写真![]() 人並に恋心を抱いた娘に過酷な指令が下る |
殺し屋に育てられた少女が、初めて人を好きになった――。人並の感情を知って戸惑う乙女心を描いた漫画が、いろんな意味でハラハラドキドキさせてきます。作者は漫画家の屋乃啓人さん。
「私の娘としてどこに出しても恥ずかしくないように」という教育方針の下、3歳のうちから野うさぎを殺すなどの試練を与えられてきた主人公。学校で友達と遊んで恋をするといった、普通の暮らしは諦めたまま成長してきました。
そんな彼女も、町中で転びかけたところを同じ年頃の好青年に助けられ、一瞬で恋に落ちました。一度は諦めた「普通」に心を大きく動かされながらも、「私にそんな資格……あるのかな」と思い悩みます。
娘の気持ちをよそに、最終試練を言い渡す父親。課せられたミッションは初めての殺人、ターゲットはある政治家の御曹司――よりによって、主人公が初恋をしたあの青年でした。あまりにも過酷な運命に顔を曇らせる娘へ、「色仕掛けで誘い込むんだ」「幸福の絶頂に浸らせて殺せ」と、父親は細かく指示を出します。
ところが、最後に告げた目標は「老いて病に伏したターゲットの手を最後まで握れ」。指定された殺しの手段は、まさかの「結婚して死別するまで相手を見届ける」なのでした。つまり好きな男と末永く幸せに暮らせってことだよ、言わせんな恥ずかしい。
ホッとする結末に、リプライでは「こういう優しい結末で良いんだよ……!」などと安堵(あんど)の声が。「2ページ目でお父さん既に娘の気持ちに気付いてたんだな」「ウサギを殺すのはシチューの具を調達する花嫁修業だった?」など、読み返してあらためて感心する人もみられます。
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