働きやすさを優先しての異動希望、自分の"受け身"な選択にモヤモヤ

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2021年02月28日 10:51  マイナビニュース

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●今回のモヤモヤ「復職後の異動希望、働きやすさを優先した"受け身"な選択で本当にいいの?」
連載「ワーママのモヤモヤ整理します」は、託児付きランチサービス「ここるく」の経営者で、育休復帰・働き方改革のコンサルティングも手掛ける山下真実さんが、ワーママが抱えるモヤモヤに寄り添い、気持ちを整理していく企画です。

13回目となるモヤモヤ整理の相談者は、百貨店で販売職をしているくみこさん(42歳)。現在、2人目のお子さんの育休中で、春からは今まで働いてきた部署とは違う、"働きやすい"職場での復帰を希望しています。今までやりたいことを優先して仕事をしてきたのに、そんな受け身な選択でいいのか、モヤモヤとした思いを抱えているそうです。
○今回の相談者さんのモヤモヤはこちら

くみこさん「1人目の出産後、時短勤務で復帰してみて感じたのは、職場でのコミュニケーションが取りづらくなったなぁということ。また、百貨店では夕方に仕事の山がくることが多く、そういう業務を同僚にお願いすることにも負い目を感じていました。オンラインでの販売を主とするデジタル部門であれば、そのような負い目を感じずに済むかなと思い、異動を希望しているのですが、どうも今の自分の選択をポジティブに捉えられません」

決してそんなことはなくても、"働きやすさ"を重視した選択は、「自分のキャリアを諦めた」「現実から逃げた」という風に捉えてしまいがちですよね。

でも本当は、そんな後ろ向きな気持ちで働きたくない……どうやってこのモヤモヤと向き合ったら良いでしょうか?

●山下さんからのアドバイスは……?
○山下さんからのアドバイスは……?

自らのパフォーマンスを意識して"働きやすさ"を求めるのは、むしろ能動的なアクション。限られた時間で自分がすべきこと、できることは何か、さらに追求を

山下さん: くみこさんって"アスリートタイプ"なんだなぁと思いました。自分のパフォーマンスをすごく意識されているんですよね。"販売職では仕事をまっとうできない"と感じるのは、"これくらいできるはず、やるべきだ"という自分なりの理想像が高くあるから。そしてその理想像に近づくため、もっとパフォーマンスを出したいと、もがいていらっしゃる印象です。

くみこさん: 確かに、"与えられた仕事をきちんとこなしたい"というのは、性格的にあると思います。大体これくらいでいいか、という気持ちで何かに取り組むことができないんです。1人目出産後の時短勤務のときも、それが原因で残業が増えてしまって……。

●負い目を感じる必要はない、"役割が違うだけ"と捉えよう
○負い目を感じる必要はない、"役割が違うだけ"と捉えよう

山下さん: くみこさんは、部署異動がかなってたとえ在宅勤務がしやすくなったり、時間の融通が利いたりしても、仕事で手を抜こうとするような方ではないと思います。

そして働きやすいとはいえ、新しい部署では、24時間オーダーを受けられる状態になっている、オンライン販売業務ならではの大変さ、求められる能力があるはずです。

くみこさん: 確かに、もし異動希望がかなったとしたら、そこでやるべきことがありますものね。負い目を感じている暇はないですね。

山下さん: 産前と同じように、産前と同じ仕事ができないことに負い目を感じてしまうのは、きっと責任感が強い方だから。でも負い目を感じる必要はなくて、部署や役割が変わったことで“自分の動かし方”が変わったと考えてみましょう。

与えられたポジション、稼働できる時間の中で、いかに力強い成果を出していくかにこだわって、自分をどう動かし活かせばよいのかを考えてみる。そこに情熱を燃やしていかれるのが、くみこさんがやりがいや幸せを実感して働き続けるための近道ではないでしょうか?

○山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。
米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

○比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。

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