酒飲みになにかと嘲笑されているモンテローザの素敵なところを、勝手に探求していく当連載。今回は、歌舞伎町や千葉、横浜で3店舗展開している「すしざむらい」で泥酔してきました。
モンテローザ11軒目:すしざむらい
すしざんまいは、寿司と居酒屋メニューが味わえる、いわば寿司居酒屋。店名を見れば一目瞭然ですが、「すしざんまい」のパクリです。
モンテローザ系の海鮮居酒屋といえば、元祖は「魚民」、近年では「目利きの銀次」が幅を利かせていますが、正直どちらも海鮮の鮮度や味の割に価格が高く、満足感が低い……。これらの前例から、すしざんまいをパクったすしざむらいも、どうせいつものモンテローザクオリティだろうと全く期待していなかったのですが、意外にも良質酒場でした。
すしざむらいのメインメニューは寿司。単品1貫から注文でき、玉子焼、たこ98円(税抜、以下同)、いわし、生サーモン128円、ほたて、甘えび、本鮪赤身198円、いくら258円、生うに、ぼたんえび、大トロ398円(すべて1貫)……と、すしざんまいと似たような価格帯です。
天然本鮪は、赤身から大トロまで5種類。198円の赤身と、298円の中トロを食べてみましたが、ネタが分厚くてケチくさくなく、中トロは脂が甘くておいしかったです。ほかにも128円のいか、198円のかんぱちなどを試してみましたが、どれも値段相応のちゃんとした寿司でした。
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手巻きも食べごたえがあり、パリパリの海苔の食感が酒のアテになります。納豆巻やかっぱ巻は150円、とろたく巻やねぎとろ巻は250円とリーズナブルです。これらを細巻きにするとプラス100円です。
もちろん、寿司のクオリティはパクリ元のすしざんまいの方が上手と感じましたが、とはいえ、これまで魚民のしょぼい寿司や目利きの銀次の雑な海鮮料理など、モンテローザの海鮮居酒屋にがっかりさせられてきた身としては、すしざむらいはモンテローザ系列であることを忘れるくらい、きちんとした居酒屋に思えました。
すしざむらいは、比較的安価で本格的な握りが食べられることを売りにしていますが、とはいえ激安酒場のような価格帯ではないので、とにかく安く飲みたいときには向いていません。むしろ、会計をケチって最安値の98円の寿司(玉子焼、たこ、いかげそ、びんとろ)ばかり食べても、すしざむらいのポテンシャルを享受できないので、マグロや128円以上のネタをしっかり食べて、寿司欲を満たすのが正解ではないでしょうか。
また、居酒屋メニューもちゃんと海鮮に特化したセレクトで驚きました。モンテローザといえば、海鮮居酒屋だろうが普通の居酒屋だろうが、バカの一つ覚えのようにアヒージョやもつ鍋を押し出しているのですが、すしざむらいはストイックに海鮮居酒屋を貫いています。
しまホッケ炙り焼(680円)や、かにみそ甲羅焼(580円)などは目利きの銀次でも食べられますが、めひかりの唐揚(380円)やホタテ稚貝の酒蒸し(580円)なんかの通好みの品もしっかり用意されていて、モンテローザにしては気が利いているのです。
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中でも酒のアテに最強だったのは、カマの煮付け(680円)。日本酒を飲みながら、味が染みた魚の身をほじりながらチビチビつまむ時間は至福です……。
さらにありがたいのは、アルコール類がすしざんまいより全体的に安いこと。すしざんまいは生ビール600円ですが、すしざむらいでは490円。日本酒・白鶴も120円ほど安いです。とにかくコスパよく酔いたいなら、鏡月のボトルが1,280円で用意されています。
すしざむらいは、寿司1貫から頼める自由度の高い酒場。1人カウンターで2〜3貫つまんで帰るもよし、団体なら宴会コースが3,500円(飲み放題付き4,000円)から選べます。タッチパネル注文なので、カウンター寿司屋のような、職人に声をかけて注文しなければならない緊張感もありません。
多少値ははりますが、魚民でどうでもいいツマミに数千円支払うくらいなら、すしざむらいで寿司を食べたほうが幸福度が高いのではないでしょうか。
すしざむらい:総評
味 ★★★☆☆
品数 ★★★☆☆
雰囲気 ★★★★☆
コスパ ★★☆☆☆
また行きたい度 ★★☆☆☆
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