ガンバ東口順昭、スーパーセーブ連発のナゼ。「自分の中で何かが変わった」

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2021年03月03日 11:22  webスポルティーバ

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ガンバ大阪
東口順昭インタビュー

 つかの間のオフを経て、ガンバ大阪のGK東口順昭は、いいコンディションで新シーズンを迎えたという。

「シーズンオフはどうしても運動量が低下するので、それに伴って食欲が減り、体重も減ってしまうことがほとんどなんです。でも今年は元日まで試合を戦っていてオフが短かったせいか、始動日に体重を測ったら、ちょっと増えていました。減らすことより、増やすほうが大変やから、ヨシヨシ、と(笑)。わずかに増えた体重は、動き出せばあっという間に元に戻ると考えても、いいコンディションで新シーズンを迎えられたなという感覚はあります」

 その元日に戦った5年ぶりの天皇杯決勝は0−1で敗れ、悔しさを募らせたままシーズンを終えた。その心には明確に2つの決意を宿していた。

「昨年はチームとして、リーグ戦も2位、天皇杯も準優勝と、あと一歩、タイトルに手が届かなかったので、今年はそれを獲りきること。また、個人的には昨年も獲れなかった『Jリーグベストイレブン』への意欲、覚悟をより強く持って戦っていきたい」

 思えば、昨シーズンの東口は「圧巻」と表現するにふさわしいパフォーマンスを示し続けた。チームの最後尾に立つゴールキーパーというポジションが、守備面での貢献のみならず、チームの"勝利"に大きな影響をもたらすと実感した試合は、1度や2度ではない。事実、そのパフォーマンスは毎週のように『DAZN週間スーパーセーブ』に選出された。

「個人的にも『出し切った』と感じられた部分も多く、自分のパフォーマンスがしっかりと確立されたという手応えもつかむことができました」

 その過程ではどういった積み上げをしてきたのか。好パフォーマンスを裏づける、どんな意識の変化やトレーニングの充実があったのか。本人に尋ねると、「そんな大層なことではないけど......」と前置きしたうえで、「もっとうまくなりたいという意欲」と「プレーも、考え方も無駄なところをそぎ落とす作業」という2つの言葉が続いた。

 後者が気になり、追いかけて尋ねてみる。やはり、確かな裏づけがあった。

「近年、『プレーや体、考え方の部分で、いらないものは削ぎ落とそう』と思っていろんなチャレンジをしてきたことが、昨年は一番、形になった気がしています。例えば、2018年のワールドカップ・ロシア大会の前後から、左右ではなく、前後のポジショニングをすごく意識するようになって......。シューターに対しての距離の詰め方、ミドルシュートに対しての距離の取り方などの試行錯誤を繰り返していたんです。

 といっても、その距離感ってあくまで感覚的なものだし、毎回、シチュエーションが変わるからこそ、つかむのは難しく......。それもあって、練習ではシューターとの距離をめちゃめちゃ詰めてみるとか、止まってみるとか、あえて距離をおいてみるとか、いろんなことを細かく試していました。

 ただ、練習ではできているなと実感していても、試合では思うようにいかなかったり、試合中は『いい感じ!』と手応えを感じていても、終わって映像を見返したら『あと20%くらいは詰められたな』と思うこともあったり......。なかなか『これだ!』というものをつかめなかった。

 でも昨年は、ようやく、自分の中でしっくりくるポジショニングを見つけられたというか。近年では一番『つかめた』と実感することが増え、それによってプレーの幅や、状況に応じたプレーの使い分けがうまくいくようになった。もっとも、これは『自分が思い切って前に出ていっても、周りがカバーに来てくれているから大丈夫』というような、連携面での信頼もあってのこと。

 そういう意味では、DFラインのポテンシャルやチームとしての守備の安定に助けてもらった部分も大いにありますが、そうやって少しずつ微調整をしながら、しっくりくるポジショニングを確立できたことで、自分の中で何かが変わった感じはありました」

 それでも「まだ足りない」と思うことは多々あるそうだ。「うまくなりたい」という欲も年々大きくなっているらしく、だからこそ、いろんなことを力に変えて、自身の成長を促している。

「昨年もそうですが、ガンバのGK陣の意識の高さとか、個性を追求する姿を見て、自分に補わなければいけないところ、変化すべきところを感じさせてもらうことはすごく多いです。また、今年は昨年以上のパフォーマンスをサポーターのみなさんにも期待してもらっているはずで......、そういった周りからの"目"もいい刺激になっている。

 この世界はプレッシャーがあって当たり前だし、ある意味、それが成長には欠かせない"栄養"になり、集中力や緊張感にもつながっていく。今年もそうやっていろんなことを刺激にしながら、よりパワーアップしていきたいと思っています」

 その先に見据える、日本代表でのレギュラー定着のためにも、チームとしての結果は不可欠だと考えている。

 2018年ロシアW杯も含め、近年はコンスタントに日本代表に選出されてきた東口だが、国際Aマッチへの出場試合数は10試合にも満たない。そのことを本人が悔しく思っていないはずはない。

「日本代表は当然、描き続けている場所だし、そのためにも、昨年のパフォーマンスは最低ラインだと考えています。もっと細かな無駄を省いて、楽にセービングができるようになりたいし、最初に話した『ベストイレブン』も目指したい。また、国内最高のGKという評価を得るには、チームとしての"タイトル"も不可欠だと思っています。

 この世界は結果がすべてで、やっぱり優勝したチームの選手が評価される。そう考えても、やはり自分のパフォーマンスをチームの結果に直結させていくことが大事だし、だからこそチームを勝たせられる、優勝させられるゴールキーパーになっていきたい」

 その覚悟のもとに臨んだ、2月20日のFUJI XEROX SUPER CUP。守護神として先発のピッチに立った彼は、シーズン最初の公式戦とは思えないほど、序盤から高い集中力を示し、好セーブを連発した。

 残念ながら、アディショナルタイムに決勝ゴールを許し、"タイトル"には一歩、及ばなかったものの、まさに冒頭に記した2つの決意が漲(みなぎ)るハイパフォーマンス。確実に進化の予感を漂わせ、東口順昭のプロ13年目のシーズンが幕を開けた。

東口順昭(ひがしぐち・まさあき)
1986年5月12日生まれ。大阪府出身。2009年に新潟経営大を卒業し、アルビレックス新潟入り。2年目に飛躍を果たし、2014年にガンバ大阪へ完全移籍。以降、安定した守りを見せて不動の地位を築く。日本代表にもコンスタントに招集され、2018年ロシアW杯メンバー入り。今後のさらなる活躍が見込まれる。

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