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新型コロナにより、生活の中で大きな変化が求められた昨年。心身共に、何かと負担の大きな日々を過ごすことになった人も多いでしょう。
洗濯物は干さない、畳まない!「投げ込み収納」が楽すぎた&便利商品そんな生活に慣れることもないまま、時折感じずにはいられない、ちょっとした体調不良。これ、放っておいたままにしていませんか?
気が付けば大病……なんてことにならないために、その“なんとなく不調”、放ったままにしておくのは禁物です。
その原因や対処法を医師に聞いてみました。
■女性の“なんとなく不調”第一位は「肩こり」
株式会社ツムラが20代〜40代の男女1,800人を対象に実施した、不調に関する実態調査によると、2020年のコロナ禍以降、不調を感じた人は57.2%。うち女性は64.2%と、男性より多いことが分かりました。
そんな女性の“なんとなく不調”。
内容は1位が肩こり(72.8%)、2位が疲れ・だるさ(71.8%)、3位が目の疲れ(71.8%)。それに続くのはイライラ。
肩こりや目の疲れが酷いと、身体の疲れやだるさもより感じやすいでしょうし、それによってイライラするのは当然といえば当然かもしれませんね。
こんなにも不調があるのに、病院に行ったり薬にも頼らず放っておいたままの女性はなんと7割!
この結果には驚きと共に「我慢しているのは自分だけじゃなかった」と思った方もいるのではないでしょうか。
2021年になっても、いまだ新型コロナを取り巻く様々な社会の不安定さを感じることで、実際にこれらの不調傾向がまだまだ続きそうと感じる人は、女性だけで66.2%。
当分、身体と心の不安がすっきりすることはなさそうなことから、これらの不調を今ここでしっかり対処しておくことが大事なのではないでしょうか。
■“なんとなく不調”の原因って?
この“なんとなく不調”が起きてしまうそもそもの原因は、一体何なんでしょう?
産婦人科医・内山心美先生に解説していただきました。
内山先生「“なんとなく不調”の上位にあった、肩こりや疲れ、目の疲れというのは、すべてIT化に伴う症状。コロナ禍をきっかけに、こういった現代病がより顕在化してしまったことが、考えられます。
自粛期間中にテレワークなど、スマホやパソコンの利用時間の増加によって、これらの不調が悪化してしまったことが原因といえるでしょう」
■コロナショックの影響は女性ホルモンにも
内山先生「肩こりやだるさ、イライラ感というのは、更年期障害やPMS(月経前症候群)によっても現れる症状です。
女性ホルモンによる変調が、コロナショックによるストレスで、より顕在化しているとも考えられます。
また、漢方医学の専門医として漢方医学的にみても、コロナショックによって“気(き)・血(けつ)・水(すい)”のバランスを崩していることも考えられます。
人間の体は“気・血・水”がバランスを取り、互いに循環していれば健康な状態といえます。
しかし新型コロナをきっかけに、自粛を強いられたり家庭での子育て、家事負担による疲労や仕事の不安定さといったストレスでバランスが崩れると、気は上昇し、血が停滞あるいは下降します。
自宅時間が増えることで、カラダを動かさなくなると、気の巡りが悪い気滞となり、うつ傾向となるのです。こうしてバランスを崩してしまうことで、月経不順につながることも考えられます」
■女性の“なんとなく不調”の対処法
内山先生「多くの女性が、なんとなく不調を感じているにもかかわらず、病院にも行かず、行くことすら躊躇しています。
疲れやすかったり、頭痛などの症状は、やる気の問題などと誤解されがちですが、これらは女性ホルモンのバランスや加齢、今回のコロナのような環境の変化に伴い生じるケースも多く、我慢しなくてよいのです。
診察し器質的な原因がない場合でも、症状があれば一人一人の症状や体質に合わせて漢方薬を処方したり、薬物療法以外にも打開する方法はいろいろあります。
我慢することなく、まずは医師に相談することは大切です。そして、一番大切なのは“自分自身を褒めてあげること”。
未曾有のコロナ禍で我慢を当たり前に強いられていますが、十分頑張っている自分自身の心と体を褒めてあげてくださいね」
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“自分へのご褒美”がベストな対処法ということですね。
自分を省みる時間が多くなったコロナ禍です。自分自身の体調の変化にもしっかり目を向け、労ってあげてくださいね。
【監修】
※ 内山心美先生 『のぞみ女性クリニック』院長 産婦人科医
【調査概要】
※ 株式会社 ツムラ 『不調に関する実態調査』
調査対象:20代〜40代の男女1,800人
調査方法:インターネット調査
実施時期:2020年11月17日火曜日〜11月18日水曜日