“超良血”だったのに…完全に期待外れに終わった競走馬といえば?

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2021年03月05日 17:00  AERA dot.

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写真父がディープインパクト(写真)、母がメジロドーベルだったメジロダイボサツも結果を残せず… (c)朝日新聞社
父がディープインパクト(写真)、母がメジロドーベルだったメジロダイボサツも結果を残せず… (c)朝日新聞社
「競馬はブラッドスポーツである」との言葉があるように、競走馬にとって最大の使命は自身の血を後世につなぐこと。ただし、それを実現できるのはほんの一握りでもある。そして生まれる前から大きな期待を背負った、いわゆる「良血馬」といえども下馬評どおりの結果を出せるとは限らないのもまた、競馬の奥深さといえるだろう。

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 さて、ひと口に「良血馬」と言っても定義は様々だが、そう呼ばれるために欠かせない条件が1つある。それは母親が活躍馬であること。種牡馬になれる牡馬はたいていが活躍馬だが、繁殖牝馬はそうとは限らないことが多いからだ。

 もう少し話を進めると、牝馬の活躍には2種類ある。現役時代に輝かしい実績を残すケースと、引退後に母親として名馬を輩出するケースだ。もちろんこの両方を兼ね備えた名牝も存在する。現役時代に天皇賞・秋を制し、引退後にはアドマイヤグルーヴやルーラーシップらのG1馬の母となったエアグルーヴや、日本のオークスとアメリカンオークスを制して母としてもエピファネイアら3頭のG1馬を送り出したシーザリオなどがそうだった。

 ただし名牝を母に、あるいは活躍馬を兄姉に持つ馬と言えども大成しないケースもままある。オールドファンなら「活躍できなかった超良血馬」と聞いてまず思い浮かべるのは、メジロリベーラではないだろうか。

 メジロリベーラは母が中央競馬史上初の牝馬三冠を達成したメジロラモーヌ、父親も無敗で三冠を制して後に七冠馬とも称された「皇帝」シンボリルドルフ。1980年代後半の日本ではこれ以上ないくらいの実績を持つ両親であり、生まれた牝馬は「十冠ベイビー」として大きな注目を集めた。これが後のメジロリベーラだ。

 しかしメジロリベーラはデビュー戦7着後に脚部不安を発症し、わずか1戦で引退を余儀なくされてしまった。メジロラモーヌはその後も繁殖牝馬としては大成できずに終わった。ただしメジロリベーラの孫、つまりメジロラモーヌのひ孫世代にはG1川崎記念を制したフィールドルージュが出て、わずかながら一族の留飲を下げている。

 平成に入ってからも牝馬路線でG1勝利を重ねた名馬や、牡馬とも渡り合える名牝たちが続々と登場したが、彼女らも引退後は母として苦戦が続いている馬が多い。2003年に牝馬三冠を制したスティルインラブは引退後にわずか1頭を産んだだけで早世。その唯一の産駒であるジューダは父が名種牡馬キングカメハメハということもあって期待されたが、地方競馬で2勝を挙げるのみに終わり、この血統は早くも途切れている。

 G1を5勝したメジロドーベルは、2008年にディープインパクト産駒の牡馬を出産。両親の合計G1勝ちは実に12というメジロダイボサツだったが、結果は16戦1勝と振るわなかった。メジロドーベルはこれ以外にもサンデーサイレンスやスペシャルウィーク、キングカメハメハなどと配合したものの、現時点では4勝しているルーラーシップ産駒のホウオウドリームが出世頭と、母に匹敵する活躍馬は送り出せていない。

 G1を6勝、2着も7回あった安定感抜群の名牝ブエナビスタは父がスペシャルウィーク、母はG1馬ビワハイジ、兄弟姉妹にはアドマイヤジャパンやアドマイヤオーラ、ジョワドヴィーヴルなどの活躍馬がいる良血馬。初年度から4年連続でキングカメハメハを配合したが、3勝した2番仔ソシアルクラブが一番の活躍馬にとどまっている。

 2007年に牝馬ながらダービーを制したウオッカは、2016年に誕生した産駒の父が欧州史上屈指の名馬フランケル。タニノフランケルと名付けられた牡馬は4勝してローカル重賞で2着まではいったが、G1戦線をにぎわすには至らなかった。

 そのウオッカの好敵手で有馬記念などを制したダイワスカーレットも、2011年にキングカメハメハの牝馬を産んだが、そのダイワレジェンドは4勝したものの重賞勝ちには届かなかった。

 他にも活躍できなかった名牝の子たち、良血馬たちは数知れず。特にペーパーオーナーゲーム(POG)を嗜むファンの方たちならば、ドラフト上位指名を裏切られた思い出が数限りなくあるに違いない。
 
 しかし母親や兄姉に思い入れがある血統馬を応援するのもまた競馬の楽しみ方の1つ。逆に良血馬とは呼ばれない地味な血統からも活躍する馬が出るのが競馬の面白さでもある。古くはオグリキャップ、さらにはセイウンスカイやキタサンブラックらがエリート血統馬を向こうに回して勝利をつかむレースに感動したファンも多いのではないだろうか。

 この機会にブラッドスポーツたる競馬の奥深さをあらためて探求してみるのはどうだろうか。(文・杉山貴宏)

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  • POGにて ブラックタイド こいつはきっと走るぞ→走らない ディープインパクト もう騙されないぞ→歴史的名馬
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