「R-1グランプリ2021」大幅リニューアルし王道路線でどうなるのか?

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2021年03月06日 11:30  AERA dot.

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写真「R-1」昨年の覇者マヂカルラブリーの野田クリスタルは今年審査員に(C)朝日新聞社
「R-1」昨年の覇者マヂカルラブリーの野田クリスタルは今年審査員に(C)朝日新聞社
 お笑い界の三大コンテストと言えば、漫才の『M−1グランプリ』、コントの『キングオブコント』、ピン芸の『R−1グランプリ』である。

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 その中でも『R−1』は、ほかの2つに比べるとやや地味な印象がある。これらのコンテストでは、全国規模で大規模な予選が行われ、数千組の芸人が参加して、決勝の模様はゴールデンタイムに生放送される。

 大会の基本的な仕組みは同じなのだが、2人以上で演じる漫才やコントに比べると、1人でネタをやるピン芸はどうしても派手さに欠ける。

 また、ピン芸はそれぞれやっていることがバラバラなので、はっきりした優劣をつけるのも難しい。過去の『R−1』では、ハリウッドザコシショウやアキラ100%など、人によって好みが分かれる「ハダカ芸」の人が優勝したこともある。満場一致のチャンピオンが生まれにくいので、どうしても大会として盛り上がりに欠けると思われやすい。

 そこで、2021年の『R−1』では大幅なリニューアルが行われた。最も重要な変更点は、プロの芸人の出場資格が「芸歴制限なし」から「芸歴10年以内」に変わったことだ。このルール変更により、芸歴10年以上の芸人は事実上「リストラ」されてしまうことになった。

 芸歴の長い芸人は確かな実力がある人が多いため、これまではファイナリストの多くをそのようなキャリア組が占めていた。大会全体の雰囲気を一新するために、運営側はあえて非情な決断を下したのだろう。

 それ以外にも変更点は多い。大会の名称が『R−1ぐらんぷり』から『R−1グランプリ』に改められ、司会が蛍原徹と三田友梨佳アナから霜降り明星の2人と広瀬アリスに変わった。さらに、若手ヒップホップユニット・Creepy Nutsの新曲『バレる!』が新たに大会のテーマソングとして使われることになった。

 決勝の審査方法も、1組がネタを終えるごとに審査員が点数を発表していくという『M−1』や『キングオブコント』と同じシステムに切り替えられた。

 これらの改革の狙いは、『R−1』のイメージを一新して、大会を今まで以上に盛り上がるものにしたい、ということだろう。

 これまでの『R−1』では、演出や審査方法などに関して『M−1』との差別化を意識しすぎているようなところがあった。大成功している『M−1』とは別のやり方で何とか面白い大会を作れないだろうか、という試行錯誤の過程が見えた。

 だが、今年の『R−1』では、いい意味でそのこだわりをなくして、演出やシステムを『M−1』に近づけてきた。成功例から無理に離れようとするのではなく成功例を素直に真似るというのは、成功への近道である。2002年に始まった『R−1』が、一周回ってようやく「王道」に戻ってきた感じがする。

 そんな今年の『R−1』で決勝に進んだのは、ZAZY、土屋、森本サイダー、吉住、寺田寛明、かが屋 賀屋、kento fukaya、高田ぽる子、ゆりやんレトリィバァの9名。ここに当日行われる敗者復活ステージの勝者1名を加えた10名が決勝で争うことになる。

『女芸人No.1決定戦 THE W』のチャンピオンであるゆりやんレトリィバァ、吉住をはじめとして、誰が優勝してもおかしくないメンバーが揃った。

 芸歴10年以内の芸人というのは、定義上は「第7世代」と呼ばれるところに当てはまる。だが、近年盛り上がっていた第7世代ブームもようやく落ち着いてきた感があり、第七世代が出ているからといって無条件で盛り上がるわけではない。

 むしろ、この「ポスト第7世代ブーム」の時代には、真の実力者だけが評価されることになるだろう。そういう芸人を発掘するのがこの手のコンテストの重要な意義である。

 新生『R−1』で王座に輝くのは誰なのか。『R−1グランプリ2021』は、3月7日の夜7時から関西テレビ・フジテレビ系全国ネットで放送される。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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