金属ネジが刺さっているように見える鉛筆の芯の彫刻がTwitterに投稿され、目にした人を驚かせている。
「やや丸みを帯びた頭部に十字の溝、らせん状のネジ山、金属特有の光沢」――金属ネジが、鉛筆にねじ込まれているように見える。“ちょっと特殊な状態”に見えるだろうが、それはネジが本物に見えているから。完成度が高すぎてかえって分かりづらいが、ネジが鉛筆から削り出した芯の彫刻だということに気付くと息をのんで見入ってしまう。使っているのは、硬筆書写用鉛筆で、剥ぎ出した芯からネジの頭部を作り、ネジ山の山と谷をらせん状に成形している。芯径はわずか4mmしかない。デザインナイフ、カッター、ヤスリ、針、マイナスドライバーを駆使した繊細な作業となる。
完成までに「3度くらい」は芯が折れて作り直したという。心までも折れてしまいそうな苦労の末にこのネジを作り上げたのは、鉛筆彫刻人のシロイさん。ネジ山の成形は、それほど「折れやすい作業」だという。ネジ山の山を作るには高さが必要だが、そうすると谷となる「中心部は自然と細く」なっていく。さらに、らせん状であるため、鉛筆を回転させながらの難しい作業。「どこまで細くなっているかの感覚」が掴みづらいため、折れないよう注意しながら仕上げた。ネジをよく観察して本物に近づけながら制作を行い、トータルで5時間ほどで完成させたとのこと。
このネジの鉛筆彫刻には、すっかり脳が混乱してしまった人からの「意味わからんかった だって…これ ネジよ 本物のネジ」「ネジにしか見えない!!」といった声が殺到。「細かな部分まで磨いてるところが凄いです!!彫った後に磨く度胸」「機械系から言わせると頭径がねじに対して小さいからM3くらいかなーと真剣に思うほど精巧。特にトラス頭の形状は完璧!」といった声も寄せられ、大きな反響となっている。
これまでもシロイさんは、繊細な作品で目にした人を驚かせている。40個もの四角い輪を繋げた「ペンシル・チェーン40」、AからZまでのアルファベットを全て繋げた「AtoZ」、細部まで精巧に再現した「東京スカイツリー」など、多くの作品をシロイさんのTwitterなどでは楽しむことができる。
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