潮田玲子×中川真依、オリンピアンが語る生理のつらさ。「我慢の繰り返しだった」

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2021年03月06日 11:41  webスポルティーバ

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『特集:女性とスポーツ』第3回
潮田玲子×中川真依が語る女性アスリートが抱える問題(前編)

 3月8日は国際女性デー。1975年に国連によって制定されたこの日は、女性たちによってもたらされた勇気と決断を称える日だ。スポルティーバでは女性アスリートの地位向上を目指し、さまざまなテーマで「女性とスポーツ」を考えていく。

 今回は元バドミントン日本代表の潮田玲子さんと、元高飛び込み日本代表の中川真依さんに、普段はあまり語られることのない女性アスリートが抱える問題について語ってもらった。インタビューの前編では、身体の成長に伴うパフォーマンスの変化と当時の状況について話を伺った。

――お二人は幼少期からそれぞれ競技をされていましたが、成長期になると女性の身体には必ず変化が訪れますよね。

潮田玲子(以下:潮田) 一番大きく変化したのは中学生で生理が始まった時。幼少期はどちらかというと小柄で痩せているほうだったんですよ。生理が始まって、身長も165僂泙念豕い某びたけど、体重増加がすごかった。特に中学最後の大会が終わって、高校に進学する半年の間で体重が6〜7キロ増えちゃったんです。

中川真依(以下:中川) 急に身長が伸びると身体は重く感じますよね。

潮田 そう。高校に入ってすごく苦労しました。強度のある練習もあるから食事量を落とす訳にはいかない。だからエアロバイクを漕いで、有酸素運動をしつつ、大人の身体に慣れていく感じでした。

中川 その頃って運動しても食事制限をしても体重は変わりづらい。当時の私は、お水を飲んだだけでも太るんじゃないかって思ってました(笑)。

――思春期で、そういった身体の変化が女性特有のものだということをすぐ理解できましたか。

潮田 わからなかったですね。

中川 玲子さん、体重が増えた時にコーチから何か言われましたか。

潮田 その時は言われませんでしたが、数年後に笑い話みたいな感じで言われたかな。中学の大会で優勝した時に比べて本当に動けていなかったから、「イメージしていたのと違う。騙された!」と(笑)。でも当時から体重は「減らしたほうがいい」と言われていましたね。

――中川さんは身体の変化を感じたのはいつ頃でしたか。

中川 私も中学の時ですね。もともと筋肉質だったので、コーチは「このまま太ったらまずいことになる」と思っていたようで、小学校のときから「太るな」と言われていました。だから先輩にどういう食事をしているか聞いたりしてたんですけど、生理がきて、成長の過程で体重が増えたりして、自分の体をコントロールするのが難しくなりましたし、気持ち的にも難しかったですね。コーチに言われることもすごくストレスだったし。「食べちゃダメだ」って思うことによって、食べたくなる悪循環に陥ってました。

――成長期でもありますから、食べたい気持ちは強いですよね。

中川 ケーキバイキングは憧れでした(笑) 。でも水着一枚で競技するので、食事制限をして体重をコントロールしないと体形の変化はすぐにわかっちゃうんです。もちろん自分も飛びづらくなるので、いろんなダイエットをしました。

 高校から20歳前後までは、肉付きがよくなってどんどん女性として身体が変わっていく感覚がありました。20歳前後になってようやくその身体に慣れた感じでした。

――同年代の選手たちとそういう話をしたことはありましたか。

潮田 「食欲が止まらないんだけど、どうしよう」とかかな(笑)。あとは生理痛がひどいとか、胸が張って走るのがツライとかですね。

中川 わかる〜。揺れる胸が痛いんですよね。

潮田 それをチームメイトには言えるけど、コーチが男性だと言えない。怒られるんですよ。「なんで今日はできないんだ! 集中力が足りないんじゃないか」って。でもそれを「今日は生理だから」とは言えない。それは悩みとして絶対にありますよね。

中川 あと、自分のプライドもある。そのためにできないと言いたくない。飛び込みも生理前とか生理中って胸が張って入水するだけでも「痛い!」って感じる時があるんです。だからって飛び込まない訳にはいかない。あまり薬とか使いたくなかったので、ただひたすら耐えていました。

――そういう身体の変調が女性特有のものだと知ったのはいつ頃ですか。

潮田 20代中頃になってからです。でも、どんなに生理痛が重くても「我慢しなきゃ」という状況の繰り返し。現役を引退するまで生理を理由に休む選択肢は自分の中にまったくなかったし、生理中だからってトレーニングの強度を落としてほしいとも思わなかった。

中川 毎月1週間くらい続くものでその1週間を合算すると相当な日数になると思うんですよ。それでもトレーニング量を維持したほうがいいのか。もしトレーニング量を調節していたら、現役時代の成績があると思いますか。

潮田 それはわからないですね。試合の直前だったら強度を落とせないじゃないですか。だから通常の練習メニューを行なうけど、そういうタイミングじゃないなら調整してもよかったんじゃないかと今では思いますね。

インタビュー中編に続く>>

【Profile】
潮田玲子(しおた・れいこ)
1983年9月30日生まれ、福岡県出身。幼い頃からバドミントンを始め、中学3年時に全国中学生大会女子シングルス優勝。その後も数々のタイトルを獲得し、08年北京五輪では小椋久美子とペアを組んで女子ダブルスに出場しベスト8に進出した。その後、池田信太郎とペアを組み、12年のロンドン五輪にも出場。同年に引退を発表した。

中川真依(なかがわ・まい)
1987年4月7日生まれ、石川県出身。小学1年より飛び込みを始め、中学3年で世界ジュニア選手権に出場。高校1年からインターハイ、国体を2年連続で制覇し、高校2年から日本選手権で連覇を達成する。08年の北京五輪では決勝に進出し11位と健闘。12年のロンドン五輪にも出場し、16年に現役を引退した。

このニュースに関するつぶやき

  • 学生時代の生理痛の部活は辛かったなぁ。グランド30周。リアル血と汗と涙と砂ぼこりの日々。今なんて100mも走れない。あんなに走って何だったんだろうと思う。 https://mixi.at/a4WxREP
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  • こんなに辛い思いをしているのに、性転換した元男性が差別だと喚いて体格と筋肉に物を言わせてメダルを取るのが今の国際競技です
    • イイネ!16
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