困っている人をさらに傷つける5つの言動と、「寄り添い力」を高める3つのポイント【公認心理師が解説】

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2021年03月08日 21:52  All About

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写真「気持ちに寄り添う」という言葉を聞くことが増えた現代、困っている人をさらに傷つけてしまう5つの言動と、「人の気持ちに寄り添える人」になるための3つの行動をお伝えします。
「気持ちに寄り添う」という言葉を聞くことが増えた現代、困っている人をさらに傷つけてしまう5つの言動と、「人の気持ちに寄り添える人」になるための3つの行動をお伝えします。

「気持ちに寄り添う」とは、自然な感情を受け止めること

最近、「気持ちに寄り添う歌声」「気持ちに寄り添う言葉」「気持ちに寄り添える人」など、「気持ちに寄り添う」という言葉をよく耳にします。どうやら近頃、人々は自分の気持ちに寄り添ってくれる何かを求めているようです。

では「気持ちに寄り添う」とは、どういうことなのでしょう? 人は、生きていればさまざまな感情が生じます。楽しく、ポジティブでいたいと願っていても、悲しみの底に沈み、クサクサした気持ちに取り巻かれてしまうこともあるでしょう。

もし身近な人がそんな気持ちになっていても、無理に相手の気持ちを変えようとせず、自然に湧き出ている気持ちを受け止めていくこと。それが「気持ちに寄り添う」ということです。

感染や災害などの不安が多く、先行きの見えにくい世の中では、人はみな不安になりやすく、我慢を強いられることも増えてしまいます。どうにもならない状況に悲嘆し、苦しい毎日に疲弊している人もたくさんいます。そうしたとき、人が欲するのは気の利いた言葉でも、斬新な考え方でもありません。純粋に、気持ちに寄り添ってくれること。それがいちばんのサポートになるのです。

落ち込んでいる人を傷つける5つの言動

落ち込んでいる相手の気持ちにうまく寄り添えなかった場合、よかれと思ってしたことが相手を傷つけてしまうこともあります。そのような言動を5つお伝えします。

1. 正論でアドバイスする

「こう考えれば無駄に悩まずにすむよ」「そもそもその考え方をやめれば、うまくいくよ」というように、むやみに正論をアドバイスするのは控えましょう。こうした言葉を多用する人には、「人は必ずしも物事を合理的に対処できるものではない」という視点が抜けています。

2. ポジティブシンキングを押し付ける

「もっと物事の良い面を見て」「悲しい時こそ笑顔でいよう」というように、むやみにポジティブシンキングに導こうとすると、相手は無理をしなければならず、余計につらくなってしまいます。「それができたらこんなに苦労してないよ」と思ってしまいます。

3. 故事や名言を引っ張り出す

心に余裕がないのに、「昔のことわざにこういう言葉があってね」「スポーツ選手の○○さんが言ってたことだけど」というように、故事や名言を並べ立てて教養的な面からアドバイスをされると、頭の中でその情報の処理もしなければならず、負担になってしまいます。

4. 「なぜ、なぜ?」と質問をする

「なぜそういう考え方をするの?」「なぜこう考えられないの?」というように、とても落ち込んでいる時に「なぜ、なぜ?」という言葉で質問されても、考え方のくせを振り返り、新しい考え方を取り入れることができるほどの余裕はありません。

5. 話を聞かない、話を適当に受け流す

クヨクヨ悩んでいる人の話を聞いていると、出口が見当たらず、自分までネガティブになりそうでうんざりしてしまうものです。だからといって、話をちゃんと聞かなかったり、話を適当に受け流していたりすると、相手はむなしく感じてしまいます。

「寄り添う力」を高める3つのポイント

「気持ちに寄り添う」行動には、いくつかのポイントがあります。大切なポイントを3つお伝えします。

1. 「気の利いた言葉」より、心のこもったあいづちやうなずきを

とても落ち込んでいる時には、気の利いた言葉や情報など、さして求めていません。やさしく穏やかな雰囲気を欲し、親身になって話を聞いてほしいと願っています。相手の顔を見てあいづちやうなずきをしながら話を聞くことは、「あなたの気持ちに寄り添ってるよ」というサインになります。

2. 「評価の目」で相手をとらえず、純粋な気持ちで話を聞く

「そもそもネガティブに考えるのはよくないことだ」「愚痴を言うのは弱い人だ」というような評価の目をもちながら聞くと、悩んでいる人の話を聞くことそのものが苦痛になります。相手がいま、ここで悩み、苦しんでいるというありのままの状況を認め、相手の中から湧き出す自然な感情や素直な気持ちを、ただ純粋に受け止めていくことが大切です。

3. アドバイスをするときは、たっぷり気持ちに寄り添った後で

「こう考えたらもっと楽になれるのにな」「前向きになれる考え方を教えてあげたい」という思いがあるかもしれません。しかし、とても落ち込んでいる状態では、いくらよいアドバイスを受け取っても、自分の考えを見直せるだけの心の余裕がないことが多いものです。アドバイスをする場合は、相手の気持ちにたっぷりと寄り添った後にしましょう。

気持ちに寄り添ってもらうことで、人は前向きになれる

このように、とても落ち込んでいる人や悩んでいる人には、なにか気の利いたことをしてあげようとするより、しっかりと気持ちに寄り添ってあげた方が、心のこもったサポートになるのです。

人は、やさしい雰囲気のなかで気持ちに寄り添ってもらうと、心の中にたまっている澱が浄化されます。すると、徐々に自分を苦しめた思いから解放され、「クヨクヨ考えるより前向きな考え方をしていった方がいいのだろう」と気づけるようになります。

人の気持ちに寄り添うことを、難しく考える必要はありません。落ち込んでいる人を余計につらくするようなことを言わないこと、やらないこと。相手の素直な気持ちを受け止めて、しっかり話を聞くこと。この2つを意識していけば、きっと「人の気持ちに寄り添える人」になることができるでしょう。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。
(文:大美賀 直子(公認心理師))

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