妻が出会い系で知り合った男と関係を持ち、妊娠…「セックスレス」夫婦に訪れた悲劇

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2021年03月07日 10:31  弁護士ドットコム

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「セックスレスが原因で妻がほかの男性と関係をもち、妊娠しました」。悲嘆に暮れる男性から、このような相談が弁護士ドットコムに寄せられている。


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相談者によると、妻とは良好な関係を続けており、離婚の話が出たことは1度もないという。しかし、夫婦は長年「セックスレス」に悩まされていた。



そんなある日のこと、妻が出会い系で知り合った男性の子を妊娠したことが発覚。男性側は妻が既婚者であることは知らなかったようで、「堕ろせ。中絶費用は払わない」などと言っているそうだ。妻は数年前から「セックスレス」が原因で、複数の男性と関係をもっていたという。



相談者はショックを受け、行き場のない怒りを抱えている。男性の無責任な態度にも疑問を抱き、「責任を取らせたい」とのことだ。相談者は男性に慰謝料や中絶費用などを請求できるのだろうか。瀧井喜博弁護士に聞いた。



●慰謝料は請求できる?

ーー相談者夫婦は離婚は考えていないようです。今回のようなケースの場合、相談者は男性に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。



「離婚しない場合であっても、不貞相手に慰謝料請求をすることは可能です。妻、不貞相手、いずれに対しても請求できますが、不貞相手に対してのみも可能です」



ーー今回のケースで、妻の不貞相手である男性は、妻が既婚者であることは知らなかったと述べています。このような主張はとおるのでしょうか。



「妻が既婚であることを積極的に隠していた場合など、本当に不貞相手が既婚の事実につき知らず、知らなかったことにつき何ら過失がなかった場合は、不貞相手に対する慰謝料請求は認められません。



一方で、既婚者であると知らなかったことにつき不貞相手に過失がある場合(具体的には、LINEなどのメッセージアプリを利用している時間帯が一定の時間に偏っていた、正月、GW、クリスマスなどのイベント時期に会えない、妻がSNSで家族の写真等を公開していたなど)、つまり、一般的に見て相手方が既婚者であると推認できたにもかかわらず、未婚と信じていた場合には、不貞相手は責任を免れることが難しくなります。



そのため、相手方が既婚であることを知らなかったという主張をした場合は、このような証拠を集めることをお勧めいたします」



ーー不貞相手のみに慰謝料を請求する際に注意すべきことはありますか。



「不貞相手のみに対して慰謝料を請求する場合、後日不貞相手から妻に対して求償(不貞相手が、支払った慰謝料の一部につき妻に対し負担を求めること)される可能性があります。



今回のように離婚しないケースでは、妻と同一家計であることも多く、結局不貞相手から回収したお金の一部が相手方に戻ってしまうことにもなりかねません。そこで、妻に対する求償権を放棄してもらうよう不貞相手と交渉することも、選択肢の一つです」



●相手が不誠実なら、妻から「中絶費用等の請求」も考慮に

ーーでは、相談者から不貞相手の男性に対する中絶費用の請求は認められるのでしょうか。



「残念ながらこの請求は基本的には認められません。というのも、中絶は妻と不貞相手の問題であるためです。



なお、中絶費用は、性行為をおこなった男女が折半するというのが一般的であることから、不貞相手に費用負担させたいというお考えであれば、中絶費用について、妻から請求した方がよいといえます。



一方で、妻から不貞相手に対しての中絶に関する慰謝料請求は、基本的には認められません。しかし、妊娠・中絶について、男性は、女性が負う不利益を軽減し、解消するための行為を行う義務を負うことから、男性側があまりにも不誠実な態度を続けるのであれば、女性側(妻)からの慰謝料請求が認められる可能性も出てきます。



今回、不貞相手があまりにも不誠実な態度をとっているのであれば、妻から中絶費用等の請求をすることも考えてみてはいかがでしょうか」



●「セックスレス」という事情はどう考慮される?

ーーもしセックスレスが原因で不倫に走り、離婚裁判となった場合、セックスレスであったことは影響するのでしょうか。



「実際に離婚裁判において、相当長期にわたりセックスレスで、別居状態でもあったケースにおいて、夫婦関係の破綻が認められたケースがあります。



しかしながら、今回の相談者はセックスレスとはいえ、その他は夫婦関係が円満であったことから破綻は認められず、セックスレスそのものが、慰謝料額等結論に大きな影響を与えることはないと考えられます。



今回のように、離婚せずに不貞相手に対して責任追及をすることは可能です。



とはいえ、既婚者であることを不貞相手が本当に知らなかった場合など、慰謝料が認められない場合もございます。具体的に請求が可能か、またどのような内容の請求が可能かについて、一人で思い悩まず、一度弁護士にご相談ください」




【取材協力弁護士】
瀧井 喜博(たきい・よしひろ)弁護士
「あなたの『困った』を『よかった』へ」がモットー。あらゆる「困った」の相談窓口を目指す、主に大阪で活動する人情派弁護士。自由と自律性を押し出す新しい働き方、ずば抜けて楽しい職場環境の構築、拡大を目指して、日夜奮闘中。
事務所名:弁護士法人A&P 瀧井総合法律事務所
事務所URL:http://takiilaw.com/


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