熱きメッセージを背負いSFを戦う野尻智紀「自分の力を発揮すればチャンピオンは獲れる」

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2021年03月08日 12:41  AUTOSPORT web

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医療従事者への感謝を示すメッセージと野尻智紀
3月2日、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するTEAM MUGENは、2021年のスーパーフォーミュラに挑む野尻智紀の16号車のカラーリングをお披露目した。ボディに大胆に医療従事者への感謝を示しているが、野尻、そして2021年から就任する田中洋克監督がシーズンに向け意気込みを語った。

 スーパーフォーミュラで毎年トップ争いを展開するTEAM MUGENは、チーム在籍3年目となる野尻を起用しチャンピオン獲得を目指すが、2021年は新たにボディに大きく医療従事者への感謝を示すメッセージを記し戦う。

 このメッセージについて、田中監督は「率直なところデザインを見た瞬間は『えっ?』という驚きしかなかったです。ふだんからオーナーも『カッコいい』『速い』ということをおっしゃっていますが、正直これを見たときはその点では驚きました」と無限創業者の本田博俊氏が発案したというカラーリングに驚いたという。

「ただ誰もやっていないことでもありますし、我々の気持ちを伝えるという意味では、とても良いアイデアだと思っています。いろんな人たちに観てもらって、この思いを共有できればと思っています」

 このカラーリングに驚いたのは、野尻も同様だ。「当然驚きはすごくありましたが、プラスな面がすごく多いと思いますし、その点ではこのデザインが意味があるものだと思います。これをどう形にするかは僕たちの仕事なので、しっかりやっていきたいですね」と意気込んだ。

 もちろん、TEAM MUGENとしてもチーム全体での純粋な感謝の気持ちの表れではあるが、本来スポンサーのためのスペースを使ってのメッセージ。今もなお新型コロナウイルス禍と闘い続ける医療従事者への感謝を背負うにあたり、田中監督は「今回、医療従事者の皆さまへのメッセージを入れて走ることになりましたが、我々がこうしてレースに挑むことができるのも、医療従事者の皆さまがいてこそできることだと思います」と語った。

「だから何をやっても良い……というわけではありませんが、そこに感謝しなければなりませんし、我々ができることとして、こうして車両にメッセージを入れることは良いアイデアだと思いますし、いろいろな方に伝わると思っています」

 また野尻は、メッセージを乗せて走ることについては「メッセージを背負うプレッシャーはそれほどありません。レースに挑む気持ちはふだんと変わらないです」という。「でも、この新型コロナウイルス禍のなかで2020年は開幕が遅れましたが、その間モータースポーツが本当に必要なのかと携わる人は誰もが考えたと思うんです。そのなかで、しっかりメッセージを打ち出すということは、スポーツとして何かを観てくださる方に伝えることは大きな意味をもっていると思いますし、これがたくさんの方に伝わるような活躍ができれば嬉しいですね」

 迎える2021年シーズン、SF19の3年目ということもあり、さらなる接戦も予想される。「今季はTEAM MUGENの16号車、そしてRedBull MUGEN Team Gohの2台体制で戦います。野尻選手は昨年最終戦の予選まですごく良い戦いをしてくれて、チャンピオンの可能性も十分ありましたが、最終的には5位というランキングになってしまいました」と田中監督は2020年を振り返った。

「しかし野尻選手は十分に速さはもっているドライバーですし、3年目となる今シーズン、必ずチャンピオンが獲れるようにチーム一丸となって頑張りたいと思います」

 また野尻も、田中監督が語る「チャンピオン」という言葉を十分に意識しているという。「僕もチャンピオンというものへの思いが強く、必ず獲りたいという一心ですが、昨年まで戦ってきたなかで、今までは漠然としかチャンピオンというものが見えていなかったものが、ドライバーとしての経験で、明確に近づいているなと自分自身も感じられています」と野尻。

「当然他の選手も死に物狂いでやってきますので、他の選手に負けない気持ち、行動、レース中のパフォーマンスを示して最大限自分の持てる力を発揮することができれば、必ず獲れるものだと思っています。また、後押ししてくださる皆さんの力も出せるよう、チームとして大きな力を出せるようにチームを引っ張って、喜びを分かち合いたいと思っています」

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