新型コロナワクチン接種開始も“優先者区分”が不明瞭な点だらけ… 肥満体型は優先、警察官は除外

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2021年03月04日 20:02  日刊サイゾー

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日刊サイゾー

写真※イメージ写真(GettyImagesより)
※イメージ写真(GettyImagesより)

 国内でもついに新型コロナウイルスに対するワクチン接種は医療従事者から始まった。政府はワクチン接種の対象者を優先順位によって3つのグループに分けて実施する方針だ。だが、このグループの分け方が非常に曖昧なものとなっている。

 第1のグループとなる医療従事者への優先接種では、厚生労働省は当初370万人と推計していたが、100万人程度増える見通しとなったことで、第2グループ以降へのワクチン接種が遅れるとの懸念が出ていた。

 これに対して、河野太郎規制改革担当相は高齢者3600万人の接種を4月12日に開始すると明言している。

 政府はワクチン接種の優先順位について、以下のようにグループ分けをしている。

 【第1グループ】
 新型コロナウイルス感染症患者に直接医療を提供する施設の医療従事者等
 【第2グループ】
 2021年度中に 65 歳以上に達する者(昭和 32 年 4 月 1 日以前に生まれた者)
 【第3グループ】
 基礎疾患を有する者
 ところが、厚労省のHPに掲載されている詳細( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html )によると、医療従事者の範囲は、
・病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者を含む。以下同じ)に頻繁に接する機会のある医師、その他の職員
・薬局において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある薬剤師その他の職員
・新型コロナウイルス感染症患者を搬送する救急隊員等、海上保安庁職員、自衛隊職員
自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する業務を行う者
となっている。

 これを見ると、医療従事者の範囲は必ずしも「新型コロナウイルス感染症患者に直接接する医療従事者」を指すのではなく、相当に広範囲の医療関係者が含まれている。例えば、薬剤局なども含まれるし、筆者のかかりつけの歯科医は「受付を行う人も含まれている」としている。

 つまり、医療従事者には歯科も含めて、病院、診療所に勤めている人すべてが対象となっているようだ。これが厚労省の医療従事者数の当初見積もりを大きく狂わせた要因になっているのではないか。

 さらに、救急隊員等、海上保安庁職員、自衛隊職員や自治体等の職員については、「新型コロナウイルス感染症患者を搬送」「新型コロナウイルス感染症対策業務」と限定しているのだが、この線引きをどのように行うのかは、非常に難しいのではないか。

 救急隊員などは、患者が新型コロナウイルス感染者か否かを見極めて、救急救命活動を行っているわけではない。自治体の職員についても、「人手が足りなければ、手が空いている職員が新型コロナ対策を手伝っている」(自治体職員)のが実態だ。

 加えて、警察官が対象から外れているのが、どのような理由からなのかも不明だ。

 第3グループの「基礎疾患を有する者」にも不明な点が多い。基礎疾患として厚労省HPに13項目の病気や症状が提示され、それによって「通院、入院している」ことが条件になっている。

 まず、この基礎疾患を持っているかをどのように把握するのかだ。患者の病症は病院にとっては個人情報の最たるものであり、これを提供することは難しい。従って、基礎疾患の証明は、「書類などは不要で、自己申告」としている。

 これでは、誰でもが基礎疾患があると言って、優先的にワクチン接種ができることになってしまう。

 さらに、13項目の病気や症状に該当しないケースは、どのようになるのか。例えば、がんなどの大病を治療後、再発の経過観察中の人はどうなるのか。基礎疾患の定義があまりにも曖昧過ぎるだろう。

 その上、基礎疾患と同様に「基準(BMI 30 以上)を満たす肥満の方」が優先接種の対象となっている。

 BMIは「ボディ・マス指数」と呼ばれ、「体重÷身長の2乗」で算出される。この数値が30を超えると「高度な肥満としてより積極的な減量治療を要する」とされている。BMIが30となるのは、身長160センチで体重76.8キロ、170センチで86.7キロ、180センチで97.2キロだ。

 ところが、何故、BMIが30を超える人が優先接種の対象となるのかについては、どこを探しても明確な説明はない。太っていることは、それだけで優先接種の権利があるのだ。

 ワクチン接種の優先順位以外にも、不明な点がある。例えば、厚労省HPではワクチン接種は「強制ではありません」と明示しており、ワクチン接種を実施する医療機関向けマニュアルには、「有効性・安全性、副反応、予防接種健康被害救済制度について説明を行い、“文書により同意を得た場合に限り”接種を行う」と書かれている。

 もし、ワクチン接種による健康被害が発生した場合には、「予防接種健康被害救済制度」が適用される。同制度は「健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定した時」に適用されるが、認定に当たっては、「第三者により構成される疾病・障害認定審査会により、因果関係に係る審査」が行われる。

 因果関係が認められれば、医療費、医療手当(通院、入院の費用)、障害年金・障害児養育年金、死亡一時金、葬祭料、介護加算が支払われることになる。現在の死亡一時金は4420万円だ。

 そして、「文書による同意書」はワクチン接種と健康被害の因果関係、健康被害に対する政府補償を問う場合(例えば、民事訴訟)に、政府にとって非常に有利な材料となるだろう。

 これからワクチン接種を進めるにあたり、政府はこうした優先順位や健康被害に対する疑問について、明確に説明する義務を負っている。

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