――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
指輪沼、時計沼、バングル沼、靴沼、スカート沼、文房具沼……。今まで沼という沼にハマり、散財し、「もう終わりだ。もうこれ以上の沼はあるまい」と、全身泥だらけになりながら唸っていた私ですが、またもや沼にハマりましたよ。今回はアイシャドウ沼!
いやあねえ、どの美容雑誌も、毎年「年間ベストコスメ」を発表するじゃないですか。私は月に3〜4冊雑誌を読む“田舎にいるけど気持ちは最先端女”なので、一応「ベストコスメ」なるものもチェックしていたのですよ。そしたら……、どこの雑誌も上位に同じアイシャドウをかかげていて、ファ!? となったのです。
説明しよう。千葉N子はかつて、1本2,000円くらいで大量に広告記事を書いていたことがある。そのときは、「私はこのサイトで運命の彼と出会いました」とかいう怪しげな記事を大量に書いていた。だから、メイクアイテムにしても、「ランキング入りするようなアイテムはみんな広告料をいっぱい払っているのだ。その順位でしかないのだ」と思うようになっていたのだ!
疑惑の目を向けたアイテムは、「シャネル」の「レ キャトル オンブル 362 カンドゥール エ プロヴォカシオン」。このアイシャドウがどの雑誌を見ても、必ずランキング入りしているのです。赤みを帯びたピンクやブラウンカラーのパレットなのですが、どう見てもそんなに良さそうじゃない。なんでこれがそんなに高評価なんだ!?
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YouTubeでも情報を探しまくり、「362」番を使っている女性の動画をいくつか見たのですが、赤いシャドウがどぎつい外国人風のメイクばかりで、やっぱり私の「そんなに良さそうじゃない」という気持ちは変わらず……。しかし、しかしですよ。フリマアプリを覗いてみると、人気商品のため店舗やオンラインショップでは入荷待ちとなっているようで、このアイシャドウが1万円以上の高値でガンガン売れているではありませんか。なぜ!? なぜなの!? みんなステマに踊らされすぎヨォ!!
しかし、一番情報に踊らされていたのは、何を隠そう私でした。1万円以上でと飛ぶように売れていく362番を見ているうちに私はどんどん「なぜみんな買いたがるんだ……なぜだ……」という疑問が脳内に溢れかえり、ついに……! その好奇心が抑えきれず購入してしまったのです。お値段1万200円也。
購入してからも、「やっちまったなあ……、全然欲しくないものを1万円も出して買っちまった……」と落ち込み、「ちょろっとつけてみて、すぐに売ろう」と自分を納得させているうちに、件のアイシャドウが届きました。
ファーストインプレッションは……「やっぱり使いづらそう」。もともと、あたしは赤いシャドウなど使ったことがないのです。「つけすぎると殴られたようになる」というレビューを見ては、「そうでしょう。目元を赤くするなんておかしいわよ」と思っていたのです。一体、このアイシャドウのどこをみんなが絶賛していたのか。私は不思議に思いながらそっとつけてみました。えーと、まずはピンクを全体的に塗って。左上の赤を目じりのほうにぼかして……ん? んんんんんん!?!?!?!? 362番を塗り終えた私は、鏡をしげしげと見つめました。な、なんだこのおフェロな目元は……!!!!
確かに赤いシャドウなのですが、絶妙にくすんだ赤で、なんとも色っぽい色味なのです。ぼんやりとグラデーションを作るのもすごく簡単!! あたい、今まできれいな目元の人を見ては、「あの人は美容の専門学校を出て特殊な訓練を受けた人なんだわ」と思っていましたが、その目元に今、なれてる!! あたしの目、今ものすごい盛れてる!! 仙台パルコの店員さんみたいよお(田舎民の最上級の誉め言葉)!
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「ベストコスメ」恐るべし。さすが美の賢者たちが集う雑誌なだけあるわあ。彼女たちの情報にステマの存在などなかったのだわ……!
そんなわけですっかりアハ体験をしてしまった千葉N子。勢いで美の賢者たちが勧めるほかのアイシャドウも買いまくりました。で、今絶賛アイシャドウ沼にハマっているというわけ。指輪と違って手軽にポンポン買えちゃうから、沼から抜け出せないのよ。しかし、「安い安い」とフリマアプリでアイシャドウを買い漁っていたら、あっという間に4万円超えたわ? 嗚呼、私の沼脱出の道は遠い……。
■今回の出費 4万円(シャネル「レ キャトル オンブル 362 カンドゥール エ プロヴォカシオン」ほか)