コロナ禍でバカ売れ中! 花粉症の最後の砦「加湿器」の選び方

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2021年03月07日 08:05  AERA dot.

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写真※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)
 加湿器は春でも、自宅に常備しておきたい季節家電だ。今年は特に新型コロナウイルス対策の必須アイテムという側面も持つ。また、スギやヒノキなどの花粉が飛散する時期を迎え、加湿器は室内に漂う花粉対策としても力を発揮する。

【写真】家電ライター・藤山哲人さんおすすめ! 実力派加湿器はこちら

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 室内の加湿や換気が新型コロナ対策に一定の効果があるという。理化学研究所が運用するスーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーション(模擬実験)では、マスクをせずにせきをしたときに、机を挟んで1.8メートル離れて向かい合った人にどれだけ飛沫が届くかを調べたところ、湿度30%では飛沫全体の6%近くが対面する人に到達。一方、湿度60%と90%のときは到達が2%前後に抑えられたという。

 新型コロナウイルス対策目的で需要が高まり、昨年から加湿器の売り上げが伸びている。加湿器メーカー大手のダイニチ工業(新潟)では、今年1月の加湿器の出荷金額が前年同月比約500%となった。

「新型コロナやインフルエンザウイルスなど、呼吸器症状を引き起こすウイルスは乾燥と低温に強く、湿潤と高温に弱い傾向にあります。また、消毒薬もよく効き、加湿やアルコール消毒が威力を発揮します」

 そう話すのは感染制御学が専門の東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授だ。

「冬は乾燥しやすい上に、暖房をつけた状態が続くため、より乾燥しやすくなります。冬に快適な湿度は40〜60%で、新型コロナ対策としては、厚生労働省が湿度60%と示しています」(菅原さん)

 加湿器を室内に置く場合、部屋の片隅よりも真ん中に置くほうがいいという。部屋全体に蒸気を拡散しやすくなるからだ。

「濡れたタオルや洗濯物を部屋の真ん中で干すだけでも加湿の助けになります」(同)

 加湿器を使用する時期は一般的に寒くなる10〜3月と言われているが、春先でもまだ寒く、暖房を使う機会は多い。

「暖房がいらない季節になると、気温の上昇とともに湿度も高くなりますが、4月以降でも暖房器具を使っているときは加湿器も併用したほうが望ましいでしょう」(同)

 加湿器を使っているときに忘れてはならないのは、メンテナンスと換気だ。

「加湿器の水をこまめに取り換えるのは必須。入れっぱなしにしておくと雑菌やカビが繁殖する温床になります。これらを含んだ蒸気を少し吸い込んだくらいで病気や肺炎にはなりませんが、そういう状態の継続はよくありません。掃除などのメンテナンスも取り扱い説明書に従ってきちんと行いましょう。個人的にはシンプルな構造の加湿器のほうが、掃除が楽なのでおすすめです」(同)

 新型コロナ対策の一つとして挙げられている換気も忘れないように。

「快適な気温と湿度を保ちつつ、1日に数回行いましょう。部屋の中にいて寒さを感じるのが換気の目安です」(同)

 加湿器にはさまざまな方式があるが、どういう違いがあるのだろうか。家電ライターの藤山哲人さんに聞いた。

「加湿速度が一番速いのはスチーム式。内部で湯を沸かすため、その分、電気代は高くなります。次に速いのはハイブリッド式。コロナ禍で換気が推奨されていることもあり、加湿速度が速くて経済的なハイブリッド式が注目されています。特にダイニチ工業の人気が高いです。シャープのプラズマクラスターはウイルス減少に効果があると言われており、こちらも人気」

 藤山さんがおすすめするのはSHE60TD(三菱重工冷熱・スチーム式・税込み実勢価格:1万6500〜1万8000円)、「STEM630i」(cado・超音波式・税込み希望小売価格:4万9800円)、「HD−LX1220」(ダイニチ工業・ハイブリッド式・税込み実勢価格:4万3800円)、「KI−NX75」(シャープ・気化式・税込み実勢価格:8万7950円)など。参考にしてほしい。

 気温が上昇するにつれ、花粉の飛散も増えてくる。花粉対策としても加湿器の存在は心強いという。

「室内の空気中の花粉が湿気によって重くなり、床に落ちると飛散を抑えることができます。また、湿度が高いほうが喉や鼻が乾燥しづらくなります。喉や鼻などには粘液に覆われた線毛があり、吸い込んだほこりや花粉を排除する働きがあります」

 そう話すのは呼吸器内科医で池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師。

「乾燥すると線毛の働きが悪くなるため、鼻や喉のうるおいを保つ意味でも、加湿器があるといいでしょう。ただし、加湿器があれば大丈夫というわけではなく、治療が先決。次に室内に花粉を持ち込まない工夫をすること。最後の砦が加湿器になります」(大谷さん)

 今年は新型コロナの流行中ということもあり、せきや咽頭痛、微熱などの花粉症の悪化時に見られる症状が、新型コロナとも共通するため、注意が必要だ。

 鼻詰まりや目のかゆみといった花粉症の典型的な症状があればわかりやすいが、鼻が詰まると嗅覚が鈍くなることもあり、花粉症かコロナか迷った末に、大谷さんの診察を受けた人もいたという。

「重い花粉症と軽い新型コロナの症状の区別がつきにくいことがあるため、なおのこと花粉症対策が大切。コロナの予防は難しくても、花粉症は薬で対処できますから」(同)

 最近は眠くならず、効果が高い薬も増えており、ためらわずに薬を使ってほしい、と大谷さん。

「昨シーズンから季節性アレルギー性鼻炎の治療薬として登場した『ゾレア』は重症者にかなり効果があります。今年は特にコロナの流行と重なっており、早めの薬の活用をおすすめします」(同)

(ライター・吉川明子)

※週刊朝日  2021年3月12日号

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