと、音楽活動を想像以上に楽しく感じられるようになりまして。始めた頃は正直自信もなかったんですけど、そう感じられるようになったのも、ファンの皆さんのおかげだと思っています。

――2nd EP「フィクション」は、収録される4曲とも全く色が違うものになりました。

今回は元々”4曲入りのEP”と決まっていたので、「遊ぶなら、このタイミングなのかな?」と思って「今まで歌ったことのないいろんな楽曲に挑戦したいです」とお話ししまして。曲ごとに、テーマ出しから関わらせていただきました。

――EP自体も各曲のテーマも、逢田さん発信なんですね。

はい。今回は、あえて統一性がなくてもいいんじゃないかと思っていて。4曲とも世界観はバラバラなんですけど、それを「フィクション」というタイトルでひとつにまとめた……というイメージです。

――どれも個性の強い曲ばかりですが、まずM1「Dream hopper」のサビでの展開から度肝を抜かれました。

私も、自分の楽曲だけではなく今まで私が聴いてきた音楽全体を通してもあまり出会ったことのないタイプの曲だったので、何度か繰り返し聴いてやっと全体像を理解できたんです。コロコロ印象も変わりますし、サビのグリッサンドをきっかけに、一気にジェットコースターが上り下りするようなイメージがありました。

――どういう曲を目指して、楽曲制作が進んでいったのでしょうか?

「Dream hopper」は『装甲娘戦機』のOPテーマなので、基本的にはアニメサイドの皆様に委ねていました。なので初めて聴いたときには、全く予想していなかったタイプの曲にすごく意表を突かれた感じもしたんですけど、私、予想していないものが来ることにすごく楽しさを感じるんですよ。自分自身も予想通りに動くのがあまり好きではない派なので(笑)、すごくワクワクしました。

――ちなみに『装甲娘戦機』という作品には、どういう印象をお持ちですか?

最初は単純にバトル系の作品だという印象だったんですけど、割とほのぼのした日常シーンも多くて。そういうどこにでもいるような女の子のような装甲娘のみんなの姿を見られるシーンと戦闘モードのシーンのギャップが、すごくかっこいいんです。

――そのギャップは、この曲やOP映像でも表現されているように感じます。

そうですね。サビになると一気に疾走感が出てかっこよく変化するので、曲中で彼女たちのオン・オフもしっかり描かれているように感じました。

――歌ううえでは、どんな点を意識されましたか?

メロディはすごくかわいくてポップなんですけど、歌では力強く前に進んでいくという意志の強さも出したかったんです。場面ごとに曲調やリズムも変わる曲というのもあって、その匙加減を見つけるまでは大変でしたね。

――「こうだ!」というものを掴むまでが。

そうなんです。私自身が気持ちに左右されてしまいがちなのものあって、「これ!」という明確な答えが見えないと、迷ってしまって自信を持ってできないんですよ。逆に、それを見つけられて軌道に乗れてからは、勢いに乗って行けたように思っています。

――また、この曲はMVもインパクトの強いシーンの多いものになっています。

今回は団地で撮影したんですけど、団地のような”見慣れた景色”の中で日常感のない5人組がポップで奇抜な服を着て遊んでいる姿ってすごくアンバランスですし、とてもシュールなんですよ。しかも、シーンによって真顔のときもあれば笑顔のときもあるので、「この5人、どういう関係なんだろう?」って思っちゃうような不思議さも感じられる、ひとクセあるMVになっているんじゃないでしょうか?

――終盤では、コインランドリーでダンスされていました。

あそこは本当に普通のコインランドリーなんですけど、「5人だけでダンスパーティーしているような雰囲気にしたいね」と監督がおっしゃって、よりオシャレにカスタマイズしていただいたんです。

――そこでの結末も、衝撃的で……。

そうなんです(笑)。曲のタイトルの中の”hopper”にちなんで、実はバッタだったという……ある意味それも、「フィクション」ですよね。
○●タイトルチューンは、EPのビジュアルイメージ通りのかっこよさ際立つ曲に

――続くM2「フィクション」では、逢田さんが作詞を手掛けられました。

この曲は、最初にEPのタイトルが決まってから、同じタイトルの曲を入れたいなと思ったのがスタートでした。それで歌詞の構想を先に練りつつ、「大人っぽく歌える雰囲気のブラスを使った曲」という大まかなイメージをお伝えして、曲を作っていただいたんです。そうしたら、想像以上にかっこよく仕上げていただけて。この曲単体でも勝負できそうなぐらい存在感のある、個性の強い曲になりました。

――夜の街のイメージが非常に強い曲ですね。

曲からは基本的にずっと夜のイメージが湧きまして。ちょっとアンダーグラウンドで寂れた、ショーをやっているようなステージが浮かびました。

――その楽曲に、その後歌詞を乗せていかれたわけですが。

実は、最初の構想からタイトルだけそのままにして中身を入れ替えたり歌詞を書き直したりしていたんですよ。一度書いてしまった分、そのイメージがついてしまっているので、その歌詞を上書きするような作業のためにちょっと忘れる期間を設けたりもして……それぐらい壁にぶち当たった曲だったので、レコーディングし終わったときには今までにないくらいホッとしました(笑)。

――歌う際には、どんなところにポイントを置かれましたか?

曲自体に、殴りかかってくるようなパンチの強さがあるように感じていたので(笑)、逆にそれを跳ね返すぐらいの「とにかく曲に負けない」という気持ちで向き合っていったところです。でも実際には、今まではゆったりした曲が多かったのもあって結構苦戦しまして。リズムもテンポも速い曲なので……歴代3位ぐらいに入るぐらいの大変さはありました。自分でリクエストしたので、自分の責任なんですけどね(笑)。ただ、ジャケットやアー写のイメージはこの曲のものに近いので、歌声でもそれとリンクするようなかっこよさを出せていたらと思います。

●「ファンをあっと驚かせるのが大好き」な彼女が、次に挑戦したいこととは
○●かわいさも美しさも、”逢田梨香子の色”を持たせて表現

――かと思えば、M3「退屈が大好き」ではオシャレなサウンドから少し飄々とした歌声まで、またガラリと雰囲気の違う曲になっています。

この曲も、また今までにやったことのないようなもののひとつとして、ウィスパーボイスで歌うようなかわいい雰囲気の楽曲を目指しまして。「やくしまるえつこさんみたいな雰囲気の楽曲でお願いします」というリクエストをしました。そこをカジヒデキさんに拾い上げていただいて、ちょっとオシャレで懐かしさを感じる曲が生まれたんです。一周回って、逆に新しさも感じますよね。

――ただ、そういった楽曲だと歌う際の力の入れ具合は、従来とかなり変わりそうですね。

はい。逆に”抜いて歌う”というのが、すごく難しくて。かわいい曲なんですけどそのままかわいく歌うのではなく、ちょっとけだるそうで毒っ気のある感じで歌っていきました。

――となると、起伏をつけるのも難しいのでは?

そうなんです。あえて感情を乗せないようにぶっきらぼうな感じにして、あまりあざとくなりすぎないように歌おうとなったんですけど、完全に無感情だと今度は聴いていて面白くなくなっちゃうじゃないですか?なので部分部分で、「ここはちょっと語尾をかわいく」みたいに調整しながら、形にしていきました。

――完成後、御自身で聴いてお気に入りのポイントは増えましたか?

レコーディング中はあまりにも新境地の楽曲すぎて、最終形態が全然想像がつかなかったんですよ。なので完成してから聴いたときに初めて、「思ったよりもまとまりのある曲になっていたな」と感じました。

――こういった曲だと、ライブでの演出がどうなるのかも楽しみです。

いやー、そうですね!全く想像つかない……何でもできる気がしますし、どんな演出でも意表を突く感じになりそう(笑)。私の中では、オープンカーで海辺を走っているようなイメージのある曲なので、そういう演出ができたら面白いなぁと思っています。

――そしてラストを飾るM4「花筵」は、美しいバラードになりました。

まず“花筵”をテーマにした、このEPのエンドロール的な曲を作りたいというイメージがありまして。なので、だんだんだんだん曲が盛り上がっていって、最後少し余韻が残るような終わり方の楽曲をお願いしました。

――この曲でも、逢田さんが作詞を担当されています。

最初から、曲名になぞらえて桜の花が散っている情景だったりと、自然的な風景や景色を描きたいなと思っていました。でも、アレンジも加わった状態の曲を何度も聴くうちに、それよりもう少し馴染みのある言葉を入れたくなってきて。そこからは選ぶ言葉が、少し身近なものになっていきました。

――そうやって紡ぐことで、手紙のような歌詞に仕上がっています。

はい。過去のことを思い出しながら想いを綴っている主人公が、いろんなことを経験して少しずつ大人になっていって、ひとりで歩き出すという……少しありきたりなストーリーかもしれないですけど、一本の映画のような雰囲気を出したかったんです。

――楽曲に目を向けると、メロディのキーが若干低めな点も印象的でした。

それも実は自分の曲の中では珍しい部類なので、曲の盛り上がりなどを考えると「これで成立するのかな?」という不安もあったんです。でも、低音部分でいかに表現するかを突き詰めるのもいい挑戦になるように思いましたし、逆にサビでは少し感情的になって気持ちを伝えるようなイメージで歌ったりと、場所ごとに様々なことを意識して歌いました。

――あと、序盤で使っていたフレーズを終盤で回収してくるところに「やられた!」と思いまして。

わー、ありがとうございます(笑)。どれだけ成長して大人になっても、結局戻る場所は心の中にある……というイメージから、あえて最後は1行目と似たような文で締めくくりました。でも、歌い出しでは受け身だった主人公が、最後の行では自分から相手にアクションを起こしているんですよ。そういう部分からも、主人公の変化を感じていただけたら嬉しいです。
○●4曲での”修行”を経て、さらなる新たな挑戦へ

――ちなみに、御自身の作詞曲はこれで4曲になります。作品を重ねられるなかで、できるようになってきたと感じていることはありますか?

言葉のハメ方や、比喩を交えた表現ですね。私、割と思ったままを歌詞にしてしまいがちなんですけど、そうじゃなくて何かに例えて感情を表現するというところにも作詞の楽しさを感じるようになってきたんです。

――そういう部分は、今回の2曲でも意識しましたか?

はい。自分の感情を優先というよりも、情景を思い浮かべてほしくて。その情景を交えたうえで、自分の感情を込められるように書いていきました。

――お話を聞いていると、今回のEPはなんだか修行の1枚のようにも見えてきました。しかも、曲ごとに挑戦されたポイントは違っていて。

あはは(笑)。そうかもしれないですね……今までの曲ももちろん素敵なんですけど、私、「また新しいことやりたいな」と思いがちで。皆さんをあっと驚かせることがすごく好きなんですよ。逆に、みんなの予想の範疇のことだけをやっていくのはすごくつまらないなと思っているので……。

――ということは、また新しくやりたいことも湧いてきたり?

そうですね……かっこいいロック調の曲は、いつかやってみたいです。それも、結構ギターが目立つような曲で……基本的に私はバラードが好きなほうなので、ロックバラードってかっこいいなぁと思うんですよ。そこに逢田梨香子らしさも入ったような曲を、歌えたらいいなぁ……。ただ、先日スタッフさんと「次、どういう曲にする?」という話をしたときには全然想像がつかなかったんですけど(笑)。

――それはきっと、ひとつのことだけをやっていなかったからかもしれませんね。

そうですね。なのでファンの皆さんには、アルバムを経て今回この4曲を受け取っていただいたうえで、「これからどんな曲を聴けるんだろう?」とワクワクしながら待っていていただけたら嬉しいです。

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