「いつ戦力外になっても…」 オコエ瑠偉、プロ6年目は前途多難なスタートに

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2021年03月04日 16:00  AERA dot.

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写真楽天・オコエ瑠偉 (c)朝日新聞社
楽天・オコエ瑠偉 (c)朝日新聞社
 楽天・オコエ瑠偉は、このまま活躍することなく終わってしまうのか?

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 高校時代から圧倒的なパフォーマンスで注目を浴びた6年目の“未完の大器”。ナイジェリア人の父と日本人の母から授かった、飛び抜けた身体能力はプロでもトップレベルだ。だが、今年もそれをグラウンド上で発揮する前に、早々とつまづいてしまった。

 各球団がキャンプインした直後の2月2日、左手関節TFCC(三角線維軟骨複合体)縫合術を受ける予定を球団が発表した。

 昨年プロ入り初の一軍出場なしに終わり、今年のキャンプでは二軍スタートから巻き返しを図っていた矢先だった。2月27日に同箇所の手術を受け、試合復帰までには4カ月かかるという。是が非でも結果が欲しいシーズンだったが、スタートダッシュに失敗する形になってしまった。

「TFCCは手首の小指側にある組織で、クッションなどの役割を果たす。全身の他部位の筋力が強過ぎて、クッションが持たなかったということでしょう。トレーニングによって強化できる部位ではないので、今回の故障は誰も責められない。持ち前の身体能力の高さの源となっていた筋力が、皮肉なことにアダになった形。(ケガをしたのが)オコエだったので、世間から批判が集まっている。これまでの言動は関係ないだけに気の毒ですけどね……」(在京球団トレーナー)

「まだ考えが甘い。自己評価が本人の中で高い感じがする。もう一皮むけないとチャンスは与えられないということを自覚して、死に物狂いでやってはい上がって欲しい。試合に出てこないと野球人生が苦しくなるので、ここが正念場」(石井一久監督/昨年12月25日)

 今季はシーズンスタートから勝負になるはずの年だった。昨年は先述の通り一軍での出場はなく、二軍では27試合に出場、打率.269、本塁打なし、5打点という結果だった。契約更改後にはGM兼務となった石井監督から苦言も寄せられた。オコエはそれでも「来年、頑張ります!」と普段通りに前向きなコメントを出して迎えた新シーズンだった。

「服装や髪型に苦言を呈する人が多い。清原和博のピアスなどが問題になったが、そんなレベルではないと言う人が多い。19年には『ふざけた髪型でキャンプインするなら、オレが髪を切ってやる』と当時の平石洋介監督(現ソフトバンク一軍打撃コーチ)が発言したほど。見た目でかなり損をしていると思うが、本人は全く意に介していない。我々からすると画的においしいので、どんどんやって欲しい。結果も出してくれれば言うことはないです」(在京テレビ局スポーツ担当)

 これまで見た目や言動が常に賛否を巻き起こしてきた。ファンの中でも、好き嫌いが両極端に分かれている。

 新人時代からハードモヒカンなど、目立つ髪型を好み、胸元にはセルフオーダーしたゴールドのネックレス。大好きなブラック系音楽を大型ヘッドホンで聴きながらビートを刻む。自身の年俸を超える高級外国車のハンドルを握って球場入りする姿が定番で、ユニフォームを着ていない時は、野球選手に見えないほどだった。

「元々の見た目もあるが、ファッションも似合っているしカッコ良い。パっと見はオラオラ系に見えるけど、時間がある時はサインも写真撮影もしてくれる。話しかけても気さくに応じてくれる良い人。何より応援歌のノリが良く、球場一体で盛り上がる。ファン人気はチーム内でもトップクラス。レギュラーで出続けて欲しい」(楽天ファン)

 見た目や発言などに対し批判がある一方で、楽天を応援する人たちが最も活躍を期待するプレイヤーであることは間違いない。ファンにフレンドリーなのことも含め、オコエに惹かれる人間は多い。

 年齢が高いファンには「舐めた格好をしてないで野球だけに集中しろ!」となる。しかし若い人からは、「自由奔放なスタイルに大きな魅力がある」という声も聞こえるのは事実である。またオコエの応援歌に「ルイルイ!」と一体になって叫ぶパートがあり、ホームロード問わず、打席に立つとファンたちは大いに盛り上がる。

 世間から注目を浴びるのがプロとしての資質の1つでもある。そこに関しては、一流選手の域に達しているのかもしれない。昨年6月には、野球界だけでなく日本の社会全体に一石を投じる発言が注目を集めた。肌の色などが原因で過去に受けた差別やイジメ、当時の心境などをツイッターで赤裸々に打ち明けた。「誰も責める気は無い」とした上で、「同じ境遇の人や、その両親の励みになれば」と語った内容に反響が殺到した。「甲子園に黒人は出るな」とまで言われたと述べている。

「色々な意味で世間の注目を集め続け、スター性は抜群。でも本業だけを見れば、いつ戦力外になってもおかしくない。石井監督就任から始まり、田中将大の古巣復帰など話題も他に移りつつある。今のままでは忘れ去られてしまう。1日でも早く復帰して甲子園を沸かせたダイナミックなプレーを見せて欲しい」(楽天担当記者)

 遠投120メートル、50メートル走5秒96、スイングスピード157キロなどのスペックはプロトップクラス。「トリプルスリー(3割30本塁打30盗塁)を目指す」と宣言、掛け合わせた『背番号9』をかつては背負った(昨年から『背番号4』)。「ビッグマウス」ではないかという声もあったが、夢物語に感じさせないスケールの大きさは野球ファンが今も彼に注目する理由の一つだろう。

「周りに色々言われるのはしょうがない。だからこそ結果を出せば良い」

 本人も自身に対する逆風を分かった上で、野球に取り組んではいる。故障からの復帰は先になりそうだが、想像を超える進化をして戻って来て欲しい。

このニュースに関するつぶやき

  • 何度も言うが、プロは客を呼んでナンボ。どんなに成績が良くても、客が来なけりゃプロたりえない。逆に、居るだけで客が来るというのもプロ。成績だけが野球じゃないよオコエ。
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  • 謙虚さを美徳と思うものではない。自己主張には、色々な形態、表現があってもいいと思う。でも、プロスポーツはファンの期待に結果で答えられるかどうかということですね。
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