乾杯後に熱いキス&ハイテンションになる人々 『DAU. ナターシャ』過激な宴シーン映像公開

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2021年02月26日 21:11  クランクイン!

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写真映画『DAU. ナターシャ』場面写真
映画『DAU. ナターシャ』場面写真
 旧ソ連のスターリン体制下で生きる人々を描き、第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した映画『DAU. ナターシャ』より、過激な“ソヴィエト式酒宴”シーンを収めた本編映像が解禁された。

【動画】過激な“ソヴィエト式酒宴”にあ然 『DAU. ナターシャ』本編映像

 本作は、ロシアの奇才イリヤ・フルジャノフスキーによる「ソ連全体主義」の社会を完全に再現する“前代未聞のプロジェクト”から創出された映画化第一弾。ソ連の秘密研究都市にあるカフェで働くウェイトレス、ナターシャの目を通し、独裁の圧制のもとでたくましく生きる人々と、美しくもわい雑なソ連の秘密研究都市の様子を描く。そして、当時の政権や権力がいかに人々を抑圧し、統制したのか、その実態と構造をつまびらかにし、その圧倒的な力にほんろうされる人間の姿を生々しく捉えていく。

 スターリン体制下の1952年。秘密研究施設にある生化学研究所では、研究者達がとある実験に挑み、苦労の末に成功する。その夜遅く、彼らが常連として利用するカフェで働く主人公ナターシャの同僚であるオーリャは、彼らのために自宅でささやかなパーティーを開く。各人がスピーチするたびに皆で杯を空けるソ連式乾杯が続く中、ナターシャも遅れて到着。実験のためにフランスから招かれていた高名な科学者リュックとナターシャの間には、お酒の力もあってロマンスの気配が芽生えていた。
 
 今回解禁されたのは、そのパーティーでお酒がどんどん入る中、参加者達が異様なテンションになってきた様子を捉えた本編映像。リュックとナターシャは乾杯の後に熱いキスを交わし、ほかの参加者たちはカップル誕生をハイテンションに祝う。次々に交わされる杯、テーブルに上がる人々、魚の干物をおもちゃのように放り投げてはしゃぐ人々。この怪しい宴は一体どこに向かおうとしているのか。

 本作の撮影場所は、かつてはソ連の重要な知性・創造性の中心地で、フルジャノフスキー監督が「最もソヴィエト的な都市」であると考えたウクライナの大都市ハリコフ。欧州最大のセットが作られたこの場所に集まったキャストたちは、自身の経歴をもとにキャスティングされており、リュックを演じるリュック・ビジェは実際に酸素学を専門とする生化学者だ。研究者達は撮影の有無に関わらず与えられた役割を担い続け、実際に研究テーマを巡って派閥まで生まれたという。

 そして、ナターシャを演じるナターリヤ・ベレジナヤは、かつて料理人だった自身の経歴をもとに作られた“ナターシャ”というキャラクターとして、決められた勤務時間の間は舞台となるカフェで、プロジェクトに関わるスタッフを含む全員に食事を提供していた。そんな風に、キャラクターと演じる本人が地続きであったため、撮影の多くは即興により行われたという。

 フルジャノフスキー監督は「『DAU』プロジェクトでは濃密な人間関係の一部が描かれ、人々の親密な出会いのシーンがたくさんあります。ソヴィエト連邦の人々がそうだったように、研究所の人々はたくさん酒を飲みます。アルコールとセックスは、当時の彼らが自由を感じる唯一の方法でした。いまの若い世代はもうほとんど飲まずに、ヨガをしますが(笑)。『DAU』の研究所は、キャンプとディオニューシア祭(神ディオニューソスを祝して古代アテナイで催された大祭)を混ぜたものなんです。それは当時の圧制下のソ連での生活と多くの関係がありました」と語っている。

 果たして、本編映像で描かれる怪しい宴は、事前に準備のうえ撮られたものなのか。それとも、撮影を通じこの時代にタイムスリップした生活を送っていたキャストたち自身が、お酒を通じてつかの間の自由を謳歌する姿をありのままに捉えたものなのか。観る者の想像力を掻き立てる、謎に満ちた場面となっている。

 なお本作は、公開初日となる2月27日、渋谷・シアター・イメージフォーラムにて16時30分の回上映終了後に、フルジャノフスキー監督のオンライン中継登壇が行われることが決定している。

 映画『DAU. ナターシャ』は2月27日より全国公開。
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